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永守重信氏が「ドケチ戦争」を稲盛和夫氏に挑み、見事敗れた強烈エピソード ”お金を節約して顧客満足を高める”

2022-11-27 08:52:25 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/articles/8364ddb6885b4d24903982cbd2dc45f14b220194 11/27(日) 6:02 ダイヤモンド・オンライン
 「経営の神様」と評された稲盛和夫氏は、倹約家として知られる。その稲盛氏に対して、同じく倹約家として名高い日本電産の永守重信氏が「ドケチ戦争」を挑み、見事に敗れたという強烈なエピソードがある。その内容をご紹介しつつ、企業経営や家計にとって重要な「お金の使い道」について考えてみたい。(イトモス研究所所長 小倉健一)

● 永守重信氏vs稲盛和夫氏 倹約家同士による「ドケチ戦争」

 戦後を代表する経営者、稲盛和夫氏。稲盛氏の経営哲学を世界中の経営者が学んだ。

 「稲盛氏に学んだ」と広く公言している経営者の代表格はソフトバンクグループの創業者である孫正義氏、アリババグループの創業者であるジャック・マー氏などだ。その会社が影響を受けていることを意識しているか、意識していないかの問題はあるとしても、稲盛式の経営方法に影響を受けていない会社など、日本にないのではないだろうか。

 稲盛氏の発言をつぶさに観察していると、当たり前のことばかりを話していることに気付く。

 しかし、経営者に取材すると「当たり前のことだが、自分たちにできていないことばかり」を話しているという証言をたくさん得た。そこで今回は、稲盛氏の著書の中でも「会計」「お金の使い道」について詳しく述べられている『稲盛和夫の実学 経営と会計』という本を基に、家計改善のすべを考えてみたい。

 そして、倹約家として知られる日本電産の創業者である永守重信氏が、同じく倹約家である稲盛氏に「ドケチ戦争」を挑み、見事に敗れたというエピソードもご紹介したい。稲盛氏、永守氏の考えから、企業経営にも家計にも大事な「お金の使い道」を探ってみよう。

● 企業経営も家計も 虚栄心による無駄遣いはNG

 前述の稲盛氏の著書『稲盛和夫の実学 経営と会計』は、「会計がわからんで経営ができるか!」という稲盛氏の執筆に込めた思いが書かれた帯が巻かれている。加えて、内容紹介として「儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす」と記されてある。

 特に、家計改善のために興味深いと思われるのは、第3章の「筋肉質の経営に徹する」という章だ。

 章の冒頭には、「誰でも、人間は少しでも自分をよく見せたいという気持ちがある。もし、このような虚栄心が強い経営者であれば、その企業は見せかけだけ飾られた、贅肉だらけのものになるだろう」「経営者が自分や企業を実力以上に良く見せようという誘惑に打ち勝つ強い意志を持たなければならない」という強い戒めの言葉が述べられている。

 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和3年調査結果」によると、年収1000万~1200万円未満の世帯で金融資産保有額がゼロの割合は10.8%ある。100万円未満も含めると14.8%にもなる。

 高級外車に乗ってタワーマンションで生活、子どもは私立幼稚園に通わせるなどという生活は、年収1000万円程度では絶対持続できないはずである。稲盛氏の警鐘は、このような赤字家計にも通じるものであろう。

● 稲盛氏の“筋肉質経営”の教え 「中古品で我慢せよ」

 稲盛氏は、そんな誘惑に打ち勝ち「筋肉質」になるための方策として、第一に「中古品で我慢せよ」と説く。京セラを経営していた頃は、事務所の机や椅子は新しいものを買うのではなく、中古店で山ほど売っている安いスチール家具で済ませていたのだという。

 また最新鋭の工場や機械を発見したときには、そのスピードや性能に驚きながらも、頭の中でそろばんをはじく。そして、「生産性それ自体は必ず向上するであろうし、最先端の技術を使っているという満足は得られるかもしれない」が、「それがそのまま経営効率の向上につながるとは限らない」と考える。このような「見えの投資」を続けることが、経営体質を弱めることを危惧するのである。

家計であっても、同じだろう。iPhoneの新型、米テスラの電気自動車などにすぐ飛びつくタイプの人間がいるが、稲盛氏が家計を守っていたなら、すぐさまカミナリが落ちていたことだろう。

 さらに稲盛氏は、「実際に、経営を行う際には、社員に固定費の増加を警戒することの意義が十分理解されていないと、それが社員の事業拡大や生産性の向上への意欲を低下させてしまいかねない」と指摘する。この指摘は、iPhoneの新型やテスラ車を買ってはダメだと伝えたときに、キレ出すような人が家庭にいることとも合致しているようで面白い。

 続けて、稲盛氏は「筋肉質の経営体質を実現することは、会社をより強くし、さらなる事業拡大へチャレンジするために必要な努力であることを全社員によく理解してもらわないといけない」としている。家庭にあっては、家族でよく話し合い、新型iPhone、テスラ車などを買わずに貯蓄に励むこと、それが未来の家族のためになるのだということを共有しなくてはならないということだろう。

