次の文章を読んで、下記の問いに答えよ。
江戸幕府の政治組織は、将軍家光の頃までに整備された。
中央では将軍に次ぐ役職として特に必要な場合は[ 1 ]が置かれたが、通常は老中が政務を統括し、若年寄がそれを補佐した。また大目付は大名の、目付は旗本などの監察を行った。
その他三奉行として、町奉行は江戸の行政・司法を、[ 2 ]は幕府の財政や幕府領の管理を、寺社奉行は寺社の行政を担当した。そして通常は老中以下1 ヵ月交代で勤務する月番制で政務をとり、司法、警察の重要事項は[ A ]で合議により決裁された。
また、地方の政治組織は以下のように整備された。すなわち、京都に所司代を、大坂と駿府に城代を、幕府直轄地である天領のうち重要地には城代・奉行などの(a)遠国役人、その他の天領には郡代や代官をおいて治めさせた。
将軍から 1 万石以上の領地を与えられた者を大名といい、尾張・紀伊・水戸の御三家など徳川氏の一族である親藩、三河以来の家臣の譜代、関ヶ原の戦いの頃に徳川氏に従った(b)外様の 3 つに分類される。
また将軍直属の家臣は将軍に御目見得できる旗本と御目見得できない[ 3 ]に分かれた。
大名がその領地や家臣・農民などを納める機構を藩とよび、こうした藩と幕府による全国支配の仕組みを幕藩体制と呼んでいる。
幕藩体制において大名は、はじめ上級藩士には領地の一部を与え、その領民の支配を認める[ B ]をとっていたが、17世紀中頃になると郡奉行や代官などが支配する直轄領である蔵入地を増やし、藩士に対して蔵入地からの年貢を支給する[ C ]が行われるようになり、大名の領地、領民を支配する力が強化された。
幕府は大名統制の基本法として[ D ]年に武家諸法度を定め大名に対する支配を強めた。
さらに1635 年の法度には参勤交代の制も定められた。この制度は大名にとって財政上重い負担であったが、背いた大名は改易、減封、転封等の処分を受けた。
朝廷に付しては禁中並公家講法度を定め、天皇や公家の政治的行動を厳しく取締り、京都所司代にそれを監視させるとともに、幕府に信頼ある公家を朝廷と幕府の間の交渉をさせる[ E ]の制度により統制した。
寺院に対してもキリスト教を禁圧するため[ F ]を設けて、すべての人々がいずれかの寺院の檀徒になることを強制し、寺院を庶民支配の機関とした。
問1 文中の[ 1 ]~[ 3 ]に入る最も適切な語句をそれぞれ漢字で記入せよ。
問2 文中の[ A ]に入る最も適当な語句を下記から 1 つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 雑訴決断所 (2) 侍所 (3) 政所 (4) 評定所 (5) 公文所
問3 文中の[ B ]・[ C ]に入る最も適当な語句を下記からからそれぞれ一つずつ選びその番号をマークせよ。
(1) 俸禄制度 (2)惣領制 (3) 大名知行制度 (4) 下地中分 (5)地方知行制 (6) 地頭領主制 (7)守護請 (8)地頭請
問4 文中の[ D ]に入る適切な年を下記から 1 つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 1601 (2) 1611 (3) 1615 (4) 1625 (5) 1629
問5 文中の[ E ]に入る最も適切な語句を下記から 1 つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 綸旨 (2) 京都守護 (3) 六波羅探題 (4) 武家奉公人 (5) 武家伝奏
問6 文中の[ F ]に入る最も適切な語句を下記から1つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 寺院法度 (2)本山・末寺の制 (3)寺請制度 (4) 神仏分離令 (6)諸宗寺院法度
問7 下線部(a)について、遠国役人が置かれなかった地名を下記から1つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 萩 (2) 長崎 (3) 山田 (4) 伏見 (5) 堺
問8 下線部(b)について、外様でない大名を下記から 1 つ選び、その番号をマークせよ。
(1) 島津 (2) 毛利 (3) 伊達 (4) 前田 (5)井伊
[解答]
問1 1 大老 2 勘定奉行 3 御家人 問2 (4) 問3 B (5) C (1) 問4 (3) 問5 (5) 問6 (3) 問7 (1) 問8 (5)
[解説]
問1 2.三奉行