【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

金平茂紀氏のアメリカ大統領選取材報告を視聴して思う

2020-11-07 19:16:28 | 言論と政治
 議会制民主主義の最初のかたちはイギリスが定着していた。第二次世界大戦に勝利し、しかも自国が戦場とならなかったこともあって、戦後民主主義国家の典型とも目されていたアメリカ合「州」国。いまそのアメリカの大統領選は、混沌とした状況にある。
 トランプ大統領候補の言動の独断は、彼を支持する背景のアメリカ社会の支持層があってここまできた。なんともはや選挙戦の最中も開票作業をほぼ終えた今も哀しい政治情勢である。


 アメリカ大統領選に比べ、日本はどうか。三権分立は既に前安倍首相によって破壊されている。行政が国会や司法を思うように操縦してきた。批判者は管理体制に沈黙の抑制をうけている。アメリカの混乱、日本の混迷。米日国家から未来は臨めるのだろうか。

 トランプとバイデン、2人は対照的だ。トランプはいつまでも自己中心であり、バイデンには落ち着きがうかがわれる。アメリカ国民の大規模な分断は両氏がどれだけアメリカ国家全体の統合を考慮しているかによって修復可能かどうかがかかっている。「我々の大統領は国民に背いてきました」インド系女性の言葉はくにを憂う心情が感じられた。

 メデイアがトランプを批判にせよ肯定するにせよ、おもしろおかしく扱うことで政治の根本問題がわきにおいやられていく危険を金平キャスターは述べ、さらにつけくわえた。「アメリカ国民は自分たちで政治を変えることができることを実感した。日本ではどうか?」と。日本の国会では、連日日本学術会議に菅政権憲法違反に近い違法介入について、「人事の問題だから答えられない」(菅首相、加藤官房長官)というとんでもない屁理屈発言に終始してまともに国会質問に応えないという状況が続く。野党の努力が連続的に続きている。私たち有権者の認識が厳しく問われている。油断すると、とんでもない方向へ日本は蛇行しはじめる。