 よくよく考えれば、型落ちのスマホ、格安の通信会社で何一つ困らないし、クルマも中古の軽自動車、型落ちの国産車で事足りるということだ。あとは見えの問題をどうするかだが、家族の将来とてんびんにかけて、それでも見えを取るということにはならないのではないか。

● 日本電産の永守氏が稲盛氏に挑んだ 「ドケチ戦争」衝撃の結果とは

 余計なものを買わない、固定費を増やさない――。そんなエピソードとして、「絶えず京セラのような会社にしたい、稲盛さんのような経営者になりたいと頑張ってきた」という日本電産の創業者である永守重信氏が明かした話がある。

 稲盛氏は倹約家として知られているが、永守氏も同様に倹約家である。稲盛氏が創業した京セラはセラミックのメーカーであり、永守氏の日本電産はモーターのメーカーである。メーカーのコスト削減努力は、トヨタ生産方式に代表されるように「乾いた雑巾をさらに搾る」と形容されるように苛烈を極めている。

 永守氏も徹底したコストカットを進めてきたことを前提に、下記の日本経済新聞(22年8月30日)の記事を読んでみてほしい。

 「2003年に日本電産が現在の本社を建てた際には、高さが95メートルだった京セラ本社を意識した。『笑われたが100メートルのビルを建てた。いつか京セラを追い越すんだという気持ちがあった』と話した」

 「同ビルの竣工式に訪れた稲盛氏は、永守氏が竣工祝いでもらった植木をみてこう言った。『誰が毎日この植木に水をやるのか。枯れたときは誰が捨てるのか。生木を置いていたら京セラには勝てないぞ』。永守氏はコストについての考え方を学んだという」

 モーター生産において世界的大企業である永守氏が建てたオフィスは、簡素でまったくお金がかかっていない質実剛健なものだった。それを稲盛氏に自慢したくて招いたものの、言われたのが上記の言葉だったのだ。

永守氏はかつて、ビジネス誌「プレジデント」(13年11月4日号)で次のように明かしている。

 「一つの事業が上向きになり、儲けを出し始めたらそれだけで慢心してしまい、立派な家を建て、高級外車を乗り回す人がいる。ピークアウトを警戒せず、したがって新しい事業展開を怠り、余裕資金を贅沢のために使ってしまう。これは失敗する経営者のパターンである。だから私は贅沢をしない」


 「家内も同じ考えで、家政婦を頼むでもなく一人で家庭を切り盛りしている」

 このように世界的にも有名なドケチである永守氏が、稲盛氏にドケチ戦争を挑み、見事に敗れたエピソードということであろう。

 この2人に対して、「本物」の観葉植物には、空気清浄効果やストレス緩和効果があるなどと説いても野暮というものだ。もはや意地の張り合いにしか見えない部分であり、このようなやりとりを通して、2人は気脈を通じ合っていたのではないのだろうか。

 永守氏が、稲盛氏を「経営者人生の師だった。もっと長生きして、もっと厳しく指導してほしかった」とコメントするのも、ドがつくケチだった師匠を失った悲しみもあったのであろう。
小倉健一

感想
「心。人生を意のままにする力」稲盛和夫著 ”実体験から生まれた生きる上での大切なこと”

「ど真剣に生きる」稲盛和夫著 ”上司の一言『君の能力ではもう限界だ。手を引いてくれ』から生まれた京セラ”

日本電産の創業者兼会長の永守重信氏
「病は気からと言うが、企業もおかしくなるのは社員の心や経営者の心情からだ。まず心を治さないと会社はよくならない。企業再建で感じるのは社員の心が病んでいることだ。社員の心が病むのは経営者に問題があるからだ。経営者に問題があると、社員の士気はどんどん落ち、品質やサービスの質が低下する。経営者への不満と不安の繰り返しで業績はさらに落ちて行く」

お二人から学ぶことは大きいです。

赤木雅子さん 控訴にためらいなし 判決前日の憂鬱気分を振り払った一本の電話 ”もっと国民が関心を持つこと”

2022-11-27 02:04:44 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1478cc4c8590765c948816224c7a7ca8a469c51 11/26(土) 11:32 日刊ゲンダイDIGITAL

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】

 赤木雅子さんは憂鬱だった。財務省の公文書改ざんで死に追い込まれた近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻。真実を知るため、国と、改ざんを決定づけた当時の財務省理財局長、佐川宣寿氏を相手に裁判を起こした。国は相手の請求を丸呑みする“認諾”という手段で裁判から逃げたが、佐川氏との裁判が続いていた。その一審判決が迫り、報道各社から次々に取材要請が舞い込んできた。聞くことは誰しも同じだ。

