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「札幌招致はおやめなさい」専門家2人が忠告 将来ビジョンなしの五輪は「夢も希望も何も与えない」 ”利権の宝庫”

2023-01-10 01:57:00 | 社会
https://news.line.me/detail/oa-aera/6to6bim4jwj3?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none 2023年1月9日 19:00 AERA
2030年札幌冬季五輪招致の機運を盛り上げる活動が当面休止される。21年夏の東京五輪で談合事件も発覚したためで、専門家2人が意見を交わした。AERA 2023年1月2-9日合併号の記事を紹介する。

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 2021年夏の東京五輪・パラリンピックは贈収賄事件に続き、談合疑惑が表面化した。テスト大会の計画立案業務の入札において大会組織委員会と広告会社トップの電通が主導して事前に発注企業を決め、受注企業は本大会もそのまま随意契約で業務を請け負っていたとされる。東京地検と公正取引委員会が独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで調べている。

 巨額の公費が投じられた五輪の費用が不当につり上げられていた可能性もある。その中で進む30年札幌冬季五輪招致。五輪と広告会社の関係に詳しい著述家の本間龍さんと、元五輪選手でスポーツ経済学者の杉本龍勇さんが話し合った。

本間:一連の事件を見ていると、この巨大イベントは専任代理店として独占的に関わる電通や一部の人間にとって「体のいい金儲(もう)けの場」であり、贈収賄や談合が宿命的に「発生しないわけがない」存在なのだと思います。

■複数社にして相互監視

 五輪だけでなく世界陸上や世界水泳、野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に至るまで、スポーツイベントは電通に頼らざるをえないという足かせをどうするか。電通は東京五輪で組織委の中に100人以上の社員を送り込んでいます。今回の談合疑惑でも、受注側の電通の社員が組織委にいれば、見積もりなど内部情報が筒抜けになるのは当たり前。むしろそうじゃなかったらおかしい。もし一連の贈収賄や談合を解決したかったら電通をいったん外し、専任ではなく複数社にして相互監視が利くようにするしかないはずですが、そう言える人がスポーツ界にいるか。スポーツ庁の室伏広治長官にしてもJOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長にしても、解体的に出直そうというスポーツ界としてのやる気は見えません。



杉本:広告に関してはネットに力がある時代へと変わりつつあり、広告売り上げトップのグーグルを始め、アップルなど「ビッグテック」が中心です。そんな中、テレビ広告で力を持つ会社に依存していること自体、ビジネスモデルとして遅れている。

 コロナ禍でオンライン化も進み、例えば選手個人のマネジメントも代理人や代理店なしでやれるし、五輪の協賛企業とも組織委がダイレクトにやれる時代なはず。つまりスポーツ組織もスポンサーが欲しければ、あるいは放映権を売りたければ、企業と対等にやれるんです。そんな時代なのに、新しいビジネススタイルを取れない。そこで電通にやはり依存してしまうということだと思います。

 逆に言えば、コロナ禍でビジネス環境が変わり、広告会社は相当焦っていると思います。今回の談合疑惑では受注企業に複数の広告会社の名前がありますが、「皆しんどいから電通の仕切りで生き延びようぜ」というところかもしれません。

■責任はすべての人に
本間:五輪は巨大なモラルハザードを起こすんです。談合をやったって中抜きしたって贈収賄やったっていいじゃないか、だって国がお墨付きを与えているイベントなんだから──とモラルが吹き飛んでいる。

 今回の談合疑惑でも、普段は死ぬか生きるかの戦いをしている電通と博報堂が「協力」するなんて考えられないことです。しかも博報堂が落札した大井ホッケー競技場での業務など、ほんの小さな仕事。それでも「やれば金になるし、みんなでやるならいいじゃないか」と、五輪モラルハザードでタガが緩んだのでしょう。

杉本:電通や他の広告会社だけに責任があるのではなく、関わったすべての人に責任があると思います。入札で発注業務を担当した組織委の大会運営局には東京都からも出向していますし、都がある程度、監査的な役割を果たしてもよかった。

