沖縄県知事選、安倍政権がバックにいればこんな選挙戦も許されるのか! 自公・佐喜真陣営のやり方がヒドイ!
「リテラ転載」横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」47
2018.09.28
#ニッポン抑圧と腐敗の現場 #佐喜真淳 #日本会議 #横田 一 #沖縄知事選挙 #玉城デニー #遠山清彦
写真:小泉進次郎氏と街宣をする佐喜真候補(23日沖縄市役所前 撮影・横田一)
自民・公明と日本維新の会、希望の党推薦の前宜野湾市長・佐喜真淳候補と「オール沖縄」支援の前衆院議員・玉城デニー候補が激突する沖縄県知事選(9月30日投開票)で、自公推薦候補が勝利した6月の新潟県知事選と同じような「ルール違反(公職選挙法違反)をしてでも勝つ」という“日大アメフトタックル流選挙”が横行している。地元紙琉球新報も選挙戦終盤の26日、ツイッターフォロワー数3万4168人の遠山清彦衆院議員(公明党)らの公職選挙法違反疑惑について、「真偽不明情報が大量拡散 知事選巡りネットに」と銘打って1面で次のように報じた。
〈インターネット上で候補者が犯罪に関わったなどとする真偽不明の情報が大量に出回っている〉〈別のサイトでは、玉城氏や故翁長雄志知事をおとしめるような動画が何本も掲載されている。3万人以上のフォロワーがいる国会議員はこのうちの一本の動画を自らのツイッターに掲載し「当選を阻止する」と書き込んだ。これに対し、玉城氏は動画の自らに関する内容を自身のツイッターで否定した〉
琉球新報の紙面では名前は出していないが、本サイトでも既報の通り「3万人以上のフォロワーがいる国会議員」が公明党の遠山氏であることは一目瞭然。そして2面では、特定の候補を当選、あるいは落選させるためにウソの情報を流すことを罰する公職選挙法「虚偽事項公表罪」についても解説、遠山議員ら佐喜真支援者が選挙違反に抵触する可能性を浮き彫りにしていた。
遠山議員の公選法違反疑惑発言は他にもあった。県選挙管理委員会が「憲法で保障された投票の秘密の観点からすると、(期日前投票の)報告が強要されているとすれば好ましくない」(27日の琉球新聞)と問題視した「期日前投票実績調査票」が配布された告示翌日の建設業界の総決起大会に出席した遠山議員は約1200名の業者を前に「玉城候補の実績はゼロ」と断言、佐喜真支援を呼びかけた。
「(佐喜真氏と事実上の一騎打ち状態の)相手候補はどうか。『9年間、国会議員をやった』と言っていますが、彼がつくった法律は聞いたことがありません。彼がつくった政策は聞いたことがない。彼が沖縄に持ってきた予算、聞いたことがありません。実績ゼロであります。人柄が良くて歌が上手くても実績ゼロであります」(14日の建設業界総決起大会での発言)
しかし、本サイトの26日付「沖縄県知事選で自民・佐喜真応援団が組織的なデマ攻撃!」が、民主党政権で一括交付金を担当する総理補佐官を務めた立憲民主党・逢坂誠二衆議院議員の投稿を〈沖縄一括交付金は沖縄のみなさんから強い要望があった。副知事さんは何度も私のもとに。玉城デニーさんからも繰り返し要望を受けた。逆に自民、公明の皆さんは一括交付金に批判的だった〉と紹介した通り、県が要望していた使い勝手のいい「一括交付金」創設に玉城氏が貢献していたのは明白だ。遠山議員はネット上だけではなく、建設業界の総決起大会という現実世界でもウソを垂れ流して玉城氏に職務怠慢政治家の烙印を押す一方で、佐喜真支援を訴えていたのだ。ウソを垂れ流して特定候補を当選、あるいは落選させることを禁じる「虚偽事項公表罪」の典型的事例なのではないか。
佐喜真氏の極右団体・日本会議との関係をめぐっても、ウソ・隠蔽疑惑がある。佐喜真氏は、2012年の宜野湾市長選に立候補した時点ですでに沖縄県議としては唯一、「日本会議」のメンバーとして同会のHPでも紹介されており(しんぶん赤旗2012年1月21日付)、また自身も宜野湾市長時代の市議会答弁では日本会議のメンバーだったことを認めている。しかし、県知事選予定候補になると「日本会議のメンバーではない」(8月24日の事務所開きでの質疑応答)と一転否定し、極右政治家の過去を消し去ろうとしたのだ。
