「2019,1、20(SUN)第3回 ラッパ祭り!!」
STAが昨年9月に引き続いてまたもや帰ってきました、ヴィニーズ・バー。
STAは必ずマサが企画する「リブレーション」で、ここを利用させてもらっているのですが、ヴィニーズ・バーでの企画モノに出演するのは2度目!
実は去年の夏にオーナー直々にマサの元へ「第1回ラッパ祭り」企画へのお誘いをいただいていたのですが、なかなかメンバー達のスケジュールが都合つかずに泣く泣く断念・・・。
しかしそこはそれで、必死の執念が実って去年の9月遂に実現の運びとなったわけです。
しかもありがたいことに、マサのほうから日程まで決めさせていただきました。
無事大盛況の内に終えることができたのでした。
するとすかさず、今回の第3回ラッパ祭りへのお誘いがきたのです。
もちろんSTAは快諾!ところがですよ・・・・残念なことにこのヴィニーズ・バーは3月一杯で閉店しちゃうとのこと。
思い返せば、このライブハウスはずっと知っていながらも、何のツテもないのでSTAは出演の機会を得られなかった憧れの会場だったのです。
ある日痺れを切らせて、遂に意を決したマサは自ら出向いて売り込みをかけたのです。
それが縁で、以来ゴヒイキにさせてもらっていたのですよ。
STAはどこで演奏しても浮いた存在だっただけに、このラッパ祭りの嬉しい企画は大歓迎だったのになあ・・・・・。
さてさて、それでは早速恒例のレポートと参りましょうか。
「ラッパ祭り」というだけに管楽器を擁するバンドが参加の条件(サックスのジュンのみ全イベントに参加したというわけだから貴重なる人物だ!)。
この管楽器というものが、ミキサーにとってはひじょうに扱いが難しいものらしいです。
しかも大所帯。
というわけで、充実したサウンドをお届けするというプロのコダワリを反映させる意味でも、このたびは3バンドのみということになりました。
パーフェクトな音作りにこだわり続ける職人クボタくんにとっては多くても3バンドが限界なんだとか。
濃厚かつド迫力のバンドが出揃いましたよ。
相手にとっては不足なし。三つ巴の一騎打ちだ。
ジャンルは違えどブラス・ロック対ジャイブ・トロピカル・ミュージックの熱き激突を展開して大いに盛り上がりました。
会場は札幌ボウリング施設では超老舗のオリンピア・ボウル内。
地下駐車場も日曜日だけにすでに混雑していて(もちろん無料!)上からは「ゴロゴロ・・・・パッカーン!」という威勢のいいレーンとボールとピンの音が絶え間なく轟いています。
そうこうしている内に愛車に乗って、続々と今回の出演バンド達が会場入り。
いつもの気心知れた奴等、懐かしき盟友達、初対面のミュージシャン達同士が固い握手や会釈を交し合いながらも、クボタくんと準備や手配に余念がありません。
早目に到着したマサ&サワケンはこの日1番乗りだと思っていたのに、考えが甘かったようだ。
ヴィニーズ企画ライブなので、何から何まで貸切状態で、思う存分にタイムテーブルも贅沢に仕切らせてもらいました(笑)。
入場料金もこの内容にしては超格安!。
更なる器材一新のニュー・ヴィニーズが新鮮に映ってました。
どうやらオーナーは儲ける気がないようだ。
男気溢れるクボタくんに拍手喝采!
皆マナーの良い大人ばかりなので、時間にはきっちり。
余裕すら感じるほど。
会場に入ったらもう爆音が轟いてるではないか・・・!?
なんと「岩見沢トロピカル商会」がすでにステージに陣取っている!!
なんでも、この日はここで練習をしているのだとか。そういう利用方法もあるわけだ。本番並みに肩慣らし。
このバンドは総勢18人(!!)なので、もうステージ上は芋洗い状態。
STAの編成が妙にスッキリして見える・・・・・(笑)
一旦小休止してから改めてサウンド・チェック。
16:40~16:40
岩見沢トロピカル商会のリハが転換込みで30分。
入れ替わりに16:40~17:10STAのサウンド・チェック!
