沖縄独立への動きにふれる孫崎享氏の見識に観ずること
櫻井 智志
沖縄をめぐる安倍政権の暴政は、安倍総理だけの暴政ではない。
戦後自民党政権の暴政を、安倍晋三氏が継承している。沖縄に対する自民党政権の暴政は、自民党政権だけの暴政ではない。
薩摩藩の琉球国への侵略に始まる明治時代の沖縄への差別と偏見、抑圧と搾取は、第二次世界大戦の日本軍隊とアメリカ軍隊による沖縄戦の惨状と「ひめゆり部隊」自死強要の悲劇へと連なった。
さらに連合軍を名乗るアメリカ軍は、沖縄県を植民地状態にして、戦争終結を喜ぶ本土の国民(ヤマトンチュー)のような日本国憲法の保障する権利からも隔絶された。
沖縄国際大学には米軍ジェット機が落下し、アメリカ軍兵隊とその近辺の軍属は、沖縄県民の小学生から成人まで、見境無く強姦や暴行を続け、本国に逃走させたり、日本の刑法は一切無視されたり、その被害は敗戦後70年を過ぎてもなお続いている。
1972年の沖縄返還協定は、毎日新聞記者西山太吉氏の事実のスクープは虚偽と決めつけられ、佐藤栄作内閣は断固虚偽と言い張った。しかし事実はやはり西山太吉氏のジャーナリスト精神に宿っていた。核兵器の密約が背後で日米政府間で決められていた。
沖縄県民は、議会制民主主義のルールに則って、本土では実現しえていない統一戦線「オール沖縄」を結成した。保守政治家三代の家庭に生まれ、那覇市長、自民党沖縄県連幹事長を歴任した翁長雄志氏は、がんと闘病しつつ、見事な政治構想と統一戦線思想を構築した。「イデオロギーからアイディンテイテイへの発展」は、保革を超えておきなわの主体性奪還にもとづく統一戦線思想は、沖縄県民の広く強い圧倒的な支持を得た。「オール沖縄」は、なんと衆参国会議員のすべてを獲得し、自民党公明党安倍政権与党は、すべての選挙区から議席を失った。
アメリカ本土に行き、国連で演説し、有力政治家とも翁長知事は、会談を何度もかわした。安倍政権とも面会を求めたが、ずっと拒否され続けた。裁判所に訴えれば、福岡高裁裁判官は呆れかえる三文文士でも発想しないような、三権分立逸脱の迷判決を下した。
たとえば、朝鮮半島には、高句麗、百済などの諸王朝が同時に併存した。このような例は世界各国にある。日本は、琉球国、アイヌ民族の国家、大和朝廷などの併合国家だった。その中でも大和はとりわけ侵略性が強く、桓武天皇の命令を承けた坂上田村麻呂は東北を侵略して統合した。琉球王国を統合した薩摩藩-明治政府の侵略性も同様である。
アメリカも、もともとはヨーロッパから渡った市民が、東部13州から西へ西へと、先住民族を皆殺しにしていった。アメリカ国民が自慢する「フロンティア・スピリッツ」は開拓者魂と美化されているが、実態は先住民族を侵略し、アフリカ大陸から強制拉致したアフリカ民族を黒人奴隷として、家畜同然の扱いをおこなった歴史であったことは、アメリカテレビ局の連続ドラマ「ルーツ」が世界的大反響をひきおこしたことにも、関連性がある。おまけにアメリカは、奴隷解放宣言を宣言した共和党リンカーン大統領を暗殺し、米ソ冷戦によるキューバ危機を回避したケネディ大統領も暗殺した。アメリカ民主主義には、二つの民主主義思想がある。アメリカ独立宣言を起草したジェファーソン、リンカーン、キング牧師、ジョン・サマヴィルニューヨーク州立大学哲学教授、アリス=ハーズ、こういった思想家の人脈は、近代のイギリス市民革命、フランス大革命、ベトナム革命、国連の世界人権宣言、世界人権規約などを経て、日本国憲法やそれをいっそう発展させたパラオ共和国憲法。
