2018,5,20(SUN)
会場は小樽の歴史的建造物「小樽運河プラザ三番庫」イベントホール(小樽市色内1-13)。小樽観光地の真ん中に位置しています。
もはやSTA恒例となりつつある小樽ライブ。またもやその日がやって参りました。
このところ雨続きだったけど、本番当日はカラッと晴天で気持ちも晴ればれのライブ日和。
さて、このライブイベントですが
小樽としてはひじょうに奥の深いものだそうです。なんと今回で6周年を迎えるとのこと。
STAはこのライブの存在を知ってはいたものの、なかなかタイミングがつかめなく毎回見送っていたのでした。
主催最高責任者のサイトウ氏の取り計らいにて、この度めでたくSTA出演が実現となりました。
小樽での大掛かりな企画。ロビー奥の大きな会場がここ「運河プラザ・イベントホール」です。
なんたって場所が凄い!
観光客でドッと賑わう運河沿いにある大きな石作りの建物内にて行われるのですよ。
ちょっと早く現場に到着しての1番乗りマサは、ブラブラとロビー内を散策。
あの紅白歌合戦にも出演し、近年sapporoキタエールホールにてソロコンサートを大成功のうちに終えたばかりの今話題沸騰人気絶頂バンド、サカナクション・リーダー山口一郎君(小樽出身G&VO)コーナーを発見。
硝子ケース内に彼のアコースティックギターを中心に小樽での釣り写真や思い出の品、メッセージなどが展示されていました。彼はお父さんの影響で中日ドラゴンズの熱狂的ファンだそうで始球式も行ったそうですよ(小樽はあらゆるジャンルの著名人達が数多く輩出されています)。
時間も迫ってきたので1階奥へ(受付嬢に「2階はありませんよ!」と笑われちゃったさ)
ホール内に足を踏み入れました。中はとても年季の入った空間。
昔の体育館のような造りに、とてもナチュラルなサウンドが得られそうで早くもワクワクします。器材を運び込んでいるうちにゾクゾクとバンドメンバー達がやってきました。
ホール内には普段はステージも何も置いてなく、1からの組立作業です。こういうのも楽しいもの。
バンドマン達も自分の楽器類を持ち込みます。大人数での分担工程なのでアンプ、各スタンド、ドラムセットが備え付けられて、あっという間に見事なコンサートホールの出来上がり!
一段落したら、もぐもぐタイム。これで空腹感も満たされて大満足。懐かしのバンドマン達ともご対面で話に華が咲きます。
リーズナブルな入場料金で太っ腹な企画。素晴らしいですね。
STAでも活躍したトランペッターのクリは千歳から愛用のカメラを携えて元気一杯にやってきました。会場に常時待機してシャッターチャンスを狙っています。彼はここ小樽出身。張り切って所狭しと駈けずり回っていました(後日写真をドッサリと送ってくれたよ。まさに至れり尽くせり。サンキュー、クリちゃん!)
大音量でBGMも流れ出してロビーにはフライヤーも掲げられ、待ち焦がれた観客達も続々とつめかけてきました。小柄なおばあちゃん達もカップルも家族連れも子供達も期待に胸を躍らせてイスに腰掛けています。
トップのバンドのみ簡単なサウンドチェックを行ない、いよいよ開演時間となりました。小樽音楽界の重鎮サイトウ氏がマイクを手にご挨拶。イベントの詳細案内、主旨説明を経てPM2:00いよいよトップ・バンド演奏開始です!