本間:小池百合子都知事は「自分は関係ない」みたいな顔をしていますけどね。組織委の副会長には副知事がおさまっていたし、組織委の半分以上は都の職員。彼らが談合の話に全然気づかなかったなんてはずがない。

■100年後を見据える

杉本:東京五輪に関して都に欠けていたのは「将来的なビジョン」だったと考えています。開催関連費用も含めて最終的に3兆6800億円に膨れあがったことが批判されましたが、「大会のためだけに」3兆円を投資したから問題なのであって、その投資がこれからの東京都、あるいは日本の社会や経済に何かを生み出す資本の投下だと考えていたならば、批判にはあたらなかったでしょう。たかだか17日間の開催のためだけに施設を作り、あるいは広告を集めるというふうにやってしまったこと自体が、東京五輪の限界だったんです。

 24年の夏季五輪が開催されるパリは違います。五輪のためだけに街を改造するのではなく、100年後を見据えて都市構造を変えていく。そのうちの一つとして五輪を招致し、新しいパリを見せますよと。

 一方で、東京はこのような将来的な視点がないまま五輪をやってしまった。都の大きな責任だと思います。そしてこれはいま招致をめざしている札幌市の姿勢にもつながってくる話です。

本間:五輪を活用するという視点ですよね。「儲ける」と「活用する」が両輪で動けばまだよかったけれど、東京五輪では「儲けるためのお祭り」というだけで突っ走った。ただ、たとえすばらしい都市計画と五輪が連動していたとしても、それを可能にするお金は誰が負担するのかとやはり考えてしまいます。札幌市では22年、お金がなくて除雪ができない状況について、秋元克広市長の名前から「秋元の壁」と揶揄(やゆ)する言葉がSNSで話題になりました。そんなレベルの財政基盤で、五輪を活用する都市改造ができるのかというと難しいでしょう。借金ばかりが膨らんで危険だから招致はおやめなさい、としか私は言えないです。

法政大学経済学部教授 杉本龍勇さん(52)/専門はスポーツ経済学、スポーツ経営学。1992年バルセロナ五輪に陸上で出場。スポーツ指導者として吉田麻也、堂安律らを担当した経験も

■問われる将来ビジョン

杉本:札幌市は招致の目的として「観光客を増やして地域の活性化を」という趣旨のことも言ってますが、当たり前すぎるビジネスモデルで経済効果のことしか頭にない時点で、将来へのビジョンは欠けていると言わざるを得ません。

 例えばこの先、気候変動の影響で日本の農業の集積地がすべて北海道に移る可能性のあることが、もう10年以上前から指摘されています。そうなったとき機能するために、札幌市は五輪を開催することで何ができるのか。「招致して道路や通信網、住環境をこう変えます」など、札幌、北海道、あるいは日本全体が今後どう変化していくかを踏まえたうえで、札幌はこんな役割を果たせる、だからこれだけのお金が招致と開催に必要なんです、といった話ができて初めて、「やってみてもいいかな」ということだと思うんです。

 1回のお祭りのためだけではなく、「10年後20年後の具体的に実践できる将来ビジョンの中に、札幌五輪というものが含まれている」という招致活動をしない限りは、世論が賛成するしない以前の現実的な話として「夢も希望も何も与えない五輪」になってしまうでしょう。だったら、札幌五輪はやめたほうがいいと思います。

著述家 本間龍さん(60)/元博報堂社員。広告が政治や社会に与える影響やメディアとの癒着、原発問題などを追及。著書に『東京五輪の大罪』な
(構成/編集部・小長光哲郎)

感想
東京オリンピックはコロナもあり、大赤字でした。
また費用も計画を大幅に上回りました。
国立競技場の運営赤字もこれからずーっと税金でカバーします。

利益を得たのは電通などの一部の企業と関係した政治家です。

これが企業だったら倒産の危機です。
結局今の政治はいかに税金を中抜けするかなのでしょう。
それを支持した国民に税金の負担増として帰ってきているのですが。