なんらかの平和主義条項があるのは、憲法・比較憲法学を専門とする西修氏によると、現行の憲法典182のうち、なんらかの平和主義条項を持っている憲法典は、150カ国に及び全体の82%を超えている。なかには、核兵器や生物兵器、化学兵器を持たないことを明記したり、外国の軍事基地を設けないことなど、日本よりももっと徹底した平和主義条項を持つ国がある。国連憲章、世界人権宣言などの遵守を掲げる国にはアルゼンチン、ハンガリー、ポルトガル、ルーマニアがある。バングラディッシュ、カーボベルデ、モザンビークは軍縮を掲げている。国際紛争の平和的解決を掲げる国には、アルジェリア、インド、パキスタン、イラク、エクアドル、ニカラグア、ブラジル、ウルグアイがいる。これらは綿密な検証をおこなったものではなく、インターネット上の知見である。
だが、こうして見てくると、沖縄県民が置かれた現状は、国際人権レベルを著しく逸脱した実態にある。東大教授で哲学研究の立場から高橋哲哉氏は、沖縄と福島は著しい犠牲のシステムに置かれていることを2012年の著作で述べている。そして沖縄県が「植民地主義」による統治下にある状態に近いことを指摘している。植民地主義には「宗主国」がいる。高橋哲哉氏は、著作『犠牲のシステム 福島・沖縄』でこう記している。(p180引用)
沖縄の植民地的状況は、日米両政府によって正当化されている。ところで、その日米両政府の政策を是認し、支えているのはだれかといえば、それは日米双方の国民である。とくに、沖縄が日本国の一部である以上は、日本政府が認めなければ米軍はそこにいることができないのだが、その日本政府を是認し、支えているのは日本国民なのである。要するに、日本国民が有権者として選択している政府の政策によって、沖縄の植民地的状況が生み出されている。ということは、沖縄を植民地支配しているのはつまるところ日本人(ヤマトの日本人)だということにならざるをえない。
沖縄県民を見捨てる日本人。沖縄県民を同胞として見られない日本人。
アメリカ政府・アメリカ軍隊・アメリカ軍産複合体。私たちは批判するが、彼らの植民地主義を認めて好き放題させている目の前の敵は、私たち日本人なのだ。
その抑圧と暴政を打破して、沖縄県民が琉球国家の歴史的継承を復元化したいと言うとき。
GHQの指令下で、何度「日本へ帰ろう」と虐待に耐えて耐えて耐え続けた沖縄県民が、沖縄の知性が、その日本から独立も選択肢に入れざるを得ないと公的に発言している。それは何を示しているのか。日本国が同胞を踏みつけ、理屈にもならない詭弁で、政府と裁判所が癒着して弾圧していることを赤裸々にあかしている。
日本国は、崩壊の危機に瀕している。
-了-
===資料引用開始====
重要参考資料:
【孫崎享のつぶやき】
《沖縄独立への動き、確実に増す。その系譜。①辺野古、高江での安倍政権強硬手法に対する反発。「自己決定権否定」への反発。「島ぐるみ」運動の延長。②先住民族の権利、③「琉球民族独立総合研究学会」(“沖縄民族”に力点)》
2016-10-03 07:014
A:事実関係:沖縄県の米軍北部訓練場におけるヘリパッド(ヘリコプター離着陸場)建設問題について、沖縄県選出の糸数慶子・伊波洋一両参議院議員は14日、東京の外国特派員協会で会見し、「地域住民の生活を脅かしていることからも決して容認できない」(糸数議員)
、「県民ぐるみの反対運動になっている」(伊波議員)などと述べ、建設反対を訴えた。
この中で、このまま基地問題がこじれた場合、沖縄が独立論に傾かないかとの質問に対し、糸数議員は、「県民の中に、これ以上自分たちの思いが届かず、自己決定権すらないのであれば独立を、との動きがあるのも事実」などと危機感を訴えた。
B:関連情報
10月2日、たまたま水道橋で私と伊波氏と二人で講演する機会があり、終わっての懇親会で伊波氏に沖縄独立の動きがどのようになっているかをうかがった。
伊波氏の説明次の通り。
******************************
現在沖縄の独立を求める流れには大きくいって、3つある。
県民ぐるみの反対運動の延長線
沖縄では、沖縄県民の意志を無視し、辺野古問題、高江のヘリパッドの強引な建設に反対する機運が高まり、「島ぐるみ」「県民ぐるみ」の運動に発展している。沖縄県民は「自己決定権」すら日本政府に否定されるなら、独立で動こうとする動きがある。