マサが事前にクボタ君に手渡しておいたSTAバンドセットリスト&編成詳細表に沿って、逐一セッティングとバランス調整をスムーズに施してくれています。
要望に応じての音固めも手堅い!さすが。
あるバンドマンは「ヴィニーズって音が格段にいいね!」と絶賛。
クボタくん曰く「STAはやっと最近じっくりと納得ゆくまで音作りができるようになったから嬉しい!」
確かにそれはいえるね。
だって今まではバンド数が多くてろくにリハなんてできたためしがなかったもん。しかもSTAのメンバーの殆どがリハ不参加なためにぶっつけ本番が当たり前だったし・・・ご迷惑かけました。これじゃあミキサー担当としては消化不良だし、さぞかし心残りだったはずさ。
でも今回のリハは奇跡的にも初めて8人フル参加!(1人は途中からの合流)
みっちりとリハーサルに時間を費やしていました。
特にドラムのシューヤ&テナーのコーちゃん&トロンボーンのタクちゃんはスタジオでの練習には1回しかSTAと演奏していないので、ここぞとばかりに時間ギリギリまで彼ら中心に進行。
お得意の崖っぷちバンド真骨頂さ!
17:10~17:40
OLD GROOVY
ミュージシャンたちはそれぞれにリラックスしながらもチューニング、楽器の御手入れ、ウオーミングアップをこなしながらも談笑。
ケース類や荷物は楽屋倉庫へ持ち込み。
スタッフからの指示に従ってバタバタと準備に勤しむ。
早くもリハで一汗かいた者は冷たいドリンクを注文。
と、ここいらで早くも観客が入場(OPEN 18:00)。
お馴染みの顔や、初来店の客、バンドの友人や恋人、ご夫婦連れと、すでに客席のあちこちでは笑顔で飲食しながらおしゃべりに花を咲かせています。
あ!この店名「ヴィニーズ」について一言。オーナーのクボタくんはドラマーとしても売れっ子の実力派(札幌フュージョン界の巨匠ギタリスト・クルさん率いるAXIAのドラマーとしても大活躍)。
敬愛するドラマーが巨匠ヴィニー・カリウタだそうで、そこから拝借しての「ヴィニーズ」
でも前にここを利用した際、店内に流れていたのは世界的にも話題のベビー・メタルでした。こちらも大好きなんだそうです!
この日もやはり・・・・・。X・JAPANも流れているし・・・。
マサが「ラッパ祭りなのに管楽器の入っているBGMが皆無・・・」と訴え出ると「それじゃあ、今からでも遅くないからタワー・オブ・パワーでも流しますか!?」
でも結局それは最後まで叶いませんでした・・・(爆笑)。
カメラマンがステージ前方のベスト・ポジションを確保してシャッターチャンスを虎視眈々と狙い定めていますよ。
STAメンバーの友人だと名のる方達ともご挨拶。
「STAのライブは印象に残るほどにかっこよかった!」というありがたきお言葉をいただき俄然ハッスルしちゃうもんね。今後も親交を温めていきましょう。
さあ、いよいよはじまりますよ。
今回もジャンル一切かぶることなくゴージャスなる布陣でお送りします。全3バンドだけど合計人数が33人というヴォリューム感。
しかもどいつもこいつもツワモノぞろいで大いに楽しめる事でしょう。何が飛び出すかは観てのお楽しみ!
鬼が出るか蛇が出るか・・・・!?最初から最後まで全くだれることなく常に山場の連続!!
