段戸裏谷原生林が正式な名前らしい。
初めてこの名前を聞いたのは そう古い話では無い。 豊橋のオモニがきららの森を訪ねてドライブしたけれど見つからなかった・・・と残念そうに話した時だった。
「きららの森」きれいな名前だな。 何がキラキラしているんだろう? お日様かな?葉っぱかな? 風かな? 水かな?
正月あけて 膝の調子が良かったのに 10日に病院へ行ってから痛みがひどい。(病院のせいって訳ではないんだよ) でもどうしてだろうね? 山登りより 散策がいいな。 そんなことを思ったときに思い出したのが このきららの森。
地図では見つけられなかった。 ネットで調べた。あんまり情報が無かったけれど あったー。 嬉しいことに 心霊スポット伊勢神トンネルを通らなくても行ける。 こりゃ行くしかないね。
と決めたものの 大寝坊 出発はお昼近くになってしまった。
足助百年草の前の道 33号をひたすら北上。 大多賀峠で 右に曲がってまっすぐ段戸湖へ そこが入り口
大雑把に位置を頭に入れて走るんだけれど なんだか不安になってきた。道は狭くなるし 雪が積もっている。 スタッドレスにしてはあるものの この先どのくらいの雪があるんだろう? 本当にこれでいいのかしら?
山の中の小さなお店が開いていた。 杉の子 お昼を注文しながら 道の確認。あっていた。 ほっ
あっさり出しで おいしかった。
「雪がどのくらいあるか解らんで 気をつけて行きんよ。」ノーマルタイヤと思われたか ひどく心配してくれる。
杉の子から更に20分ぐらい行くと 真っ白に結氷した段戸湖に着く。
真っ白な銀世界で 湖との境がはっきりしないので 思ったより小さいと思った。 綺麗
誰もいない駐車場に車を駐めて池の回りを歩いてみる。時々人が訪ねてくるらしくて あちこちに靴跡がある。それでもひどく寂しい。
池の周りに飽きたので 更に進むと 出来山登山口方面の途中にきららの森の入り口があった。
丁度池が切れるあたり。左にある登り口が原生林散策路だった。
本日の訪問者は 私を除いて一人 そして沢山の動物。 多分男の人と思われるその足跡は 雪の中におおきな規則正しい歩幅で進んでいた。昼も過ぎて 戻る気配も無いところを見ると 寧比曽岳の方に向かっているに違いなかった。
小さな小川に添って雪の山道をゆったり登っていく。 ふかふかの雪で深いところは30センチほどあったのだけれど 滑ったりしなくて 柔らかく包み込んでくれる感じだった。
ぎゅっ ぎゅっっていう音がとても嬉しい。
山は生きている。誰もいない静かな空間なのに 雪の重みでばさばさ落ちる音 木を跳ね上げる音 白いおなかをしたきれいな鳥がさえずる音 飛び立つ音 かすかな水の音・・・耳を澄ますと 本当にいろんな音が聞こえてくる。
動物の足跡に始めどきどきしていたのに 「熊さんは冬眠だよねぇ イノシシ君は 活動中かなぁ?」 いつの間に怖いことも忘れて 立ち止まって木々を見上げ 空を見上げている。雪の白と葉の緑 空の青さ 陽がさすと赤さも加わって美しい。
原生林と言うから 鬱蒼とした 昼なおくらい森を想像していたけれど全然違った。 冬枯れの木々のせいもあるかもしれないけれど 実にいろんな種類の木があって それらにはネームプレートがついていて どれだけ歩いても飽きない。
本当に心安らぐ空間だった。
足跡の持ち主を追ってとっとことっとついて行って尾根まで出る。 隣の山々が樹間にちらほら
初めての山道で しかも雪山で 迷ったら大変。五六橋までで Uターンと決めていたので 心惹かれながらも 戻ってきた。 ここから寧比曽までは2時間半ぐらいで行けるらしい。
うーん もっと早く起きていたらね。車のデポも必要だしね。
また ぎゅっぎゅっと言う感触を楽しみながら短い散策を楽しんで車に戻ったのが15時
またの楽しみを残して 今日は今日でゆったりした嬉しい時間が過ごせた。
仕上げに足助に戻ってZIZI工房で高級ウィンナを(5本で1000円もした) バーバラハウスでパンを(こちらはおまけをいっぱいくれた)買って帰った。
春になったら 豊橋のオモニを呼んであげよう。