(沖縄)先住民族論、国連の先住民族擁護の流れに乗ろうとするものである。
琉球民族独立論2013年5月、「琉球民族独立総合研究学会」が発足。松島泰勝龍谷大学経済学部教授が中心人物の一人。
(本学会設立趣意書:琉球は日本から独立し、全ての軍事基地を撤去し、新しい琉球が世界中の国々や地域、民族と友好関係を築き、琉球民族が長年望んでいた平和と希望の島を自らの手でつくりあげる必要がある。・・・。琉球の独立が可能か否かを逡巡するのではなく、琉球の独立を前提とし、琉球の独立に関する研究、討論を行う。独立を実現するためには何が必要なのか、世界の植民地における独立の過程、独立前後の経済政策および政治・行政・国際関係の在り方、琉球民族に関する概念規定とアイデンティティ、琉球諸語の復興と言語権の回復、アート、教育、ジェンダー、福祉、環境、マイノリティ差別、格差問題、在琉植民者の問題等、琉球独立に関する多角的および総合的な研究、討論を行い、それらを通して人材の育成を行う。 ・・・。学会の研究成果を踏まえて、国連の各種委員会、国際会議に参加し、琉球独立のための世界的な運動等も展開する。)
沖縄独立論が今かなり広い層に支持を得始めたのは、辺野古、高江に関する沖縄県民の意志を完全に無視する安倍政権への反動として現れている。
こうした議論の中で琉球処分の問題(明治政府のもとで琉球が強制的に近代日本国家に組み込まれていった一連の政治過程。1872年(明治5)琉球藩設置に始まり,79年の沖縄県設置に至る過程をいう。これによって琉球王国は滅びた)、明、清時代の中国とも結びつきにも言及されている。
1960年代、米国は沖縄を独立させようとする動きがあったが、平和憲法を持つ日本との一体を求めるのが主流になった。日本が平和憲法をすて「戦争する国」になる際、日本との一体を主張してきた勢力の論点の一つが消滅することとなる。
===資料引用終了====
櫻井 智志
沖縄をめぐる安倍政権の暴政は、安倍総理だけの暴政ではない。
戦後自民党政権の暴政を、安倍晋三氏が継承している。沖縄に対する自民党政権の暴政は、自民党政権だけの暴政ではない。
薩摩藩の琉球国への侵略に始まる明治時代の沖縄への差別と偏見、抑圧と搾取は、第二次世界大戦の日本軍隊とアメリカ軍隊による沖縄戦の惨状と「ひめゆり部隊」自死強要の悲劇へと連なった。
さらに連合軍を名乗るアメリカ軍は、沖縄県を植民地状態にして、戦争終結を喜ぶ本土の国民(ヤマトンチュー)のような日本国憲法の保障する権利からも隔絶された。
沖縄国際大学には米軍ジェット機が落下し、アメリカ軍兵隊とその近辺の軍属は、沖縄県民の小学生から成人まで、見境無く強姦や暴行を続け、本国に逃走させたり、日本の刑法は一切無視されたり、その被害は敗戦後70年を過ぎてもなお続いている。
1972年の沖縄返還協定は、毎日新聞記者西山太吉氏の事実のスクープは虚偽と決めつけられ、佐藤栄作内閣は断固虚偽と言い張った。しかし事実はやはり西山太吉氏のジャーナリスト精神に宿っていた。核兵器の密約が背後で日米政府間で決められていた。
沖縄県民は、議会制民主主義のルールに則って、本土では実現しえていない統一戦線「オール沖縄」を結成した。保守政治家三代の家庭に生まれ、那覇市長、自民党沖縄県連幹事長を歴任した翁長雄志氏は、がんと闘病しつつ、見事な政治構想と統一戦線思想を構築した。「イデオロギーからアイディンテイテイへの発展」は、保革を超えておきなわの主体性奪還にもとづく統一戦線思想は、沖縄県民の広く強い圧倒的な支持を得た。「オール沖縄」は、なんと衆参国会議員のすべてを獲得し、自民党公明党安倍政権与党は、すべての選挙区から議席を失った。
アメリカ本土に行き、国連で演説し、有力政治家とも翁長知事は、会談を何度もかわした。安倍政権とも面会を求めたが、ずっと拒否され続けた。裁判所に訴えれば、福岡高裁裁判官は呆れかえる三文文士でも発想しないような、三権分立逸脱の迷判決を下した。