1、13:30~14:00
4BIT WITH NOT’S(邦楽ロック)
初出演 札幌と小樽のメンバー達で5人編成
ベースは2フィンガーとピック使用にと変幻自在奏法のプレイヤー(黒のジャズベース。ローズ指板)。ファイターズのユニフォームがステージ衣装だなんて中々にいかしてるね(笑)。
ボーカル兼ウクレレ奏者が在籍しているのですが、紅一点の存在が大きなポイント。
サングラス姿のギター&コーラスは黒のミュージックマンを使用(メイプル指板)。
そしてドラマーとボーカル。
このヴォーカルが、一際観客達の視線を集めていました。
一見して即わかっちゃうんだなあ。もろに忌野清志郎フリークなのが。
ツンツンヘアーにお化粧ばっちり。ブルーのアイラインも施してキンキラコスチューム。
いやはや何とも、オープニング・アクトからして超ド派手なバンドの登場です。
軽快なサウンドではじまりました「ドカドカうるさいロックンロールバンド」
もうこれで掴みは一気にオーケー。
はい、全曲RCサクセションのカバーでお送りしますよ。
ライブの名物男アベさんも、即座にネオン・スティックを振りかざしてダンシング。
間髪入れずにメドレーで「エネルギーOHエネルギー」
ボーカリストは真っ赤なパンツルックに、ヒラヒラフリル付きのサテン生地白シャツを着用。
歌う姿はもとより、声、節回し、動き、MC、表情、イントネーションなどなどが清志郎にそっくり。
そうとうに研究した痕跡が随所に見受けられます。
RCサクセション愛に満ち溢れていて微笑ましい。
口笛が響き渡る中でMC
「皆さん、こんにちは。RCサクセションを知っている人も、知らない人も俺たちのバンド名を覚えていってね。
小樽初参加です。ヨロシク願いします。俺たちのバンドって結成して1年経った?8ヶ月??
そんなわけでして、2ヶ月ぶりのライブでドキドキしています。ということで次の曲・・・・」「オーケー!ジュンちゃん!(女性のウクレレ奏者)」
その彼女がドラム・カウントに導かれて歌うのは
「君が僕を知っている」
ウイットとユーモアに富んだ面白い曲だね。やはり清志郎ってカリスマだ。歌詞とメロディが絶品。
ボーカルは手拍子を打ち鳴らしながら、ピアニカも演奏して彩を添える。
「ありがとうございます。オーケー!じゃあ次の曲に入る前に練習からいきます。
イエー!」「イエー!」「イエーって言え!」「イエー!」(この掛け合いは清志郎と観客とのお約束ごと)
「1・2・1・2・サンシー!!」
ご存知、世界中で大ヒットした故・坂本九ちゃん永遠のスタンダード歌謡「上を向いて歩こう」が飛び出した。
ドラムビートが熱い。
勢いそのままにエンディングへと雪崩れ込み、皆で一緒にジャンプ一閃でフィニッシュ。
「これを脱ぐのを忘れていました・・・暑い・・・」とおもむろに上着を脱ぎ出すヴォーカル。
何故かこの時に拍手喝采(笑)
「本当はさっきの曲で脱ぐ予定でした。
俺たちのバンド名の意味を知っている人っていないでしょう。
最初はメンバー達のイニシャルにあわせて付けたんだけど、その内にメンバーが入れ替わりまして、あまり意味をなさなくなりました・・・。
普段は俺たち、琴似のライブハウス・バーンで活動しています。
そんな俺たち、なんとバーンの企画で来週ニセコでライブ出演します。
2時から出ますので、是非ともおいでください。
そんなわけでして、最後の曲となっちゃいました・・」「えええ!!!???」
「みんな、盛り上がってくれ!オーケー、カモン!雨上がりの夜空に!」
ドッと最前列にまで詰め寄る観衆。
シャープでルーズなギター・カッティング。
粋なピカピカタンクトップ姿のボーカルは、ピアニカも再度手にしての熱唱。
やっぱり締めくくりはこの曲で決まりだよね。これをやらあきゃあ引き下がれない。
観客も許してくれない。
「ありがとうございました」の大団円となりました。
完全燃焼。大満足。
会場に常備された器材の紹介。
ギターアンプはお馴染みの赤いツィード仕様のフェンダー&マーシャル。
