カンボジア経済

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カンボジアコメ協会がEUのセーフガード措置撤廃を要求

2019年08月30日 | 経済
 8月22日、カンボジアコメ協会(Cambodia Rice Federation: CRF)は、声明を発表し、EUのセーフガード措置撤廃を要求しました。本年1月16日、現在無税となっているカンボジアとミャンマーからEU向けのコメの輸出について、EUがセーフガード条項を発動して関税を賦課することを決定したと発表しました。EUは、カンボジアを含む後発途上国(LDC)に対して、関税を免除する特恵関税制度「EBA」を適用しています。カンボジアは、この制度を活用して、EU向けに縫製品やコメを無税で輸出してきました。これに対し、イタリア・スペイン等のコメ生産者が、自国のコメ生産に影響を及ぼすとして、以前から不満を表明していました。セーフガード条項の発動により、1年目175ユーロ/トン(約2万2000円)、2年目150ユーロ/トン、3年目125ユーロ/トンの関税が1月18日以降賦課されています。
 この結果、2019年上半期のEU向けのコメ輸出は、前年同期の約13万トンから、9万3503トンへと約3割減少しました。このため、カンボジアコメ協会では様々な働きかけをEUに対し行ってきましたが、EU側は全く対応に応じていないとのことです。更に、EUは、昨年の選挙に関連して、特恵関税制度EBAのカンボジアへの適用について見直しを行っています。このため、コメ協会では、今回の声明でセーフガード措置により貧困な農民が被害を受けていることを訴え、更に、近々EUとの協議を行いたいとしています。
 この状況下ですが、2019年上半期のカンボジアからのコメの輸出は全体では、対前年同期比3.7%増の28万1538トンとなっています。全体の42.1%を占める中国向けが11万8401トンと好調だったことや、マレーシア等、輸出先国の多様化を進めた結果と見られます。



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