【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

温故知新TODAYS NEWS ~【「報道特集」2017/11/04】~

2017-11-04 21:03:53 | 政治・文化・社会評論
温故知新TODAYS NEWS【「報道特集」2017/11/04】

               櫻井 智志



 確かにモデルとしても大統領ファミリーとしてもアイドルのように偶像視されるのは、わかる。けれど、アメリカ国内では、何ら政治的影響力もなく「補佐官」の肩書きも、実際の補佐官の政治力も任務も与えられていない(ニュース番組)大統領の娘のイヴァンカ氏。
 なんと安倍首相は、イヴァンカ氏の主宰する団体に、57億円もの巨額をポンと寄付した。安倍氏本人の資産なのか?そうでなく国民の税金ならば大問題だ。日本国財政の実情を弁えぬ愚策。57億円を国内政治に回せば、どれだけ国民の窮乏の負担を減らせるか。



 「座間9遺体殺人事件」も「相模原障がい者大量殺人事件」も、昔の「横浜山下公園中学生グループによるホームレス殺人事件」も「川崎大学浪人による両親金属バット殺人事件」も、国内都会の神奈川県下で起きたここ40年くらいの間に発生した。頻繁に発生する「都会の砂漠」。荒涼とした都会の心象風景である。言葉が、記号として軽薄に浮遊する。明治時代に旧制一高の学生藤村操は「巌頭の感」を遺して華厳の滝から焼身自殺をとげた。「悠々たる哉天上、稜々たるかな古今。五尺の小躯を以てこの大を測らんとす。・・・」そこには思索の末に表現された絶望の人生観が記されていた。
 「死にたい」願望は「生きたい、だけど生き抜いていけない」という心理であると、私は考える。座間9遺体事件は、事件としては殺人事件なのに、世間の自殺願望が土壌となっている。頻繁に起こる異常事の中で明らかにされなければいけないこと、そんな社会をよくすべきと国民が努力することがあると考える。


 ダッカなど中東は文化と宗教の聖地として、世界中から尊敬を得ていた。「イスラム国」発生の以前に、既に、人類が誇る中東の文化的価値は破壊され陵辱されてきた。中東で文明がおき(古代エジプト文明・メソポタチミア文明)その頃は未開の地だったアメリカが、ソ連との冷戦では勝利したけれど、民族紛争はさらに悪化した。ロシア・中国にも解決の知恵も力量も稀薄だ。

 フランスの小説家マルティン・デュガールが書いた『チボー家の人々』の主人公兄弟の弟ジャックは、第一次大戦の前線で反戦を呼びかけるビラを巻くために乗っていたヘリコプターが墜落して死んだ。兄のアントワープは同じ戦中に、軍医として戦地に赴き毒ガス兵器のため陸軍病院の病床に身を横たえるようになる。第一次世界戦線を描いた作者の表象しようとした戦争の悲惨さと残酷さ。それは21世紀に入ったにもかかわらず、現代もっと殺伐としている。満州に応召された経験を長編小説『人間の条件』『戦争と人間』に表現した五味川純平氏。愛妻が病死し、1970年代の世情を見ながら、五味川氏は病気と失意の中で憤死した。

 シリア、「イスラム国」、中東。国税をばらまく日本国安倍首相の軽挙妄動に国際的ジャーナリズムはしっかりとその背景を見極めている。国内から民衆が「否!」と言わないかぎり、シリアなど中東戦争でうまれた多くの貧民は救われない。戦後日本の平和思想を無し崩しにしていく安倍首相のいい加減な外交、国政を批判することは、日本国民の義務だ。