会場内は熱気ムンムン渦巻く興奮状態に入っています。
1、18:30~19:10
OLD GROOVY
皆マナーのいいバンドばかりだけに、とんとん拍子なタイム・テーブル。
相当に前倒しの状態で余裕綽綽。
さあてと、そろそろいきますか。おっと!珍しくもクボタくんが自らマイクを手にアナウンスで幕開けです。
1つ1つのバンドを懇切丁寧に紹介してくれました。
彼がセレクションしたバンドが一同に集結したわけですから、思いもヒトシオなのでしょう。
考えに考えぬかれたバンドばかりだけに、当然ジャンルの被りは一切なし。しかも一癖も二癖もあるツワモノ集団たち。
どれをとってもありきたりの音楽ではありませんよ。
一瞬たりともだれる事なく、最後まで堪能できることを保障します。
オープニングアクトは、大袈裟な話ではなく、トップに登場だなんてもったいないくらいにバラエティに富んだサウンドを展開してくれました。
7人編成・・・これでもこの日の出演バンド中最小人数。
なんとSTAの人気者テナーサックス担当コーちゃんを筆頭に、狩野くん(ヴォーカル&バンジョー)、オーキ君(ギター。ギブソンのES-175を使用。ブラウンサンバーストカラー・ボディ。ほとんどがオリジナル仕様ではありますが唯一PUをルックスが似ているとの理由でチャーリー・クリスチャンに交換しているそうです。)、ケイゴくん(ウッドベース)、ルミ嬢(トロンボーン)、シマロン嬢(アコーディオン)、カツ君(ウォッシュボード)という布陣。
メンバー中5人が以前札幌界隈で人気を博したネオジャズグループ「スイング・タイム」のメンバーで構成されています。
そういわれてみると、このバンドのルーツというか基本コンセプトが透けて見えてくるというものです。
グッと更にマニアックにさかのぼって追求した演奏を和気藹々と披露してくれました。
このへんのこだわりはオーキ君が率先して陣頭指揮をとっているのかな。
そのオーキくんによるMC「こんばんは!オールド・グルーヴィーです。初めてのヴィニーズバー。参加できて嬉しく思います!最後までよろしくお願いします!」とご挨拶。
「ホエン・ユア・スマイリング」でライブがスタートしました。
とてもユニークな編成。もうこれだけで十分に目をひきますね。
まずは全員が昭和初期の空気感を演出するべく白黒カラーのグッとシックなファッションで統一。
ルミ嬢のみ赤の1ポイントでアクセントをつけている。
ベースもエレクトリックではなく、ウッドベース。(ステッカー貼りまくりで自己主張している点もお洒落)。
とにかく使用している楽器だけでも話が盛り上がりそう。
ドラムなし。管楽器2人。オーキくんのギターも機種が一筋縄ではいかないもの。
ボーカルもバンジョーを手にしているしね。
もう一人の女性シマロン嬢に至ってはアコーディオン。
極めつけはカツくんのウォッシュボード!!
テナーとアコーディオンのソロを絡めて華やかにエンディングを迎えて
男顔負けなルミ嬢によるエネルギッシュなトロンボーン・ソロをフューチャーした「ラップ・ツアー・トラブルス・イン・ドリームス」に突入。
殆どの曲がトラディショナル・ソングなんだそうです。
今、巷では若者の間でジワジワとこの手の音楽がブーム当来の気配を漂わせています。
戦前の音楽なんだけど、かえって今の世代にとっては新鮮に響いてくるのでしょうね。
実際、日本中にオールド・グルーヴィーのようなバンドが続々と誕生しているそうです。
あ、古くからのベテランももちろん現役バリバリで頑張っています。
旭川の重鎮ムーニーさん(小樽・北運河の夜の主催者サワケンくんともお知り合い)によって毎年主催されるライブイベントが来月も、横浜で開催されるのですがオールド・グルーヴィーも出演が決定したそうです。おめでとう!
去年オーキ君は観客として見に行ったんだけど、今回はミュージシャンとしての参加なんだそうでノリノリ。
この横浜ライブには50バンドほどが集結するらしいから、北海道代表として堂々たる雄姿を見せて欲しいね。
実はこの日もムーニーさんのライブが札幌で行われていたそうで(札幌でのライブでは必ずブルースハープを夕張出身のチバさんが担当するのだそうです)、STAを観た後、マサに挨拶してからそちらに向かったそうです。
メドレーで「オールド・ファッションド・ラブ」
ここではコーちゃんのテナー・サックスがメインのリフをブロー。
オーキくんのやや抑え目ながらもナチュラルなギター・トーンが、ハートにホノボノと染み入ります。
マサがオーキ君やコーちゃんとオフ・ステージ時に色々と会話したんだけど、彼等自身でもこの形態を表現するのが非常に難しいみたいです。
ミュージシャンはどうこう能書きを語るよりも、ストレートに音を聞かせるのが一番だもんね!