ドラムセットはシルバーのパール
ベースアンプヘッドはギャリエン・クリューガー、そしてスピーカーはマーク・ベース。
2、14:10~14:40
grumblin’ groovin’(J-POP)
札幌から初出演
8月の小樽屋外イベント名物「北運河サウンド・エナジー」の常連でもある、女性2人男性3人からなる5人編成バンド。
レディファーストで、まずはキーボード(KORG)、そしてめがね女子の清楚なボーカル。2人とも上品な香りが漂う佇まいで注目の的。
ピック使用のベーシストはサンバーストのミュージックマン(メイプル指板)を愛用。
サイコロ仕様のコントロール・ノブを2個装着したウッドベースも活躍していましたよ。
ギターはチェリーレッドのボディカラーが鮮やかな335。そしてドラマーという若さ溢れるバンド。
仲の良さが見ているこちらサイドにもハッキリと伝わってきます。
透き通るような声で囁きかけるように歌うボーカルが、新鮮に響いてきます。
なんと10ヶ月ぶりのライブだそうで、多少の緊張感が漂っていてドキドキ気分。
手探り状態だと自ら暴露する一幕も。
「こんにちは・・・私たちのバンド名を略してグラグルと憶えてください・・・2曲目を歌います。タイトルは・・・・・フィール・ソー・グッド」
この曲、一瞬ジャミロクアイかと思っちゃった。お洒落なエレピからワウワウペダルを駆使したアヴァンギャルドなギターのイントロ。
ちょっとジャジーでファンキーなベースも、ムーディーな雰囲気を装飾。
「この曲いつもは最後のほうにやるので、なんかおかしな気分です・・・・
私はおしゃべりが苦手です・・・・そうそう、ゴールデンウィークはあいにくの雨でしたね。お花見に行きたかったなあ。
誰か花見に行った方、いますか?ああ、けっこういますねえ。
ギターのカンダさん、チューニングはまだかなあ・・・(泣)
誰か、なんか喋りたい?
3曲目は、こんなに天気のいい日になんかなあ、と思いますが・・・アンブレラ」
スティックカウントにて「1・2・1・2・3!」
ベーシストはエレキからウッドベースに持ち替えてのプレイ。
清楚なルックスで歌う女性シンガーだから、とっても心に染み入ってきますね。
観客もしんみりと聞き入っていますよ。
「ありがとうございます。次の曲はNHKみんなのうたで一時やっていた曲です。
ミュージック・ビデオがとってもいいんですよ。興味のある方は一度見てみてください・・・月のワルツ」
この諌山実生の曲はドラマーがスティックからワイヤー・ブラシに持ち替えスィングするグルーブが肝。
一種独特な世界を構築していて、お見事の一語に尽きます。
ボーカルもただひたすらにしっとりと・・・・。
「ありがとうございます。時間もないので最後の曲となります。またベースの持ち替えがあるので何を喋ろうかなあ・・・。」
ここでドラマーが助け舟を出してきた!
「昨日、最後のスタジオ・リハがあったんだけど、ギターが来なかったんですよ(笑)」
ギター必死に頭を下げてペコペコと謝罪のポーズをとる。
女性VO「以前にも車を追突されたり、指を怪我したりとかがあったから、メンバー全員が心配していたのですよ。結局は何も連絡はなかった・・・。
最後は夏の曲でしめてみたいと思います!」
スティック・カウントから「1・2・1・2・3!!」
スネア・ロールを交えたリズムコンビネーションが、テクニカルにボトム部分を支え続けています。
ベースも再びミュージックマンにも持ち替えて渋いフレーズを紡ぎ出す。常にチャーミングな振る舞いでフロントを頑張っていた女性ボーカルに惜しみない拍手が送られていました。
「ありがとうございました!」
3、14:50~15:15
HANAMII(J-POP)
札幌からの初出演!
紅一点のシンガー、ミーちゃん率いるこのバンドは毎回色々と趣向を凝らしてくれて観客を夢の世界へと引き込んでくれます。
さあて、今回のコンセプトはと言いますと・・・・ズバリ!「非実力派宣言」
つまり全曲、往年の美脚アイドル、森高千里特集!