《沖縄で暗躍する日本会議やネトウヨ活動家たち》
沖縄在住の日本会議メンバーは日本会議沖縄県本部の会報を差し出しながら、こう話す。
「宜野湾市議から県議を経て市長となり、その実績を引っさげて県知事選に立候補した佐喜真淳候補は、市議会で答弁した通り、日本会議のメンバーで地方議員時代には日本会議の署名活動をしていたほどでした。当然、市長選では日本会議のメンバーが応援、今回の県知事選でも支援しています。5年ほど前から日本会議は沖縄に常駐職員を送り込み、那覇市内の神社本庁を拠点に活動を開始しました。この会報にある『上野』というのが、日本会議沖縄県本部の事務局長です。定期的にメンバーとその紹介者限定の勉強会を開き、一般向けには百田尚樹氏やケント・ギルバート氏の沖縄講演にも関わっています」
実際、「日本の息吹沖縄県版 沖縄の芽吹き」と題する9月号の会報には、9月16日の南部支部の定例会の予定が記載され、テーマは「在沖米軍基地と沖縄経済 基地は成長の阻害要因?」となっていた。上野事務局長の名刺を見ると、「日本会議 沖縄県本部 事務局長上野竜太朗」とあり、住所は「那覇市若狭1-25-11 波上宮内」となっていた。この「波上宮」こそ、沖縄県の神社本庁包括神社の一つであり、神社本庁の地方機関「沖縄県神社庁」の所在地にもなっていた。
「日本会議沖縄県本部が連携しているのが右翼活動家です。沖縄県内で講演活動をしている我那覇真子氏ら我那覇ファミリーは、『沖縄は中国に乗っ取られかねない』などと危機感を煽り、ネット右翼に人気がありますが、こうした活動にも日本会議沖縄県本部と右翼活動家グループは関わっています。彼らの地道で精力的な活動の結果、一定程度の沖縄県民がネット右翼化、基地反対派への反発を生み出すのに成功している。その成果が実ったのが2月の名護市長選で、今回の沖縄県知事選でも日本会議メンバーの佐喜真知事誕生に向けて精力的に動いている。活動拠点の波上宮の地下一階の会議室で選対会議を開いているようなのです」(前出在沖日本会議メンバー)
遠山議員はじめ佐喜真応援団のヒドすぎる選挙戦が県知事選最終盤のもう一つの注目点になりそうだ。
(横田 一)
「リテラ転載」横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」47
2018.09.28
#ニッポン抑圧と腐敗の現場 #佐喜真淳 #日本会議 #横田 一 #沖縄知事選挙 #玉城デニー #遠山清彦
写真:小泉進次郎氏と街宣をする佐喜真候補(23日沖縄市役所前 撮影・横田一)
自民・公明と日本維新の会、希望の党推薦の前宜野湾市長・佐喜真淳候補と「オール沖縄」支援の前衆院議員・玉城デニー候補が激突する沖縄県知事選(9月30日投開票)で、自公推薦候補が勝利した6月の新潟県知事選と同じような「ルール違反(公職選挙法違反)をしてでも勝つ」という“日大アメフトタックル流選挙”が横行している。地元紙琉球新報も選挙戦終盤の26日、ツイッターフォロワー数3万4168人の遠山清彦衆院議員(公明党)らの公職選挙法違反疑惑について、「真偽不明情報が大量拡散 知事選巡りネットに」と銘打って1面で次のように報じた。
〈インターネット上で候補者が犯罪に関わったなどとする真偽不明の情報が大量に出回っている〉〈別のサイトでは、玉城氏や故翁長雄志知事をおとしめるような動画が何本も掲載されている。3万人以上のフォロワーがいる国会議員はこのうちの一本の動画を自らのツイッターに掲載し「当選を阻止する」と書き込んだ。これに対し、玉城氏は動画の自らに関する内容を自身のツイッターで否定した〉
琉球新報の紙面では名前は出していないが、本サイトでも既報の通り「3万人以上のフォロワーがいる国会議員」が公明党の遠山氏であることは一目瞭然。そして2面では、特定の候補を当選、あるいは落選させるためにウソの情報を流すことを罰する公職選挙法「虚偽事項公表罪」についても解説、遠山議員ら佐喜真支援者が選挙違反に抵触する可能性を浮き彫りにしていた。