歴史を遡れば、100年ほど前に生まれたジャグ・バンドが発端ではないでしょうか。
高価な楽器などを使わずに、身近にあるモノを片っ端から音楽を奏でる目的で使用。
とにかく音を発するものならばウイスキーのビンからストーブの煙突、櫛、ティッシュペーパー、バケツとモップを繋いだベース(これはCCRで見たことがあるよ),スプーン(これをパーカッションにして見事なプレイをする人も見たことがあります)と何でもござれ。
で、ここではカツ君が鮮やかなウォッシュボード・プレイを演じています。
洗濯板を買ってきて、それにシンバルを装着したオリジナル楽器。これが一際目立ってて効果テキメン。単なる打楽器に終始せず曲のアクセントに彩を添えています。
「キリン・ジャイブ」
ウッド・ベースのソロにスポット・ライトが当たっていました。メンバー一人一人均等に見せ場を用意するところなんかの配慮が心憎いばかり。
テンポ・ダウンしてのエンディング。
その彼らが生まれる大昔のこれらの曲をどうやって探しだすの?とマサがオーキ君に尋ねたら「古いレコードなどを聴いてアレンジしてます」とのこと。
よほど大好きでなければここまでできないよね。並大抵の根性では克服できない離れ技。
そうそう、かのジョン・レノンも青春時代にはロニー・ドネガンがヒーローだったらしく、リバプールでスキッフルを仲間達と集まっては演奏していたそうです。つまりこれらはロックンロールの大先輩に位置する音楽なのです。
「イッツ・ア・シン・テル・ア・ライ」
イントロは延々とコーちゃんの一人舞台。STAで吹き込む姿とは、また違う一面を覗かせています。
そこからトロンボーンにソロのバトンタッチ。
とにかくドラム、キーボードなしなんだけど、個性豊かな楽曲を軽快に涼しい顔しながら次々に繰り出すこのバンド・・・・・恐るべしオールド・グルーヴィー!
ミヤッチも心ウキウキでノリノリ「イエー!!こういうのもいいもんだねえ!!」
ありとあらゆるエッセンスが見え隠れしていて、とても勉強になるよ。
スイング・ジャズ、ラグタイム、ブルース、カントリー、ブルー・グラス・・・・。
拍手喝采の中「シャイン」
ここではバンジョーがイントロを受け持つ。
その流れからテナー・サックス、次いで待ってました!とばかりにいぶし銀のギターソロワークへ。
オーキくんは巧みにフィンガー・ピッキングで新鮮なフレーズを爪弾く。
ブレイク・シーンではアコーディオンとウッドベースを前面にピックアップ。
トドメはウォッシュボードによる怒涛のアクセント・ラッシュ。
「フールス・フォール・イン・ラブ」
ここでも渋いバンジョーが導入部分を奏でる。
日本のウォッシュボードの元祖といえばマサの故郷「夕張」最古のヒーロー、坊屋三郎さんなのですよ!
