THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

chicagoⅢ(LP's)

2017-12-04 02:24:46 | CHICAGO

1969年、衝撃のデビュー作品、そしてトータルアルバムとしての傑作セカンドに次いで1971年に発表されたシカゴの3枚目が写真の「シカゴⅢ」(全米2位を記録)
なんと3作連続で2枚組という大作。
全てがあのあまりにも有名なジョンバーグデザインによるシカゴロゴで統一。
こちらは特にショッキング。
ぼろぼろな星条旗へラフに縫い付けられたロゴ。
しかも付属のポスターには、おびただしい数の墓をバックにメンバー全員、兵士の服装で神妙な表情にてポーズしています。サイドにはそれまでにおこった戦争年と戦死者の数字まで記載。
過激なまでのメッセージを曲に託してきたシカゴが遂にここまでやるか!というくらいに訴えています。病めるアメリカ、行き場を失った若者達、深刻化するベトナム戦争、不安定なる世界情勢を曲のメッセージに盛り込んだボリューム満点の力作です。
サウンド面では幾分の変化が見られます。
ホーンが若干後退し、その分コーラスワークの比重が増してきました。
またボーカル、ギター、キーボードなどが迫力倍増、曲想も更にバリエーション豊富に。
十八番の組曲も3つ収録。
過酷なライブツアーにおける内省的な心情を綴った旅行組曲こと「トラベルスーツ」
テリーキャスの独壇場ともいえる渋いブルース「シャワーの時間」は隠れた名作。
ラストはジミーパンコウによる深刻なる地球上での問題定義。廃液、大気汚染、騒音、自然破壊などをシニカルかつラジカルに表現した「エレジー」
また、このアルバムからもヒット曲が生まれています。
「自由になりたい」は、ただひたすらに自由を求めてシンプルかつソウルフルに叫び続ける熱きストレートブラスロック。
「ロウダウン」はリズムセクションのピーターセテラとダニーセラフィンが初めてタッグを組んだポップな快作。ちなみに日本語バージョンも話題になりました。
その他のアルバム内容はといいますと…
マイルスデイビスを彷彿とさせるもろジャズロックの「孤独なんて唯の言葉」
何から何までシンプルなビートルズタイプの佳曲「朝の光」
いつもは甘い声で歌うロバートラムがドスのきいたガラの悪い兄ちゃん風ハードに迫る「欲しいのは君だけ」
イントロからCS&Nテイストで新境地開拓の「フライトナンバー602」ではポコのラスティヤング直伝のスティールギターが爽やか。
テクニカルでジャジーなダニーによるドラムソロ「火星へのモーターボート」
実験的触手をまた伸ばしてきた「自由の祖国」
映画ベンハーを連想させるホーンアンサンブルの展開がスリリングな「母なる大地」
古典ファンファーレ風なホーンが鳴り響く「聖典」
ウォルターパラゼイダーのフルートの音色が美しい「むかし、むかし」
その流れから工事現場やクラクション、工場のノイズを大胆なSEに絡めて導入し、最後は水洗トイレの音で皮肉込めて締めくくる「遍歴」
お祭りのお囃子みたいなリズムアクセントが意外にもカッコいいインスト「近づく嵐」
変拍子がバシバシ飛び出してきてクライマックスを迎える「人間対人間:終局」
このアルバムの次に4枚組ライブ、そしてやっと5枚目から1枚モノのアルバムに落ち着き、絶頂期を迎えることとなります。

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ROD STEWART(CD's)

2017-12-04 00:31:12 | free form space

ロッド スチュワート!
長年にわたってつねに第一線で活躍し続けている偉大なるロックシンガー。
ヒット曲も膨大な数にのぼり、ライブパフォーマンスのかっこよさは今だに衰え知らず。
あのキツツキヘアと、一度聞いたら絶対に忘れられないハスキーボイスも健在。
浮名をながしたお相手の美女をあげていったら羨ましい限り。
元サッカー選手だけに、ステージからボールを観客席に見事なキックで投げ込むコーナーは名物です。
知り合いのかたはそのサイン入りボールをゲットしていましたよ。