もちろんミーちゃんも森高ファッション(サテン生地の青いジャケットに黄色いスカート。白手袋)でバッチリと決めまくっていましたよ。
ちなみに次の日はミーちゃんのバースディ!おめでとう!!
さて、彼女のバックをつとめる男性3人は・・・・G&Lの5弦ベースがジュンちゃん(ダークブルーのボディカラー。ローズ指板)
ギターはポールリードスミスのアツシくん(チェリーサンバーストのボディカラーにローズ指板)、ドラマーはグラニューくん!
「まずはご挨拶がわりに」とミーコMC。
「私がオバさんになっても」
タンバリンを手に参戦している客も出没。
キュンと切なくなる森高印の名曲。
華やかな幕開けをミーコチャンが声高らかに宣言します。
お祭り盛り上げ隊として賑やかに演奏。
お洒落番長ことミイコちゃんがフロントに陣取ってのボーカル。
このバンド、STAは何度も色々な場所でステージを共にしていますが、マサ企画の夕張ファイブペニー「リブレーション」などでもご一緒でしたね。あの時にはスタジオ・ジブリ・バージョンの内容で(衣装も)演奏してくれましたが、今回も豪華絢爛にグレードアップしたショーを繰り広げてくれました。
ナイス・チームワーク!(笑)
「こんにちは!ハナミーです。森高千里さんは色々と面白い曲がありますよ!」
次に繰り出されたのは「ストレス」
ベースのジュンくん&ミーちゃんとのトークショー。
「生きていると色々ストレスが溜まります。こういうステージでそんなモヤモヤは、思いっきり発散していきましょう!」
男性陣のバック演奏は息もピッタリ。
ギターはタッピングにワウペダルで、自己主張を繰り広げて場を盛りたててくれます。
息せき切って皆張りきりながらもダンスをこなしています。さすが熟練の猛者達ばかりでリズム感満点
メンバー全員とにかくジッとせず、会場に向けてしゃべったりコール&レスポンスと何かしらのアクションをおこしています(観客席のおばあちゃんも立ちあがって拍手)。
振り付けもバッチリのミーちゃんはいつも若々しい。
全員が手拍子しながらクルクル回転。振り付けまでよく皆覚えているもんだ、と感心しきり。
ビールのジョッキを高く掲げて「カンパーイ!」の誘惑ポーズ(これはもちろん作り物)
最前列の男性客達を甘く魅了。
「ありがとうございます。」「みゆきちゃ~ん!」「は~い!このバンドは屋外でやれたらいいねえ、というコンセプトの元で結成したのです。だから一番の大敵は雨・・・・いやねえ・・・・ではお聞きくださいませ・・・・」
3曲目は「雨」
イントロで繰り出されるハイポジションによるベースライン。叙情的なるフレーズが満載のギター・ソロ。更にチョーキングでダメオシの咽び泣き。
ミーコチャンは情感込めて、たくみに歌いこなします。
「ありがとうございました。ちょっとしっとりしたので、残り2曲は元気良くいきますよ!
ちなみにこの衣装は男女兼用なので、誰か着て見たい人はいませんかあ!??・・・アベさん、着る!?(大爆笑)
それでは気を取り直しまして・・・・森高さんは色々なカバーもやっていますね。
南沙織さんで・・・・17才!」「おおお!!!」
その世代のオジさん達が色めきだってエクスタシーの極致。
だってさあ、アイドル歌謡曲の極めつけだもんね。
アレンジは最新のダンスビート風にほどよく料理されています。
皆、ノリノリ。
ベースによるオクターブ奏法が琴線を震わす。
この曲中ではメンバー紹介も織り交ぜての進行。
観客席へ向けてマイクを突き出し、一緒に大合唱。
「ではラストの曲いきます!どんどんと前に来てよ!矢沢永吉さんの曲です」
実はこれを聞いた瞬間、この日の夜、隣のライブハウス「ゴールドストーン」にて矢沢永吉カバーバンド「Y-PROJECT」へ合流するクニ&ミキティが過剰に反応したんだよねえ!!
問答無用のジャパニーズロックンロール代名詞をぶちかましてきたよ。
キャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」だ!
ギターからお馴染みの聞き慣れたリフが弾かれると、浮かれ気分の観客が飛び跳ねています。
ステージ狭しとミーちゃんは、右へ左へ行ったり来たりと大忙し。
会場全体から大注目を浴びていました。
ギターのエンディング・ソロで締めくくり。
センス抜群ドラマーのグラニューもフューチャー。
「ハナミーでした!サンキュー!」
ここでアンコールを求める声が鳴り止まず、「アンコールありがとうございます!じゃあストレスでいいですか?違うの?・・・17才?(ミキティもこれを希望)オバさん??初ライブなので持ち曲がないのよ・・・・じゃあ挙手でいきます!はい!17才に決定(笑)」
会場から盛大なるエールが絶え間なく送られてきます。
そして、豪快無比なる威勢のよいライブは無事に終焉を迎えました。お疲れ様!
4、15:25~15:55
MIDNIGHT CRISIS(POP&ROCK)
2年連続で札幌から2回目の出演。
札幌のバンドだけど、ひんぱんに小樽界隈のライブイベントに出演しています。
ハナミーと同様に男性陣が女性シンガーを前面にフューチャーする、イトウさん率いる5人組によるバンド形態。
しかし音の方は、ガラッと雰囲気一変してへヴィー。
男性のバンドマン達は・・・キーボード(ローランド)、ベース(フェンダーのプレシジョン。ホワイトボディカラー。ローズ指板。ピックガードなし。ストラップも布製フェンダーの白)。
ギターはムスタング(メタリックダークブルーのボディカラー。音符型ストラップ使用。コーラスも兼任)。そしてドラマーという編成です。
バンド入れ替え後、早速音出しがはじまったのですが、驚いたことにベーシストの方がいきなり「ダダダダダン!」と聞きなれたラインを弾きだした。「あれ・・??!!」
ミキサー主任のミワ君も、私が提出したセットリスト表を手にSTAのもとへと飛んで来た!
「STAと、もろに曲がかぶってるしょ!」
STAのメンバーたちもガヤガヤ・・・。
「でもブラスセクションがいないねえ。あ、俺もそういえばこれを、3人編成でヴィンス・ニール・ヴァージョン・へヴィメタルサウンドでライブをやったことがあるから十分に可能だよ」
結果はといいますと、その曲はやらずじまいで取り越し苦労でした。
というとあれは一体全体何だったのだろうか?
STAを意識した?単純に好きなフレーズだから指ならし?急遽ボツになった??・・・不明のままであります・・・。
ライブ開始!・・・・オープニングナンバーでちょっとズレが生じてしまい、気を取り直しての再プレイ。
超絶技巧派のキーボード・ソロを織り交ぜつつも、女性シンガーが男性顔負けなパワフル・ヴォイスを聞かせてくれます。
ギタリストも足元のエフェクターを巧みに使い分けて、ヴァリエーション豊富な音色を紡ぎ出していきます。
引くところ、グイッと目立つところとのメリハリがクッキリとしていて爽やか。
選曲もひじょうにマニアック。その筋モンにとっては感涙に溺れちゃうほどの曲が目白押し。
ジャパニーズハードロック黎明期の伝説的バンドからの、こだわりにこだわりぬかれた美味しい部分ばかりをチョイス。
ストレートなる迫力で聞かせてきたと思えば、難攻不落なる複雑展開に雪崩れ込んで様式美を構築。
もうこの辺に差し掛かった時に「この曲目にあの曲はあわないよね」と納得したSTAでした。
3曲目では、場面転換してドラマティックにしっとりと。
「まだ5月だけど、6月の歌をやります・・・」
ギターの後方に置かれたスペアギターは結局使われなかったんだけど、見るからにいい音が出そうだね。
ピンクのボディカラーがインパクト抜群なストラトキャスター(ローズ指板)。ピックガードにはユニオンジャックがデザインされていて見栄えも鮮やかな1本。
ギタリストならば誰もが気になっていたんじゃあないの?
そうこうしているうちに、メドレーでそのままラストの曲へ。
あれれ・・・??どこかで聞いたことがあるよ。
これって弘田三枝子の「人形の家」でしょう(ことあるごとにミキティが教えてくれます・・・・・彼女は博学なので大助かり・・・・笑)。
こういうカバーもあるんだね。ビックリ。
更に衝撃的だったのが、バックの演奏。
もろにアメリカン・ハードロック仕立て。
そうです、グランド・ファンク・レイルロードの「ハート・ブレイカー」アレンジ。
なるほどねえ。新たなる発見だ。
途中ギターのチューニングを挟んで、目まぐるしく曲調が変化。
縦横無尽に駆け巡るロック絵巻。
起承転結のメリハリが極限に達した時、フィナーレともいえる「私は風」に突入。カルメン・マキ&オズの代表作品。
ヒステリックなほどにシャウト怒涛の連続。
このバンドにピッタリと溶け込んでいました。
「どうもありがとうございました!」
お次は我がバンド「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」の出番ではありますが、それは後ほど・・・。
6、16:45~17:15
TAKEOFF(POPS)
札幌からの初出演・・・・って、ここはもはや説明不要ですね(笑)。
STAとはもうずっと腐れ縁で繋がっているファミリー的付き合いのある5人組みバンド。マヤマくん率いる全曲チューリップのカバーです。
STAとはバンド結成時期もほぼ同じ。お互いに現在となってはほとんどオリジナルメンバーはいませんがね。練習スタジオでもちょくちょく顔を合わせて情報交換などをしつつ、刺激を与え合い切磋琢磨しています。
このバンドに会うのは今年1月ススキノ「スペースアートホール」にて開催された新年会ライブ以来です(若干メンバーが違うけど)。
サイトウさんからの司会進行によって登場。
バンド名はチューリップのアルバム・タイトルから命名。
客席からは早くも期待に高ぶる声が聞こえてきます(笑)
ここでも紅一点のマスコット的ドラマー、ショーコちゃんがめちゃくちゃにハッスルして存在感を猛アピール。
編成は・・・ヒコくんがギター(彼にしては珍しく今回はこのバンドのみの参加。でも実は前日にも別バンドで演奏していたんだってさ。やっぱりなあ。彼らしいよ)担当なんだけど、テイク・オフではブルーカラーの愛器シェクターではなくこだわりのギブソン335を携えています。チェリーレッドのボディカラー。そしてコーラスも兼任。
ベース&コーラスはリーダーの御大マヤマ氏。フェンダーのジャズベース。ホワイトボディにメイプル指板。ストラップも布製フェンダー(黒)。
キーボードはあちこちから引っ張りだこの売れっ子キムキム教授。北国では一番多忙な鍵盤職人(コルグ・クロノス使用)
ギター&ボーカルは1月には初代メンバーのタツロウくんが急遽参戦していたけれども、今回はナンブくんが復帰合流!(ナチュラルボディのテレキャスターを使用。メイプル指板。これは彼のトレードマーク)
そしてドラマーには、ショーコちゃんという布陣。
結成15周年を迎えるチューリップ・カバー・バンドが軽快に開演の狼煙をあげる。
1曲目は「サボテンの花」からスタート。それまでの出演バンド達とはうってかわって、とても落ち着きはらった演奏。
どこからともなく「マサユキー!」という声援が飛び交っています。
その名前の主はキムキム。いつもいじられ役に徹していて、これは彼が誰からも愛されている証拠。人気者は大変ですね。
キムキムがリアクションしようものならば、たまったもんじゃあない。いじりの倍返しをくらっちゃいます(笑)。
MCもナンブくんがこなします。
