世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

脱皮

2013年07月28日 | 人生
人間には、変化と成長が欠かせない。


一方今、日本人の若者の中には安定を求めるものが増えている。

波風の無い暮らし。

結婚して、子供を作って、郊外に家を持ち、平和な暮らし。


実際この言葉をマジメ顔で吐く若者に3度ほど会った。

しかも男子。


草食男子の真骨頂(true worth )か。


決して悪いことではない。



だが、

自分の人生、80年間安定してました、

と言える生涯を送った人が歴史上に実際何人いるのだろうか。


そして、それってどうなのよ!と聞きたくもなる。



それ以前に、安定した暮らしとはいったいどういう暮らしなのだろうか。


失敗もなく、生活に困ることもなく、怪我も病気もせず、

失業することもなく、人とのトラブルもなく、

家族や周囲も恙(つつが)なく一生を終える。


もしこれが安定した暮らしといえるなら、

どれだけの人がそうした生涯を送れるのだろうか。


ボクは、皆無に近いと思う。



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ボクは、戦後の経済成長時代を駆け上ってきた。


「24時間闘えますか」 というコマーシャルソングにも応えた。

(今も相も変わらず24時間闘っているが)



10代の受験戦争にも勝ち、

20代の就職戦線でも勝ちを収め、

30代での脱サラ(起業)においても成功し、

そして、40代、50代にわたる3度の転職(転業)も熟(こな)してきた。


まさに24時間、365日闘ってきた常勝(上昇)組だ。



普通は60も過ぎれば、もうここらで休もうかと思うのが普通であろう。



だが、ボクはここから一気に快(怪)進撃が始まる。


都会から田舎へ舞台を移し、

さらに街へ帰ってきた。


そして新たなビジネスを創り、

海外へも進出し、店舗も増やそうとしている。



まるで脱皮を繰り返すさなぎのように、

ボクの人生に安定という2文字は存在しない。


不可能という3文字もない。



だがその都度激しい痛みを伴う。


それに耐え、乗り切ってこそ成長がある。




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「さとり世代」といわれる

80年代半ば以降の生まれで、20代半ばまでの年代の若者。


幸か不幸か、右肩上がりの成長を全く知らずに育った世代である。


とはいえ、物があふれ喰うには不自由していない。

だからか万事、欲がない。


車もブランド品も欲しくない。

海外旅行にも恋愛にも興味が薄い。

ましてや将来、偉くなりたいなどとも微塵にも思わない。



今のままがいい。

このままぬくぬくと安定した状態を保ちたいと。


敢えて波風を立てるなどとはもっての外だ。


つまり、「結果をさとり、高望みしない」


悟りとは、

仏教でいえば、迷いを去り真理を会得することとされる。

が、ふつうには、知る、理解する、気づくといったところか。


長引く不況が彼らにそう強いただけなのか。

時代が生んだ新しい生活哲学なのか、と天声人語はいう。


作家の高橋源一郎はすでに10年前に指摘していた。

身近な欲望しか持たない「喪失の世代」が登場することを。


これは「世界最先端の現象」だ、という。


つまり日本の若者は、あらゆるものを手にしているように見えるが、

夢と希望を失った「喪失の世代」なのだ。



そういえば、村上龍もたしかこんなことを言っていたな。

「日本には何でもある。

無いのは、夢と希望だけだ」、と。





19世紀、ダーウィンは言った。


「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。

そうではない。

最も頭のいいものか。そうでもない。


それは、変化に対応できる生き物だ」



安定と変化は真逆のものである。


安定を求め、変化を嫌う(恐れる)日本の若者は

この先生き残れるのであろうか?