学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

GW明けのご挨拶

2018-05-07 | 『増鏡』を読み直す。(2018)
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2018年 5月 7日(月)10時21分20秒

掲示板もいったん休むと休みグセがついてしまって、暫く投稿しませんでしたが、そろそろ再開したいと思います。
去年の12月から『増鏡』の読み直しを始めて、最初は今年の3月くらいまでに終らせるつもりだったのですが、途中から原文全てに私訳を入れることとし、更に『とはずがたり』についても部分的ながら相当詳しく紹介しているので、現時点での進捗状況はちょうど『増鏡』の半分くらいです。
これでもそんなに悪いペースではないと思いますが、細かい考証を日々続けていると、少し大きな議論をしたい気持ちもフツフツと湧いてきます。
そんな折、1997年6月に開設し、2015年12月末に消滅したと思っていた旧サイトが幸いにも「インターネットアーカイブ」に保管されていることが分かり、今から見ると内容に多々不満を覚えるものの、「私の考え方(2002年暫定版)」その他で私見は基本的に公開済みであるので、『増鏡』の読み直しもあまり急ぐ必要もないかな、という感じがしてきました。
そこで、「弘安の御願」について現時点での自分の考え方を簡単に纏めた後、気分転換も兼ねて、2016年正月、ちょうど旧サイトが消滅した(と思っていた)直後に始めた「グローバル神道の夢物語」以下のシリーズを再開しようかなと考えています。

「後深草院二条-中世の最も知的で魅力的な悪女について-」
http://web.archive.org/web/20150830085744/http://www015.upp.so-net.ne.jp/gofukakusa/

カテゴリー「 グローバル神道の夢物語」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/8289629ba9e8078a5bc2a95e2694852a
カテゴリー「 ライシテと国家神道」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/9b7b92fa25a6021d47196eb85ce0fcb2
カテゴリー「トッド『家族システムの起源』」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/992309500593072611f06f9832949f3c
カテゴリー「古代オリンピックと近代オリンピック」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/a4ae4133f33690d9b955b1a99d967a92
カテゴリー「 深井智朗『プロテスタンティズム─宗教改革から現代政治まで』」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/c44a503663fae48079c879463acf0a26
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「弘安の御願」論争(その4)─「身を以て国難に代らせ給ふ」 (by八代国治)

2018-05-01 | 『増鏡』を読み直す。(2018)

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2018年 5月 1日(火)22時30分47秒

「弘安の御願」論争については、龍粛の「弘安の御願に就いて」を少し丁寧に紹介し、それ以外の論文は簡単に内容を紹介した上で私見を述べようと思っていたのですが、旧サイトを改めて読んでみると、大正時代の歴史学者の論争というのは妙に面白いところがありますね。
大正デモクラシーの時代が終わって昭和に入ると、マルクス主義が時代の最先端の思想として流入し、歴史学の世界でも史的唯物論が急速に知的権威を確立する一方、その反動として「皇国史観」の膨張も生ずる訳ですが、敗戦によって後者が潰滅するや、歴史学の世界は左翼一色となります。
網野善彦氏(1928-2004)に二年遅れて東大国史学科に入った犬丸義一氏(1928-2015)によれば、「私たち国史学科の四九年入学組十六人のうち実に九人までが共産党に入党」したそうですが、史的唯物論全盛の時代には、確かに歴史学が厳密な社会科学となったものの、聊か生真面目になりすぎ、また論争には殺伐とした雰囲気も漂うようになってしまいます。
こうした戦後の論争に比べると、大正時代の論争はまだまだのんびりしていて、「大正ロマン」的な香りがない訳でもないですね。

「運動も結構だが勉強もして下さい」(by 坂本太郎)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/06ac5441a8971a3ada912df93428d77f

ちょうど百年前、大正七年(1918)の『史学雑誌』に出て、熱い論争の発端となった八代国治の論文「蒙古襲来についての研究」(『國史叢説』所収、吉川弘文館、1925)については、八代に敬意を表するとともに、その古風な文体の紹介も兼ねて、こちらにも載せておきませう。

-------
※追記(5月2日)
旧サイトとの関係をどうしようか考えていて、昨日はこの掲示板だけ見ても必要な情報が得られるようにすべきかなと思って旧サイトの内容を転載してみたのですが、無駄にこちらの情報量が増えて分かりづらくなってしまいますね。
再考の上、やはり重複は避け、必要に応じて「インターネットアーカイブ」に保管されている旧サイトの記事にリンクを張ることにしました。

八代國治「蒙古襲来に就ての研究」(『國史叢説』.吉川弘文館.大正14年)
http://web.archive.org/web/20101109015455/http://www015.upp.so-net.ne.jp:80/gofukakusa/just-yashiro-kuniji-hottanno-ronbun.htm

>筆綾丸さん
>魚を抱えた猫
いったん捕まえた魚は絶対に手放さない、という決意のあらわれです。わはは。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

猫 2018/05/01(火) 16:58:24
魚を抱えた猫、懐かしいなあ。
私はこの絵が好きでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする