第131回配信です。
一、前回配信の補足
上島眞智子『徒然草 人物考証の新研究』(新典社、2020)
https://shintensha.co.jp/product/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89-%E4%BA%BA%E7%89%A9%E8%80%83%E8%A8%BC%E3%81%AE%E6%96%B0%E7%A0%94%E7%A9%B6/
https://shintensha.co.jp/product/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89-%E4%BA%BA%E7%89%A9%E8%80%83%E8%A8%BC%E3%81%AE%E6%96%B0%E7%A0%94%E7%A9%B6/
権門体制論は承久の乱の戦後処理を説明できるのか。
新年のご挨拶(その2)〔2021-01-03〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/c17a2e0b20ec818c1ab0afd80862eb6f
承久の乱後に形成された新たな「国際法秩序」〔2021-10-01〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/c6e725c677b4e285b26985d706bf344c
川合康氏「鎌倉幕府研究の現状と課題」を読む。(その4)〔2023-03-09〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/445055e235c4074de2517fb032953962
0024 佐藤雄基氏の研究について(その1)〔2024-01-24〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/b40ce7a34a7da740383ef93a82085e32
国家の本質を「正統的暴力の独占」と把握し、国際法上の「国家」概念に照らして幕府を「国家」と考えれば、承久の乱の戦後処理を合理的に説明できそう。
しかし、当時の人々は、当時の人々なりの「国家」「日本国」概念を持っており、幕府を含む「一つの国家」、「一つの日本国」の存在を疑ってはいなかった。
では、現代の歴史研究者は、当時の人々の「国家」「日本国」概念に従属しなければならないのか。
古文書・古記録の世界に沈潜している研究者は、「ひとつの国家」を疑う必要を全く感じていないように思われる人が多い。
「慈光寺本妄信歴史研究者交名」(その50)─高橋秀樹氏の場合〔2023-11-16〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/c640dc22ec21d1fa533cf80b6b4e5e86
しかし、当時の人々は、当時の人々なりの「国家」「日本国」概念を持っており、幕府を含む「一つの国家」、「一つの日本国」の存在を疑ってはいなかった。
では、現代の歴史研究者は、当時の人々の「国家」「日本国」概念に従属しなければならないのか。
古文書・古記録の世界に沈潜している研究者は、「ひとつの国家」を疑う必要を全く感じていないように思われる人が多い。
「慈光寺本妄信歴史研究者交名」(その50)─高橋秀樹氏の場合〔2023-11-16〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/c640dc22ec21d1fa533cf80b6b4e5e86
史料概念としての「国家」「日本国」と分析概念としての「国家」を切り離すメリットは何か。
抽象度の高い分析概念として「国家」を使用することにより、
(1)特定の政治権力を他の時代、他の地域の「国家のようなもの」と比較し、当該政治権力の性格をつかみやすくなる。
(2)国家論と社会論の役割分担が明確になる。
不明確な代表例
宮地正人等編『新体系日本史1 国家史』(山川出版社、2006)
https://www.yamakawa.co.jp/product/53010
『新体系日本史1 国家史』〔2013-12-02〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/d11b8a4cd53f6ebeec7ada9557201c65
宮地正人氏「国家」(『日本史大事典』)(その1)(その2)〔2014-01-31〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/8efa01d90ea67cfdcc039c6012ec7cc9
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/ed4ea2f8386d8adfa8d2d7d3073df7f6
「史料概念」と「分析概念」〔2019-07-16〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/72564c188bd1ced974a3406b89d38e62
二、後鳥羽院=プーチン説
「鎌倉クラスター向けクイズ」へのコメントで、筆綾丸さんがプーチンに言及。
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/ac6d4eaa2383d39dc1dd244584ad5cfa
ウクライナ戦争は「国家」を考える上で絶好の素材。
プーチンは独自の歴史観から、ウクライナが「国家」であることをそもそも認めていない。
ソ連邦解体の混乱の中で、西欧諸国の陰謀により、ウクライナは「国家」であるかのような外形を一応整えた。
しかし、それは正しくない歴史であり、正しい歴史観に基づく秩序を回復しなければならない。
後鳥羽院は独自の歴史観から、鎌倉幕府が「国家」であることをそもそも認めていない。
治承・寿永の内乱の混乱の中で、源頼朝の策謀により、幕府は「国家」であるかのような外形を一応整えた。
しかし、それは正しくない歴史であり、正しい歴史観に基づく秩序を回復しなければならない。