この件に関しては大いにオーキくんと話に華が咲きました(モーリーさんとも語り合ったそうです)。
「あきれたぼういず」で一世を風靡した伝説の芸人。
マサは子供の頃、よくテレビで見ていました。
テレビコマーシャルでの外国人とのセリフ「クイントリックス!あんた英語なまっているね!」が流行語にもなりました。
生涯現役でしたね。
ダンディーな道産子紳士、益田喜頓さんも「あきれたぼういず」のメンバーでした。
「アフター・ユーブ・ゴーン」
ここではボーカルがハイトーンでシャウト気味に熱唱。
ウォッシュボードは絶えず直接指先でリズムを出すために、まともに演奏をしていたらスティックを使用していないから即座に磨り減って血まみれになっちゃう。
そのために白い手袋を装着して工夫を施しています。
多分、金具も付けて音色にメリハリをつけているのではないかなあ!?・・・・。
アコーディオンとテナーサックスソロを分け合う仲のよい雰囲気が、見ているこちらサイドにも伝わってきます。
「すみません・・・声が出ない・・・・・(照れ笑い)喋る事がなくて・・・・・淡々と進めていきたいと思います。皆さんは風邪をひいていませんか・・?。僕は昨日まで寝込んでいました・・・・38度5分の熱で・・・・。申し訳ないです・・・・ちょっと鼻声だけど、頑張って歌って帰ろうと思います。温かい皆さんが聞いてくれているので・・・次にいきたいと思います・・・・・オー・レッド!!1・2~1・2!!!」
ここでもルミ嬢のトロンボーンソロが大活躍。
その際、必ず彼女はフロントにせり出しリズムにのって脚光を浴びています。
どの曲もシンプルな構成で短いので、誰でも気楽に入り込めるのです。
観客席は隙間なくビッシリと埋まっています。
そうだ!今思い出したけど先日の夜、テレビの音楽番組でも沖縄のグループ「ビギン」もこのウォッシュボードを抱えて出演していたよ。
ドンドンとこの手のジャンルも浸透しつつある兆しなのかな。
狩野君に助け舟を出すべくオーキ君がMC
「スミマセン・・・次で最後の曲です」「え!!??~~~」「ありがとうございます(笑)。この後もまだまだライブは続きますので最後まで楽しんでいってください・・・スマイル」
ルーズなギターによるコードカッティングの熱演から、徐々に熱を帯びていきテナーサックスが炸裂する、ラストにはもってこいの超有名なる永遠のスタンダード・ナンバーだ(でもマサが周囲に確認したけど誰も知らなかった・・・・)。
喜劇王チャールズ・チャップリンの代表作「モダン・タイムス(1936年公開)」用にチャップリン自身が作曲したもの。
数多くのカバーが現在でも生まれていますね。
甘く切なくほろ苦くも美しい究極のバラードをオールド・グルービー流に美味しく料理してくれました。
パチパチといつまでも鳴り止まない万雷の拍手と歓声に包まれて、汗まみれのメンバー達は満足そうにステージを後にしました。
今宵もいい夢が見れそうだ。
お疲れ様!!
2番手に登場するSTAは後ほどご紹介させていただきます。
3、20:20~21:00
岩見沢トロピカル商会
といいつつも、岩見沢のミュージシャンは1人しか在籍していないのだそうです。
ミヤッチが率いる、これまた超貴重なジャンルを誇るバンド。
しかも総勢18人編成!(トランペットはスケジュールの都合上、途中からの参戦)。
このバンドは2016年11月にマサが企画したライブ「リブレーション」ピグスティにも出演してくれたのです。だから2度目のタイバン。
若干名メンバーに入れ替わりがありました。まあ、この人数ですから仕方ないですよね。
前回はなんとSTAに以前在籍していたトロンボーン奏者ウミノ氏と、「地下室とシャンパン」のサックス・プレイヤー、ヒロコ嬢が在籍していましたが、残念な事に今回は欠席。あ、STAのサックスプレイヤー・ジュンも前回はメンバーでしたね。ファニーも以前は在籍していたそうですよ。その代わり、更なる豪華な布陣でライブに臨んできました。
なんたってヴィニーズ・バーにかなり早く入って練習を行い、小休止を挟んで再度リハという念の入れよう。これならば文句なしに完璧でしょう。しかし、よくもまあ全員がステージに立てたものだ。