次期NHK会長に「前川喜平元文科事務次官」を推す動きが広がる 市民団体が呼びかけ

「判決に何を求めますか?」

「どんなことを期待しますか?」

 それに一つ一つ丁寧に答えてきたのだが、雅子さんはどこかで醒めていた。

「だってもう結論は見えてるじゃないの……」

 結論=すなわち、判決で訴えが認められることはないし、一番の願いだった真相解明がかなうこともない。それは半年前からわかっている。雅子さんが裁判で求めていた、佐川氏をはじめ財務官僚らの法廷での証言。新たな真実に迫るチャンスだったが、5月の弁論で裁判長から退けられてしまったから。その瞬間、雅子さんの敗訴は決まったようなものだ。

 しかし、それを言っては身もふたもない。立場上「いい判決を期待しています」と答えざるを得ない。でも実際は何の期待も持てないまま判決の日が近づいてくる。だいたいマスコミの記者は普段あまり関心を示さないのに、大きな節目が近づいてくると騒ぎがちだ。雅子さんの気分は沈んでいった。

 それを振り払ってくれたのが、判決前日の一本の電話だった。TBS「報道特集」の金平茂紀さん。裁判の途中もずっと雅子さんのことを気にかけて、折に触れ番組で取り上げてくれた。判決直前のマスコミの大騒ぎを雅子さんが愚痴ると、金平さんは笑い飛ばした。

「それでいいんだよ。裁判が終わったら、その先は誰も関心を持たなくなるよ。だからこの際、マスコミに大騒ぎして大きく取り上げてもらって、世間の関心をひきつけた方がいいんだ。次につながるからね」

 なるほど、それもそうだ。雅子さんはスッキリした。


 そして迎えた11月25日、判決当日の朝。雅子さんはビシッとスーツ姿で身を引き締めた。首には夫が使っていたマフラー。巻いていると夫が一緒にいてくれる気がする。

「佐川さんは法律に守られ、夫は守ってもらえなかった」

 判決は予想通り「請求を棄却する」。雅子さんの訴えはすべて退けられた。国家公務員が職務上行った行為は国が賠償責任を負い、公務員個人に賠償を求められないという、最高裁判例通りの判断だ。

 だがそれは想定の範囲内。判決をじっと聞いていた雅子さんは最後に裁判長に一礼し「ありがとうございました」と述べた。もちろん負けたのは悔しい。でも、この裁判長と会うのはこれが最後だから、という気持ちであいさつした。

 判決で雅子さんが最も感じたこと。それは「佐川さんは法律に守られているけど、夫は守ってもらえなかった」ということ。これじゃあ同じことが繰り返されてしまう。それを防ぐためにも真実を知ることが大切なのに。だから控訴にためらいはなかった。実は前日まで迷いに迷っていたが、もう吹っ切れた。

 それより引っかかったのは、法廷の被告席に誰もいなかったこと。佐川氏本人だけでなく代理人の弁護士もいない。これには満席の傍聴席から「おかしいんじゃないの」と声が上がった。

 法廷に駆けつけていた金平さんは、判決後のインタビューでその点を尋ねた。すると雅子さんは……、

「判決を聞く価値がないと思ってるみたいですよね。残念だし、きちんと聞いてほしかったと思います」

 そもそも佐川氏がきちんと真相を説明して謝罪してくれたら、雅子さんが裁判を起こすこともなかったし、控訴する必要もない。でも佐川氏はついに一度も法廷に来なかった。

 雅子さんは9月に佐川氏らを新たに虚偽公文書作成罪で東京地検特捜部に告発状を提出している。

「佐川さんは刑事罰を受けるべきだと夫は手記に書き遺しました。検察には告発を受理して取り調べを進めてほしいと思います」

 最後に金平さん。

「帰ってから俊夫さんにどう報告しますか?」

 雅子さんは首に巻いた俊夫さんのマフラーをなでながら、にっこり答えた。

「夫はずっと隣にいた気がしますから、もうわかっていると思いますよ」

 控訴により法廷での闘いはさらに続くことになる。これからどうなるのか? 金平さんは語った。

「外形的状況が変わらないと、同じ結論にしかならないよ」

 世の中の状況に大きな変化が起きるだろうか?

「意外と変わることがあるんだよね」

■26日、初のテレビ生出演へ
 金平さんの取材成果は26日午後5時半からTBS「報道特集」で放送される。この番組で赤木雅子さんは、顔は出さない形で生出演する。雅子さんがテレビでスタジオ生出演するのは、これが初めてだ。
(相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)

感想
赤木さんの奥さんは頑張って闘っています。
支援は一人でも多くの人が関心を持つことでしょう。

一言で気持ちが変わることがあるのですね。

それにしても、赤木さん、とても苦しかったと思いますが、闘って欲しかったです。
自殺は、佐川氏、安倍元首相を喜ばせただけでした。
上から不正な指示があったら、不正な改竄をやるか、証拠を握って闘うかの二者択一で、自殺の選択肢はないということを私たちは学びとしなければと思います。
そして、佐川氏から示唆させたこと、改ざんの経緯を伝えると言えば、国に守ってもらえたかもしれません。
それに何と言っても「公務員は不正なことをしても個人的には罰せられない」からです。
生きているといくらでも道はあったのですが。