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いまだに日本未発売の「テリー・キャス、トリビュートCD&2枚組みLP」を紹介します。
タイトルは…chicago presents the innovative guitar of terry kath
まずはCDが1996年にシカゴの自主レーベルより発売されます。
そしてつい最近になっていきなり、豪華2枚組ズッシリ180gビニールとしてジャケットデザインも一新、発売されました。RHINOさん、マニアックで丁寧な仕事でアンタは偉い!^ ^
この勢いで、次なるシカゴ企画もよろしくお願いしたいものです。楽しみ。
シカゴ市でのバンド、ミッシング・リンクスにおいて若きテリー&ウォルター、そしてダニーが理想を胸に合流した時点でシカゴのスーパー・ヒストリーがスタートします。
テリーは貧しい農家の子として生まれながらも、家族全員が音楽好きという環境の中、ありとあらゆる楽器を独学でマスター。
下積み時代はセッション・ベーシストとして数度のアメリカ・ツアーを経験したのちにギタリストに転向。ワイルドでテクニカル、その超個性的なギター・プレイスタイルはベンチャーズからの影響が1番大きいというのも頷けます。
J・Wガルシオの援助を受けシカゴ(C・T・A)でデビュー、ギター以外にも作詞、作曲、ボーカル、ベースなどを担当。彼はどうも豪快そのものというイメージでとらえられがちですが、アルバム収録曲にはアコースティック系の美しくも切ないバラードやゴスペル風楽曲、繊細でグッと渋めのブルースなど意外にも多方面のジャンルに精通しています。もちろんジミヘンばりのハードで弾きまくる強烈なナンバーもいっぱいありますよ。ひじょうに残念なことに、彼くらい才能に溢れているのに過小評価されているギタリストはいないのでしょう。
シカゴのメンバーの誰からも愛され尊敬されていたテリーでしたが、1978年1月23日、拳銃の暴発事故で31歳の生涯を終えました・・・。
CDとLPの曲目は同じで、
全14曲入り。もちろんテリーの作品や、彼のボーカル、ギターがフューチャーされているものを中心にセレクト。
「長い夜」「ミシシッピー」はライブ・イン・ジャパンからの音源。
びっくりしたのは、ここでしか聞けないテリーのジングルが収められていること。
「ダイアログ パート1,2」「リッスン」「サウス・カリフォルニア・パープルス」「シャワーの時間:組曲」の4曲でイントロ前のシーンとかが確認できます。これは貴重だあ!!
曲目もめちゃレアというか、よくぞ選んでくれました!と唸りたいくらいの感涙もの。ラストが「フリー・フォーム・ギター」ですからね!!
ヒット曲はライブ含めての2曲のみ(厳密に言えばアイム・ア・マンを入れて3曲ですが)。
他はアルバムのみでしか聞けない(もしくはシングルB面)ものばかり。よく考えてみたらテリーの作品やボーカルはシカゴのヒット曲のなかでも少ないのです。EPのB面は多いですが。
私が若い時にはロック・フィーリングにばかり気をとらわれてばかりで、核となる魂の部分がよく理解できなかったテリーの楽曲、歌声も年齢を経て今改めて聞きこむとグッとこみあげてくるものがあって感動しまくり、鳥肌ものです。やっぱりテリーは別格ですね。素晴らしい!