たとえば、朝鮮半島には、高句麗、百済などの諸王朝が同時に併存した。このような例は世界各国にある。日本は、琉球国、アイヌ民族の国家、大和朝廷などの併合国家だった。その中でも大和はとりわけ侵略性が強く、桓武天皇の命令を承けた坂上田村麻呂は東北を侵略して統合した。琉球王国を統合した薩摩藩-明治政府の侵略性も同様である。
アメリカも、もともとはヨーロッパから渡った市民が、東部13州から西へ西へと、先住民族を皆殺しにしていった。アメリカ国民が自慢する「フロンティア・スピリッツ」は開拓者魂と美化されているが、実態は先住民族を侵略し、アフリカ大陸から強制拉致したアフリカ民族を黒人奴隷として、家畜同然の扱いをおこなった歴史であったことは、アメリカテレビ局の連続ドラマ「ルーツ」が世界的大反響をひきおこしたことにも、関連性がある。おまけにアメリカは、奴隷解放宣言を宣言した共和党リンカーン大統領を暗殺し、米ソ冷戦によるキューバ危機を回避したケネディ大統領も暗殺した。アメリカ民主主義には、二つの民主主義思想がある。アメリカ独立宣言を起草したジェファーソン、リンカーン、キング牧師、ジョン・サマヴィルニューヨーク州立大学哲学教授、アリス=ハーズ、こういった思想家の人脈は、近代のイギリス市民革命、フランス大革命、ベトナム革命、国連の世界人権宣言、世界人権規約などを経て、日本国憲法やそれをいっそう発展させたパラオ共和国憲法。
なんらかの平和主義条項があるのは、憲法・比較憲法学を専門とする西修氏によると、現行の憲法典182のうち、なんらかの平和主義条項を持っている憲法典は、150カ国に及び全体の82%を超えている。なかには、核兵器や生物兵器、化学兵器を持たないことを明記したり、外国の軍事基地を設けないことなど、日本よりももっと徹底した平和主義条項を持つ国がある。国連憲章、世界人権宣言などの遵守を掲げる国にはアルゼンチン、ハンガリー、ポルトガル、ルーマニアがある。バングラディッシュ、カーボベルデ、モザンビークは軍縮を掲げている。国際紛争の平和的解決を掲げる国には、アルジェリア、インド、パキスタン、イラク、エクアドル、ニカラグア、ブラジル、ウルグアイがいる。これらは綿密な検証をおこなったものではなく、インターネット上の知見である。
だが、こうして見てくると、沖縄県民が置かれた現状は、国際人権レベルを著しく逸脱した実態にある。東大教授で哲学研究の立場から高橋哲哉氏は、沖縄と福島は著しい犠牲のシステムに置かれていることを2012年の著作で述べている。そして沖縄県が「植民地主義」による統治下にある状態に近いことを指摘している。植民地主義には「宗主国」がいる。高橋哲哉氏は、著作『犠牲のシステム 福島・沖縄』でこう記している。(p180引用)
沖縄の植民地的状況は、日米両政府によって正当化されている。ところで、その日米両政府の政策を是認し、支えているのはだれかといえば、それは日米双方の国民である。とくに、沖縄が日本国の一部である以上は、日本政府が認めなければ米軍はそこにいることができないのだが、その日本政府を是認し、支えているのは日本国民なのである。要するに、日本国民が有権者として選択している政府の政策によって、沖縄の植民地的状況が生み出されている。ということは、沖縄を植民地支配しているのはつまるところ日本人(ヤマトの日本人)だということにならざるをえない。
沖縄県民を見捨てる日本人。沖縄県民を同胞として見られない日本人。
アメリカ政府・アメリカ軍隊・アメリカ軍産複合体。私たちは批判するが、彼らの植民地主義を認めて好き放題させている目の前の敵は、私たち日本人なのだ。
その抑圧と暴政を打破して、沖縄県民が琉球国家の歴史的継承を復元化したいと言うとき。
