【現代思想とジャーナリスト精神】

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衆院補選東京10区、福岡6区はどうなるか

2016-10-12 12:15:50 | 政治・文化・社会評論
衆院補選東京10区、福岡6区はどうなるか

                櫻井 智志

 東京補選は、小池百合子都知事の圧倒的な人気ブームが若狭勝候補を、福岡補選は鳩山邦夫氏の息子を同じく小池都知事が応援に出向き、この二人が当選に近いと思われる。

 後述の孫崎享氏は東京10区は、東京都内と小池都知事と都議会自民党との対立関係への着目を指摘している。
本来ならば、野党四党が共闘していることが野党に有利になりそうなものだが、民進党の政治スタンスが問題となっている。
代表の蓮舫氏は当選早々都庁を訪れ、小池都知事を表敬訪問し、小池氏を絶賛、単なる儀礼とは思えぬ公的発言を行った。補選では、共闘を言葉としてはかわしたが、なんら政策に関する取り決めはしていない。共産党と同席するのを避けて、「共産党と一緒だと票が逃げるから保守勢力の票を集めるために、むしろ共産党の入っている共闘はマイナス」と見ていることを、今朝の東京新聞は報じている。

 不十分な共闘は、四党の固定支持層の票を固め切れるか。新潟県知事選でも、最初は民進党は自主投票と決めて、県議の中には自公推薦候補の応援に回る民進党員もいる始末。しかし、米山隆一候補と森裕子選対本部長、共産・生活・社民の三党と市民がフル稼働するにつれて新潟県の民進党は、野党共闘に動く党員も増えている。

 蓮舫代表と黒幕の野田佳彦幹事長は、全国の民進党地方本部の動向さえ充分な掌握をしていない。いまのような民進党執行部のスタンスが変わらないかぎり、知事選や衆院補選では野党候補は惨敗する選挙も出てくるものと思われる。

 野党がふるわない直接の原因は、東京都知事になった小池百合子氏への国民的な人気ブームである。自民党都議団との対立も辞さず、築地魚市場の豊洲移転や東京オリンピックへの積極的な姿勢は、たしかに自民党以外にも支持を増やしている。ただ、小池氏は都議とは争っても、自民党本部には友好的であることを見逃すべきでない。自民党の中の党員別働隊という高等戦術を駆使している。国政の選択では今後どのような政治を行うかは冷静に観察する必要がある。

 東京補選で、若狭候補-小池百合子氏の側が、自民党都議区議団と争っても、民進党員である候補を当選させる本元の民進党執行部が野党共闘の力量を結集することを自ら阻碍している。
 福岡も同じだ。当選すれば自民党に入党させる意向の自民党本部。麻生副総理と菅官房長官の対立の代理選挙となっている。民進党の新井富美子候補に一本化したことを十二分に生かせば当選するのに、野田佳彦氏は元総理の沽券に関わると思っているのか、次から次へと
民進党弱体化の愚策のオンパレード。蓮舫代表-野田佳彦幹事長の体制は、近接する三選挙の結果によっては、急速に党内での求心力を
低下させる。代表選さえ、国民は冷めた目で眺めていた。三選挙は、蓮舫代表-野田佳彦幹事長の党内政治力の維持か失速か、じかに問われている。


【孫崎享のつぶやき】
東京10区、東京10区は比較的自民党支持が多い選挙区、今。小池人気。それが若狭候補に有利に働こう。ただ野党側、勝てる可能性のある選挙区。
2016-10-12 07:171






 東京10区補選は、10月23日に実施され、自民若狭勝氏(59)(公明党推薦)対、民進党鈴木庸介氏(40)(共産、生活、社民協力)となった。東京10区は比較的自民党支持が多い。今、東京は何となく小池ブームで、その参謀的役割を果たしてきた若狭勝氏が優位とみる向きが多い。しかし、決して、野党側が勝てない選挙区ではない。



1: 過去の衆議院選、票を見てみたい

  年        自公      野党合計
2014年  小池 50.7%  44.5%(民主、共産、生活)
2012年  小池 53.7%  46.3%(民主、未来、共産)
2009年  小池 43.3%  56.6%(民主47,2%、共産)
2005年  小池 50.0%、 小林興起対小池で異色の選挙
2003年  小林 45.2%  53.4%(民主、共産)



2:上記票を見れば、小池個人人気が上積みされてきたであろうから、多分自公票は45%程度であろう。今、自民党内特に東京都では、小池知事と自民都議の間に対立関係がある。これが選挙にどう影響するか。