テイク・オフ初ライブは2005年、9月の大滝村だったそうで面白いエピソードとして、その時の若い女性司会者はチューリップを知らなかったらしく、TAKEOFFをコピーするチューリップというバンドだと思い込んでいたという、ちょっと複雑な心境に駆られちゃうことがあったらしいですよ。
まあ、本家のほうは何度も解散と再結成を繰り返し(最近はリーダー財津和夫氏の体調が心配ですね・・・・)、結局現在は消滅しているのですから仕方のないことではありますが。
2曲目「あまり有名ではない曲で・・・・・夏色の想い出」
こういうマニア心をくすぐる構図と選曲は憎いばかり。
ストイックにチューリップをリスペクトしながらも、真面目に追求していく心意気は参考にするべきですね。
ドラマーのショーコちゃんからのメッセージです。
「私はいくつかのバンドでドラムを担当させてもらっていて、このバンドでは3年間お世話になっております。
曲をコピーする時にスコアを起こすのですが、その際に歌詞を読んでみて他のバンドとの違いに気づきました。人との出会いと別れの物語に乗り物がたくさん出てくるのです。私は乗り物が大好きです。是非皆さんもチューリップの曲を聞く時には乗り物に気持ちを反映させているんだなあ・・・と想像してみてください。飛行機や車の話題になると私はガチにマニアックな方向にいってしまうのでここではなしにします。それでは次・・・ぼくがつくった愛のうた」
以前に在籍していたバンド「ライス&チキン」でもタイトなドラムでファンが急増中だったショーコちゃんによるバックビート。またまた腕を上げたね。頼もしい貴重な人材だよ。
それはともかくも、野太く「ショーコちゃん!」と絶え間なく声援が飛び交う中、ナンブくんがひとこと。彼も実は「ショーコ」という名前なんだそうです。
「うちの親がどうしても女の子が欲しかったらしくて、ショーコという名前をつけたんですよ!」
などとアットホームな空気に包まれる中、和気藹々はじまったのが「銀の指輪」
このヒット曲は一見するとシンプルにもとれますが、いざやってみると独創的な構成。明らかにビートルズへのリスペクト精神漲るアップテンポなへヴィー・ドラミングで演奏されました。
ショーコちゃんの着実なバッキングが、サウンド全体を明らかに引き締めているんだよ。
しかし今聞いてもちっとも古さを感じさせないね。何度聞いても永遠不滅のポップロックだ。
古き良き時代を彷彿とさせる胸キュンときめきメロディが切ない。
ヒコくんのエフェクターを最大限に駆使した、歪み効果がはちきれんばかりに空間を突き抜ける。
グッとムードを変えて珠玉の美しきピアノバラード「青春の影」
文句なしに泣ける青春賛歌ですな。
皆、若き頃のほろ苦い情景が蘇る事でしょう。
ボーカルにはとびきり深めのリバーブがかけられて、更なるムードを作ってくれます。
男女カップルがそれにのって、チークダンスを踊っています。
MC「どうもありがとうございます。残り2曲となりました。次は皆さんもよく知っているチューリップの代表作、聞いてください・・・・心の旅!」
当然、最初から大合唱大会。紙テープがヒラヒラと舞っています。
「ハイ、皆さんご一緒に!あ~だから今夜だけは~君を抱いていたい!あ~明日の今頃は、僕は汽車の中~!」
ここでも乗り物が出てきたね、ショーコちゃん。
でも「汽車」とは時代を感じさせます・・・・。
ラスト・ソングはライブ直前に組み込まれた「夢中さ君に」
もろにビートルズテイストの流れを組む、日本が誇る極上のロック・ナンバーで締めくくり。
すっかり美味しいところてんこ盛りで魅了してくれたね。
愁いを含んだ親しみ深いコンパクトな曲ばかりなので、観客もずっとリラックスして聞き惚れていました。
最後は手に手にグラスを持って「カンパーイ!」の音頭をとって、クラッカーが炸裂しての大団円。
~~~ライブ・レポートPART,1はこれにて終わり。続編もお楽しみにね~~~~!!