沈着冷静なるクボタ君の機転で事無きを得て、すっぽりとおさまり何のトラブルもなく本番をこなせたのです。
ギュー詰めの芋洗い状態必至。
人数プラス譜面台が乱立するわけですから。
ズラリと居並んだ面々がセットした譜面台には、バンド名をあしらったロゴが青を基調に描かれています。
まずフロントにサックス軍団。その後ろにトロンボーン&トランペット。
その後ろに鍵盤楽器&弦楽器。雛壇上にドラムやパーカッション。
あ~~あああ・・・STAがずっとホーンセクション不在で現在困っているのに、羨ましい限りだ。思わずマサはオカッチやミヤッチにこぼしてしまった。
うら若き女の子が多いのも特徴。
殆どの子達が大ヒット映画「スイング・ガールズ」の洗礼を受けた世代。
サワケンはズッと意気投合して写真撮影に勤しんでおりました。
彼女たちもSTAのサウンドに興味津津だったようだよ。
機会があればお手合わせ願いたいものだ。
それでは改めてメンバー構成をば・・・・・
SS&ASオカッチ、ASサキ、TSミヤッチ&シジミ、TPユウタ&カジコ&チャッキー&マイコちゃん&ユイちゃん&ユースケ、TBダイちゃん&タク、PFセブンちゃん、BASSタニ、DSドンちゃん、PERアッキー(現場監督。彼のLP製コンガ3個をセッティングの効率化に強力してもらうべくサワケンがお借りしました。とても助かったよ!ありがとう!!)&ニッシー、BSマイちゃん!・・・・ふう~・・・・・以上!!
驚いたことにギタリストがいないのですよ。
歌姫ヒロリンの「味噌田楽」元トランペッターだったユースケもここのメンバーだったんだね。
この日のバンド出演決定に至る経緯も、奇跡に近いものがあります。
スコアの準備だけでもそうとうな手間がかかっているでしょうね。お疲れさまです。
STAはどこに出演しても人数の多さで目立っているのですが、今回ばかりはさすがに脱帽・・・・なんたってSTAの倍以上の編成なのですから・・・・。今までのタイバン人数では文句なしに一番。
リーダーは「エミリオ」こと名物男ミヤッチ(マサはそう呼ぶ)。彼のライフワークともいえるこのバンドは12年の活動歴を誇ります(メンバーはSTA同様に流動的。大所帯の悲しき宿命ですな)。
その辺の事情もあってか、お祭り的イベントに借り出されたりと、通常のライブにはほとんどといっていいくらいに現れません。
紋別などの遠方から駆けつける者もいたり、掛け持ち多数の売れっ子も抱えていますしね。
レパートリーは毎度お馴染み、カルロス菅野(per)と高橋ゲタ夫(bass)らが牽引する熱帯jazz楽団からのラテン・カバーセレクション。
極寒の北海道1月に、このような音楽にドップリと浸りきるのも中々に乙なもの。
で、マサが前もってミヤッチにセット・リストを確認していました。
すると、4曲のみ。ええ!?まさか・・・・まだ後日に追加曲があるのかな?
30分ライブでも少なすぎ・・・今回は持ち時間40分だよ。
勘違いしているのかな・・・そういうわけで、当日にもう一度、聞いてみたらば、これで全部なんだと。
で、残り時間はトークで繋いでいくとのこと。
だからこのライブ・レポートも比較的MCが多いという事態に発展。
でもねえ、いざ蓋を開けてみたらオール・インストルメンタルだけに、曲中は圧倒的なテクニックを誇るソロ・バトル・オン・パレード。
なるほど、そういうわけかい。
管楽器をたしなむお客さんが来ていたんだけど、飛び跳ねて喜んでいました。
ちなみに、タク、オカッチ、ダイちゃんはSTAメンバーとしても吹きまくっていた猛者。
タクはこの日、STAと掛け持ちでした。
あまり体調は良くないようだったけれども、そこはそれで若いから根性で乗り切っていましたよ。
ダイちゃんも本番ギリギリに、滑り込みセーフで駆けつけてきました。
皆、心底バンド活動が好きでなければここまでできないよね。
結局は内輪の連中総動員のイベントとなりました。
ベビー・メタルが爆音BGMとして勢いよく流れる中、思ったほどセッティングに時間もかからず(ミヤッチは恐縮していたけど・・・)、詰め掛けた応援団からの拍手に迎えられてミヤッチがミキサー卓に着席したクボタくんへ向けて挙手。
