幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「海の石」(詩集) 大越桂作  "生きている、伝えられることが素晴らしい”

2015-01-06 02:07:32 | 笑顔
大越桂さん
1989年819gの未熟児で生まれ、重度脳性麻痺、未熟児網膜症による弱視、13歳で気管切開により失声し、筆談で「言葉のコミュニケーション」を始めました。双子の姉の葵さんは生まれた時に亡くなりました。

「海の石」(詩集)より 

“こえ”
 かなしいきもちは
 いえないこと
 うたえないのがかなしい
 はなせないのがかなしい
 よんでもつうじないのがかなしい
 いっしょにわらえないのがかなしい
 ほんをよめないのがかなしい
 よんであげたかったのおとうとに
 
 いまでもかなしい
 もうこえがでないのはとってもかなしいよ
 かなしいきもちはがまんしているの

“悲しいときは笑ってた”
 悲しいときは笑ってた
 笑い飛ばそうとしていた
 でもつらいのはなくならないものだ
 
 つらくて全部やめたいときがある
 でもやめられない
 つらくてつらくてつらくて
 胸が壊れそうになるんだよ
 どうしようもないんだけど
 つぶされそうになる
 笑い飛ばす元気もない

 肺炎のとき怖くて孤独だった
 生きていたい
 生きていたいよ
 もっと紀子(母)と一緒にいたい
 疲れたの
 紀子といるのがいい
 いてくれればいい

“やさしさ”
 わたしは歩けない
 わたしは話せない
 わたしは食べられない
 わたしは一人で外に行けない
 わたしはできないことばっかりだ
 なんでもできる友達がうらやましい
 いつでも好きなところに行ける友達がねたましい
 好きなものをたくさん食べられる友達が本当にうらやましい

 自分で何一つできない
 わたしも生きている

 みんなの手で生かされている
 その一つ一つの手がわたしの命を生かしている
 わたしは病気のおかげで
 みんなの手のつながりの
 まんなかにいることができる
 病気のおかげでみんなと友達になれる
 みんなの心のやさしさがわかる
 友達の大切さがわかる

 わたしのできることで
 みんなにもやさしくしたい
 みんなといっしょにいられるのは
 なによりうれしいから

花の冠」大越桂作 も同時に出版されました。
花の冠