東日本復興計画私案(後半) 投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2011年 5月31日(火)23時25分26秒
三、歴史的建造物の復元
復元の対象となる歴史的建造物は、各教団がそれぞれの歴史的伝統を踏まえ、決定する。
仏像や核心的な重要性を有する建造物はかつて存在したものと同種の素材で復元すべきであるが、それ以外の建造物はデザインのみを承継するものとし、必要に応じてスケールを拡大し、素材は木造建築にこだわることなく、最新の建築技術を駆使して、今回の大震災規模の地震・津波が再び起きた場合にも充分に対応できる頑健な建造物とする。
万一の災害時には、住民の避難所として活用する。
また、陸前高田市のような広い平坦地では、核シェルター並みの地下避難所を併設することも検討する。
災害対策のために付加された部分については、公的支援を特に手厚く行う。
四.建設工事による雇用の創出
伝統的建造物復元工事には地元の建設業者を活用し、大勢の被災者を雇用する。
壮麗な宗教的空間を創造する工事への参加は、それ自体が死者を供養する行為であり、被災者に心の安寧をもたらすことができる。
大勢の被災者に誇りをもって働くことのできる場を提供し、物質面のみならず精神面においても、生活再建のきっかけを与えることができる。
五、門前町の形成
各寺院の門前には参拝者・観光客を受け入れるための門前町を作り、ホテル・旅館・飲食店・土産物店等の事業を奨励し、若年層のみならず高齢者も働くことのできる雇用の場を創出する。
そして寺院を精神的紐帯とする、高齢者にとっても安心して生活できる地域コミュニティを作る。
六.東北版「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の形成
主要被災地ごとに壮麗な歴史的建造物を復元し、かつ石巻市釜谷の大川小学校のような特に痛ましい被害があった場所には死者・行方不明者の人数に応じた規模の寺院を建立し、また、殉職した警察官・消防官・消防団員等、顕彰すべき功績のあった人々のために、それぞれにゆかりの場所に堂宇・慰霊碑を建設し、それら全てを連結して数百キロメートルの巡礼路を造り、更にこれらを中尊寺や瑞巌寺等の名刹・古刹と連結させて、福島県から岩手県までの太平洋沿岸に、文化的レベルにおいて京都・奈良に匹敵し、規模において京都・奈良を凌駕する落ち着いた雰囲気の広域的宗教空間をつくる。
そして、東北の豊かな自然環境と組み合わせた国際的な観光地とし、観光業を東北地方の経済を長期的に支える主要産業とする。
その際に最も参考となるのは、スペインの、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」である。
イエスの十二使徒の一人、聖ヤコブが埋葬された地と伝承されるスペイン北西部の宗教都市、サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼路は、千年を超えて存続し、現在もなお多くの巡礼者を迎えており、近年、ユネスコに 「道の世界遺産」として登録されている。
最も重要なルートが海に沿って展開し、数多くのロマネスク様式の教会・修道院を結ぶサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、東北に新しい広域的宗教空間を形成する上で見習うべき重要なモデルとなる。
七、おわりに
以上、雇用の創出、産業の形成を中心に論じてきたが、これらと並んで重要なのは教育である。
大震災により、被災地の子供たちは千年に一度の黙示録的光景と直接に向き合う過酷な経験を強いられ、また、被災地外においても、メディアを通じて多くの子供が惨たらしい映像を繰り返し見せつけられた。
しかし、過酷な経験を強いられた子供たちこそ、世界を変革する主体となる可能性を秘めている。
これらの子供たちの中から、人類のあり方を巨視的に見通す深い洞察力と構想力を持った科学者・思想家・哲学者を生み出すことを目標に、子供たちが深く考えるための素材を日本の全歴史の中から取り出して実体化すべきである。
以上
三、歴史的建造物の復元
復元の対象となる歴史的建造物は、各教団がそれぞれの歴史的伝統を踏まえ、決定する。
仏像や核心的な重要性を有する建造物はかつて存在したものと同種の素材で復元すべきであるが、それ以外の建造物はデザインのみを承継するものとし、必要に応じてスケールを拡大し、素材は木造建築にこだわることなく、最新の建築技術を駆使して、今回の大震災規模の地震・津波が再び起きた場合にも充分に対応できる頑健な建造物とする。
万一の災害時には、住民の避難所として活用する。
また、陸前高田市のような広い平坦地では、核シェルター並みの地下避難所を併設することも検討する。
災害対策のために付加された部分については、公的支援を特に手厚く行う。
四.建設工事による雇用の創出
伝統的建造物復元工事には地元の建設業者を活用し、大勢の被災者を雇用する。
壮麗な宗教的空間を創造する工事への参加は、それ自体が死者を供養する行為であり、被災者に心の安寧をもたらすことができる。
大勢の被災者に誇りをもって働くことのできる場を提供し、物質面のみならず精神面においても、生活再建のきっかけを与えることができる。
五、門前町の形成
各寺院の門前には参拝者・観光客を受け入れるための門前町を作り、ホテル・旅館・飲食店・土産物店等の事業を奨励し、若年層のみならず高齢者も働くことのできる雇用の場を創出する。
そして寺院を精神的紐帯とする、高齢者にとっても安心して生活できる地域コミュニティを作る。
六.東北版「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の形成
主要被災地ごとに壮麗な歴史的建造物を復元し、かつ石巻市釜谷の大川小学校のような特に痛ましい被害があった場所には死者・行方不明者の人数に応じた規模の寺院を建立し、また、殉職した警察官・消防官・消防団員等、顕彰すべき功績のあった人々のために、それぞれにゆかりの場所に堂宇・慰霊碑を建設し、それら全てを連結して数百キロメートルの巡礼路を造り、更にこれらを中尊寺や瑞巌寺等の名刹・古刹と連結させて、福島県から岩手県までの太平洋沿岸に、文化的レベルにおいて京都・奈良に匹敵し、規模において京都・奈良を凌駕する落ち着いた雰囲気の広域的宗教空間をつくる。
そして、東北の豊かな自然環境と組み合わせた国際的な観光地とし、観光業を東北地方の経済を長期的に支える主要産業とする。
その際に最も参考となるのは、スペインの、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」である。
イエスの十二使徒の一人、聖ヤコブが埋葬された地と伝承されるスペイン北西部の宗教都市、サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼路は、千年を超えて存続し、現在もなお多くの巡礼者を迎えており、近年、ユネスコに 「道の世界遺産」として登録されている。
最も重要なルートが海に沿って展開し、数多くのロマネスク様式の教会・修道院を結ぶサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、東北に新しい広域的宗教空間を形成する上で見習うべき重要なモデルとなる。
七、おわりに
以上、雇用の創出、産業の形成を中心に論じてきたが、これらと並んで重要なのは教育である。
大震災により、被災地の子供たちは千年に一度の黙示録的光景と直接に向き合う過酷な経験を強いられ、また、被災地外においても、メディアを通じて多くの子供が惨たらしい映像を繰り返し見せつけられた。
しかし、過酷な経験を強いられた子供たちこそ、世界を変革する主体となる可能性を秘めている。
これらの子供たちの中から、人類のあり方を巨視的に見通す深い洞察力と構想力を持った科学者・思想家・哲学者を生み出すことを目標に、子供たちが深く考えるための素材を日本の全歴史の中から取り出して実体化すべきである。
以上