第一声「皆さん、こんばんは~!。演奏よりもオシャベリが多いと思うけど、最後をつとめさせていただきます。楽しんでいってください。とりあえずいきます!!もう喋りません・・・・・・1曲目はオバタラ」(熱帯ジャズ楽団のオリジナル)
意外にもミヤッチによるカウベル・パーカッションがほど良いアクセントを散りばめていますね。
まるでBS&Tにサンタナ・フレイヴァーを施したかのような親しみの持てる曲。
明らかにブラス&ジャズ&ラテンからの影響大なビッグバンドなんて、そうそう拝む機会などないですからね。
特に中間部分のコンガが濃厚に迫り来る様はアフリカン・ビートの王道を貫いていて快感。
オカッチによるソプラノ・サックス・ソロは、並み居るホーンセクション達も参考になったのでは。
それに負けじとダイちゃんのトロンボーン・ソロも吹き荒れる。
いきなり開巻からソロ回し連発の大サービス。
ミヤッチは「イエー!」と右拳を誇らしげに高々と掲げました。
それにしてもこれだけの人数でいっせいに吹き鳴らす分厚いサウンドは、文句なしに圧巻の一語。
パーカッションコンビも、テインバレス・ソロを響かせて爽快に追い討ちをかけてきます。
汗かきアッキーを紹介します。
本当にバケツの水をかぶったように全身びしょ濡れでの熱演だ。
「アッキー、水飲み、ハイ!ハイ!ハイ!」観客たちからのせられてアッキーも手渡されたペットボトルのミネラル・ウォーターがぶ飲みパフォーマンス。
「ありがとうございます。」「いいよ~ばっちりだ。まぶいよお!途中でなんて言ってるの?おばさんがエロとかなんとかってさあ(大爆笑)。監督ダメじゃん!!」(と温かくも愛情溢れるヤジが絶え間なくあちこちから飛んでくる)
「皆さん、飲んで食べてワイワイしていますか!?え~っと、我々は・・・」「ミヤッチは何もしてないのに仕切ってるんじゃあないよ!(笑)」
「だってええ、ガンガンにやったことがないんだもん。アアアア!!!トランペットのユースケがカウンターにいる!!間に合ったんだね。
皆、ステージ空けて!はい、お帰りなさい!!(ユースケはここからライブに参加)
このバンドは岩見沢で発足したのですが、一昨年くらいから札幌でも活動するようになってきました。
皆さん、うまいので僕は助かっています」「そんなことないよ!」
「2曲目は、かのスティーヴィー・ワンダーからでI WISH(回想)・・・・本当にもう喋らないからね。用意はいいですか?・・・1・2・・・・・」
STAもゴヘイバンドもレパートリーに加えている楽曲ではありますが、熱帯JAZZ楽団の大胆なアレンジとゴージャスなる音圧も聞き応え満点。
本来ならばベースによるメイン・リフではじまるところを、ここではいきなり力強いドラム・フィルからオリジナル本編佳境に入った後半部分の熱きパートから開始。
5弦ベースがビシッとシンの通ったラインで忠実に牽引。
使用ベースは比較的新し目のMOONジャズ・シェイプなんだけど、かなり弾きこんだ形跡あり(エボニー指板)。コア材にバルトリーニPUマウント。ゴールド・パーツ仕様。
歌メロをホーン隊全員が受け持ち、リズムにのせて楽器を上下に激しく動かす様は壮観。
トロンボーン・ソロを終えると観客のみならず、メンバー達からも温かい拍手が沸き起こる。
いかしてるね!わかっちゃいるけれど。
この時点でかなりの巻き状態。
「かっこいいよ~!最高!!」
ミヤッチ「暑いね~・・・・喋るのが苦手なのでしゃべりません!そう決めたんだから」
間髪入れずここで冷やかしが入る「けっこう喋ってるじゃないかあ!」
「すみません、こんなバンドで・・・もうかれこれ12年前から・・・(会場内はあちこちで雑談していてミヤッチのMCをろくすっぽ聞いてはいない)ちょっと皆、聞いてる?聞いてよ!!(笑)」
日本酒をカウンターからステージに向けて差し入れ。
「緊張しますね・・・・・・・ごめんなさい、こんなバンドで・・・・。皆もう体の限界・・・・」「聞こえないぞ~~!!」
「次の曲は・・・まあ、聞いたらわかるよ。シェリル・リンのGOT TO BE REAL!!・・・1・2・3・4!!」
バンドは両手を振り上げて手拍子を要求。
ダンシング・モードに突入。
即、観客も反応しつつ、ディスコ・フィーヴァーだ!