さて、そのロッドを評して、コアなファンは「やはり第1期ジェフベックグループ時代が最高にロックしている」と言います。
また別のファンは「イキの良いロックンロールならばフェイセズのロッド」
なるほどね〜!
またそれと並行してソロ活動していた「マギーメイ」のヒットを含む「ガソリンアレイ」「エブリィピクチャーテルズアストーリー」あたりのロッドは全てに於いてノリノリパーフェクト!と絶賛する方もいます。
ロッドは何度も来日公演を行っていますが、癌により高音が出しにくくなるというシンガーにとっては命とりとも言える危機に瀕します。
ところが歌唱方法を変えて、ジャンルもグッと渋い方向に変更。ファンの間では賛否渦巻いたスタンダードカバーシリーズ。
これが驚いた事に予想以上の大ヒットを記録。奇跡の復活を遂げます。
シリーズ5作まで発表して、更にソウルカバー、デビッドフォスターがプロデュースしたクリスマスアルバムまでをも制作して軒並みの大ヒット。
現代のフランクシナトラばりに歌うロッドもなかなかに乙なもの。
で、ロッドにとって人気、実力、華やかさと絶頂期だったのは1980年前後でしょう!イギリスに見切りをつけてアメリカ大陸に上陸した、その名も「アトランティッククロッシング」
更にジェフベック絡みでフィルチェンやカーマインアピス、更にロッドが崇拝するチャックベリーのバックを務めていたビリーピークらを迎えて結成されたスーパーバンドを率いて発表された4作が写真のCD。
セクシーでユニークなビデオも話題になった「ホットレッグス」、珠玉の名バラード「胸につのる想い」、もはやいう事無しのディスコナンバー「アイムセクシー」、時代を象徴する打ち込みサウンド「トゥナイトアイムユアーズ」、日本のお酒コマーシャルにも出演した「パッション」と正に黄金期。
しかしアイムセクシーが盗作問題で訴えられてロッドは敗訴…。
ロッドは共作者のカーマインに責任を押し付け、それにウンザリしたカーマインは脱退してしまいます。
まあ、それはともかくとして、
私はロッドのコンサートは武道館、札幌は真駒内アイスアリーナと月寒グリーンドームで見た事がありますが、そのどれもが素晴らしいエンターティナーショーとして圧倒されました。なんと言っても存在感や一挙手一投足にオーラが充満してる。マイクアクションもダイナミックで華麗!
盟友の故イアンマクラガンもいたし、ほとんどの観客は気づかなかったと思うけど、ジョーペリーの後釜としてエアロスミスに在籍していたジミークレスポが見れたのも嬉しかったなあ。
で、私が初めてロッドを見たのが1981年のことです。
ロッドスチュワートバンド最終公演日の東京にて、私と先輩が仕事でロッドらが宿泊しているホテルの部屋にギターのジムクリーガンがレンタルしていたギターアンプを引き上げに午前中訪れた時。廊下で私が時間調整で待っていると視線を何やら感じたのです。
なんとメンバー数人が向かい部屋のドア越し縦に並んで顔だけ出してこちらにスマイルしてる!
陽気な連中だなあ〜と苦笑いしていたら、今度は向こうからヨレヨレの浴衣のまま、ボサボサ頭に素足でヨタヨタ歩いてくるあんちゃん1人。それがロッドスチュワート本人でした!
私の足元に置いてあった新聞をかがんで取り上げて、目が合うてニヤッと笑いかけて、また今きた廊下を歩いて行きました。
私は呆気にとられて、しばらく放心状態…予期せぬひと時、信じられない気持ちで一杯でした。気の良さそうな優しい兄ちゃんという印象のロッドスチュワートだったけど、よくよく考えてみたら、
プレイボーイのロック界屈指のスーパースターなんだよね〜^ ^。

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