遠山議員の公選法違反疑惑発言は他にもあった。県選挙管理委員会が「憲法で保障された投票の秘密の観点からすると、(期日前投票の)報告が強要されているとすれば好ましくない」(27日の琉球新聞)と問題視した「期日前投票実績調査票」が配布された告示翌日の建設業界の総決起大会に出席した遠山議員は約1200名の業者を前に「玉城候補の実績はゼロ」と断言、佐喜真支援を呼びかけた。
「(佐喜真氏と事実上の一騎打ち状態の)相手候補はどうか。『9年間、国会議員をやった』と言っていますが、彼がつくった法律は聞いたことがありません。彼がつくった政策は聞いたことがない。彼が沖縄に持ってきた予算、聞いたことがありません。実績ゼロであります。人柄が良くて歌が上手くても実績ゼロであります」(14日の建設業界総決起大会での発言)
しかし、本サイトの26日付「沖縄県知事選で自民・佐喜真応援団が組織的なデマ攻撃!」が、民主党政権で一括交付金を担当する総理補佐官を務めた立憲民主党・逢坂誠二衆議院議員の投稿を〈沖縄一括交付金は沖縄のみなさんから強い要望があった。副知事さんは何度も私のもとに。玉城デニーさんからも繰り返し要望を受けた。逆に自民、公明の皆さんは一括交付金に批判的だった〉と紹介した通り、県が要望していた使い勝手のいい「一括交付金」創設に玉城氏が貢献していたのは明白だ。遠山議員はネット上だけではなく、建設業界の総決起大会という現実世界でもウソを垂れ流して玉城氏に職務怠慢政治家の烙印を押す一方で、佐喜真支援を訴えていたのだ。ウソを垂れ流して特定候補を当選、あるいは落選させることを禁じる「虚偽事項公表罪」の典型的事例なのではないか。
佐喜真氏の極右団体・日本会議との関係をめぐっても、ウソ・隠蔽疑惑がある。佐喜真氏は、2012年の宜野湾市長選に立候補した時点ですでに沖縄県議としては唯一、「日本会議」のメンバーとして同会のHPでも紹介されており(しんぶん赤旗2012年1月21日付)、また自身も宜野湾市長時代の市議会答弁では日本会議のメンバーだったことを認めている。しかし、県知事選予定候補になると「日本会議のメンバーではない」(8月24日の事務所開きでの質疑応答)と一転否定し、極右政治家の過去を消し去ろうとしたのだ。
《沖縄で暗躍する日本会議やネトウヨ活動家たち》
沖縄在住の日本会議メンバーは日本会議沖縄県本部の会報を差し出しながら、こう話す。
「宜野湾市議から県議を経て市長となり、その実績を引っさげて県知事選に立候補した佐喜真淳候補は、市議会で答弁した通り、日本会議のメンバーで地方議員時代には日本会議の署名活動をしていたほどでした。当然、市長選では日本会議のメンバーが応援、今回の県知事選でも支援しています。5年ほど前から日本会議は沖縄に常駐職員を送り込み、那覇市内の神社本庁を拠点に活動を開始しました。この会報にある『上野』というのが、日本会議沖縄県本部の事務局長です。定期的にメンバーとその紹介者限定の勉強会を開き、一般向けには百田尚樹氏やケント・ギルバート氏の沖縄講演にも関わっています」
実際、「日本の息吹沖縄県版 沖縄の芽吹き」と題する9月号の会報には、9月16日の南部支部の定例会の予定が記載され、テーマは「在沖米軍基地と沖縄経済 基地は成長の阻害要因?」となっていた。上野事務局長の名刺を見ると、「日本会議 沖縄県本部 事務局長上野竜太朗」とあり、住所は「那覇市若狭1-25-11 波上宮内」となっていた。この「波上宮」こそ、沖縄県の神社本庁包括神社の一つであり、神社本庁の地方機関「沖縄県神社庁」の所在地にもなっていた。
「日本会議沖縄県本部が連携しているのが右翼活動家です。沖縄県内で講演活動をしている我那覇真子氏ら我那覇ファミリーは、『沖縄は中国に乗っ取られかねない』などと危機感を煽り、ネット右翼に人気がありますが、こうした活動にも日本会議沖縄県本部と右翼活動家グループは関わっています。彼らの地道で精力的な活動の結果、一定程度の沖縄県民がネット右翼化、基地反対派への反発を生み出すのに成功している。その成果が実ったのが2月の名護市長選で、今回の沖縄県知事選でも日本会議メンバーの佐喜真知事誕生に向けて精力的に動いている。活動拠点の波上宮の地下一階の会議室で選対会議を開いているようなのです」(前出在沖日本会議メンバー)
遠山議員はじめ佐喜真応援団のヒドすぎる選挙戦が県知事選最終盤のもう一つの注目点になりそうだ。
(横田 一)