ピアノ・ソロの流れから、ミヤッチのテナー・サックス・ソロがやっとこさ登場。
最後の最後は前方左右に分かれた男女のテナー・サックス奏者同士がソロで対決。交互に火花散る攻防。
焦らしに焦らしまくって引っ張る、引っ張りまくりだ!!
タイプの異なるテクニックで一歩も譲らない御両人から,いつのまにか、フロントのサックス隊が合流してフィナーレ。
持ちうる限りの熱きエナジーで完全燃焼したようだ。
「ウオ~ッ!!」
ミヤッチ、神妙な面持ちでマイクに向かって
「すみません・・・・ハイハイ、ちょっといいですかあ?」ミヤッチしつこくも「頑張りました!(笑)・・・え!?人数が多いのでメンバー紹介もしません!喋るの下手なのでしゃべりません(きっぱり!)。実は次で最後で~す。1曲1曲が長いのでこれぐらいがちょうどいい。
そうしないと皆、死んじゃうからね。」
「リーダー、大丈夫かあ?ちゃんとまとめてね!」
「それじゃあ、今日はありがとうございました。トロピカル商会も楽しかったです。
皆さんに支えられてるね。オールド・グルーヴィーもSTAも楽しかったです。(と、いきなりステージ上でメンバー同士がヒソヒソと内緒話)岩見沢トロピカル商会でした!・・・・・次の曲は皆さんも知っていると思います。一緒に叫んでください!じゃあやりますか・・・・・SEPTEMBERです!(EW&Fから)」
ノリの良いリズムの繰り返しと、サビのタイトルがコール&レスポンスに最適なファンキー・スタンダード。
ピアノによるリズミックな旋律にのって発せられるメガトン級のトランペット・サウンドといったら腰を抜かしそうなくらい。
男女のトランペッター達が、これでかあ!というほどに次々と空間を切り裂くがごとくのソロを回し続ける。
とっても絵になるし、かっこよくてお洒落。
トドメは全ホーンセクション一丸となっての猛攻。
レッドゾーン振り切れる直前。
タイバンのメンバー達は「ジェームス・ブラウンのバックバンドみたい!」と終始釘付け。
炸裂するホーンにばかり目がいきがちではありますが、バックの演奏隊も安定感抜群。
さすがにラテン系らしくパーカッションの音色が全体を南国ムード一色に染め上げてくれます。
安定感抜群の的確なるビートを刻む打楽器による御両人。
オカッチがアルト・サックスで歌メロを奏でます。
そこからキーボード・ソロ(YAMAHA使用)。
メンバー達の隙間を縫うように、前後入れ替わりの振りつけ付きプレイ満載。
ミヤッチは常に中央で全体の指揮を担います。
序盤に戻って締めくくりは男女混合によるアルト・サックスソロヘ。
管楽器を高々と持ち上げて一旦、演奏が終了したのかと思った途端・・・・
ピアノが再びイントロを弾きだした。
効果絶大。
万雷の拍手が鳴り止みません。
「岩見沢トロピカル商会でした!どうもありがとうございました!!」
「お前、全然吹いてないじゃないの!?」「違うの・・・・今日は俺リーダーだからさあ。少しはリーダーっぽかったでしょ!?撤収!!」
~~~パート1はこれでおしまい。ライブ・レポートS・T・A編に続く!お楽しみに!よろしくね!!~~~