GHQの指令下で、何度「日本へ帰ろう」と虐待に耐えて耐えて耐え続けた沖縄県民が、沖縄の知性が、その日本から独立も選択肢に入れざるを得ないと公的に発言している。それは何を示しているのか。日本国が同胞を踏みつけ、理屈にもならない詭弁で、政府と裁判所が癒着して弾圧していることを赤裸々にあかしている。
日本国は、崩壊の危機に瀕している。
-了-
===資料引用開始====
重要参考資料:
【孫崎享のつぶやき】
《沖縄独立への動き、確実に増す。その系譜。①辺野古、高江での安倍政権強硬手法に対する反発。「自己決定権否定」への反発。「島ぐるみ」運動の延長。②先住民族の権利、③「琉球民族独立総合研究学会」(“沖縄民族”に力点)》
2016-10-03 07:014
A:事実関係:沖縄県の米軍北部訓練場におけるヘリパッド(ヘリコプター離着陸場)建設問題について、沖縄県選出の糸数慶子・伊波洋一両参議院議員は14日、東京の外国特派員協会で会見し、「地域住民の生活を脅かしていることからも決して容認できない」(糸数議員)
、「県民ぐるみの反対運動になっている」(伊波議員)などと述べ、建設反対を訴えた。
この中で、このまま基地問題がこじれた場合、沖縄が独立論に傾かないかとの質問に対し、糸数議員は、「県民の中に、これ以上自分たちの思いが届かず、自己決定権すらないのであれば独立を、との動きがあるのも事実」などと危機感を訴えた。
B:関連情報
10月2日、たまたま水道橋で私と伊波氏と二人で講演する機会があり、終わっての懇親会で伊波氏に沖縄独立の動きがどのようになっているかをうかがった。
伊波氏の説明次の通り。
******************************
現在沖縄の独立を求める流れには大きくいって、3つある。
県民ぐるみの反対運動の延長線
沖縄では、沖縄県民の意志を無視し、辺野古問題、高江のヘリパッドの強引な建設に反対する機運が高まり、「島ぐるみ」「県民ぐるみ」の運動に発展している。沖縄県民は「自己決定権」すら日本政府に否定されるなら、独立で動こうとする動きがある。
(沖縄)先住民族論、国連の先住民族擁護の流れに乗ろうとするものである。
琉球民族独立論2013年5月、「琉球民族独立総合研究学会」が発足。松島泰勝龍谷大学経済学部教授が中心人物の一人。
(本学会設立趣意書:琉球は日本から独立し、全ての軍事基地を撤去し、新しい琉球が世界中の国々や地域、民族と友好関係を築き、琉球民族が長年望んでいた平和と希望の島を自らの手でつくりあげる必要がある。・・・。琉球の独立が可能か否かを逡巡するのではなく、琉球の独立を前提とし、琉球の独立に関する研究、討論を行う。独立を実現するためには何が必要なのか、世界の植民地における独立の過程、独立前後の経済政策および政治・行政・国際関係の在り方、琉球民族に関する概念規定とアイデンティティ、琉球諸語の復興と言語権の回復、アート、教育、ジェンダー、福祉、環境、マイノリティ差別、格差問題、在琉植民者の問題等、琉球独立に関する多角的および総合的な研究、討論を行い、それらを通して人材の育成を行う。 ・・・。学会の研究成果を踏まえて、国連の各種委員会、国際会議に参加し、琉球独立のための世界的な運動等も展開する。)
沖縄独立論が今かなり広い層に支持を得始めたのは、辺野古、高江に関する沖縄県民の意志を完全に無視する安倍政権への反動として現れている。
こうした議論の中で琉球処分の問題(明治政府のもとで琉球が強制的に近代日本国家に組み込まれていった一連の政治過程。1872年(明治5)琉球藩設置に始まり,79年の沖縄県設置に至る過程をいう。これによって琉球王国は滅びた)、明、清時代の中国とも結びつきにも言及されている。
1960年代、米国は沖縄を独立させようとする動きがあったが、平和憲法を持つ日本との一体を求めるのが主流になった。日本が平和憲法をすて「戦争する国」になる際、日本との一体を主張してきた勢力の論点の一つが消滅することとなる。
===資料引用終了====