https://news.yahoo.co.jp/articles/f3e655937b3d1d62e56e3ff94f0d39984db6426b 1/24(火) 10:05 読売新聞オンライン
【ジュネーブ=森井雄一】世界保健機関(WHO)は23日、市販の子供用せき止めシロップに混入した有毒物質により、インドネシアなど3か国でこれまでに300人以上が死亡したと発表した。インドとインドネシアの製薬会社計6社が製造したシロップから有害物質が見つかっており、WHOは昨年10月以降、当該の製品を速やかに除去するよう警告していた。
WHOによると、シロップから工業用の溶剤や不凍液として使われる「ジエチレングリコール」などが高濃度で見つかった。少なくとも東南・中央アジアやアフリカの7か国で混入が判明し、このうちインドネシアやガンビア、ウズベキスタンの3か国でシロップを摂取した300人以上の死亡が確認された。
品質基準などを満たしていない規格外製品が原因とみられる。WHOは各国当局に対し、市場や供給網の監視強化を求めている。
感想;
本来はグリセリンだったのでしょう。
原料でエチレングリコールにグリセリンと表記し、それに気づかず使ったものと思われません。
パナマにおける謎の疾病 原因はジエチレングリコール 2006年11月28日
https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/deglc.html
この問題は中南米でもあり、多くの子どもが過去に亡くなりました。
下記にJP(日本薬局方)のグリセリンの項目をあげています。
グリセリン中のエチレングリコール量の確認が入っています。
JPできちんと受入れ試験をしていれば、全梱包の確認をしてれば日本では発見されます。
1)インドネシアなど3か国の局方試験がエチレングリコール量測定を行っているか。
2)受入れ試験を省略したか
3)前回は原薬メーカーは中国で、意図的に行っていました。
今回はどこだったのでしょう。
過去に問題があり、その対応をしていれば発見でき防ぐことができました。
同じ問題を防げなかったのは、WHOの怠慢と言えるかもしれません。
何度も繰り返しているのですから。
グリセリンのJP試験法;
グリセリン Glycerin C3H8O3:92.09
本品は定量するとき,グリセリン(C3H8O3) 84.0 ~ 87.0%を含む.
性状 本品は無色澄明の粘性の液である.
本品は水又はエタノール(99.5)と混和する.
本品は吸湿性である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の液膜法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める.
屈折率〈2.45〉 n20
D :1.449 ~ 1.454
比重〈2.56〉 d20
20:1.221 ~ 1.230
純度試験
(1) 色 本品50 mLをネスラー管にとり,上方から観察するとき,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:塩化鉄(Ⅲ)の色の比較原液0.40 mLをネスラー管にとり,水を加えて50 mLとする.
(2) 液性 本品2 mLに水8 mLを混和するとき,液は中性である.
(3) 塩化物〈1.03〉 本品10.0 gをとり,試験を行う.比較液には0.01 mol/L塩酸0.30 mLを加える(0.001%以下).
(4) 硫酸塩〈1.14〉 本品10.0 gをとり,試験を行う.比較液には0.005 mol/L硫酸0.40 mLを加える(0.002%以下).
(5) アンモニウム 本品5 mLに水酸化ナトリウム溶液(1
→10) 5 mLを加えて煮沸するとき,発生するガスは潤した赤色リトマス紙を青変しない.
(6) 重金属〈1.07〉 本品5.0 gをとり,第1法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.5 mLを加える(5 ppm以下).
(7) カルシウム (2)の液5 mLにシュウ酸アンモニウム試液3滴を加えるとき,液は変化しない.
(8) ヒ素〈1.11〉 本品1.0 gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2 ppm以下).
(9) アクロレイン,ブドウ糖又はその他の還元性物質 本品1.0 gにアンモニア試液1 mLを混和し,60℃の水浴中で5分間加温するとき,液は黄色を呈しない.また,水浴中から
取り出し,直ちに硝酸銀試液3滴を加えて5分間暗所に放置するとき,液は変色又は混濁しない.
(10) 脂肪酸又は脂肪酸エステル 本品50 gに新たに煮沸して冷却した水50 mL及び正確に0.1 mol/L水酸化ナトリウム液10 mLを加えて15分間煮沸し,冷後,過量の水酸化ナトリウムを0.1 mol/L塩酸で滴定〈2.50〉するとき,0.1 mol/L水酸化ナトリウム液の消費量は3.0 mL以下である(指示薬:フェノールフタレイン試液3滴).同様の方法で空試験を行う.
(11) エチレングリコール,ジエチレングリコール及び類縁物質 本品約5.88 gを精密に量り,メタノールに混和し,正確に100 mLとし,試料溶液とする.別にエチレングリコール及びジエチレングリコール約0.1 gずつを精密に量り,メタノールに混和し,正確に100 mLとする.この液5 mLを正確に量り,100 mLのメスフラスコに入れる.別にガスクロマトグラフィー用グリセリン5.0 gを量り,メタノールに混和し,100 mLのメスフラスコに合わせる.メタノールを加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 μLずつを正確にとり,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,それぞれの液のエチレングリコールのピーク面積AT1及びAS1及びジエチレングリコールのピーク面積AT2及びAS2を測定する.次式によりエチレングリコール及びジエチレングリコールの量を求めるとき,0.1%以下である.また,試料溶液の各々のピーク面積を面積百分率法により求めるとき,グリセリン,エチレングリコール及びジエチレングリコール以外のピークの量は0.1%以下であり,グリセリン以外のピークの合計量は1.0%以下で
ある.
エチレングリコールの量(%)
=MS1/MT × AT1/AS1 × 5
ジエチレングリコールの量(%)
=MS2/MT × AT2/AS2 × 5
MS1:エチレングリコールの秤取量(g)
MS2:ジエチレングリコールの秤取量(g)
MT:本品の秤取量(g)
試験条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径0.32 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用14%シアノプロピルフェニル-86%ジメチルシリコーンポリマーを厚さ1 μmで被覆する.
カラム温度:100℃付近の一定温度で注入し,毎分7.5℃で220℃まで昇温し,220℃付近の一定温度で保持する.
注入口温度:220℃付近の一定温度
検出器温度:250℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:約38 cm/秒
スプリット比:1:20
面積測定範囲:溶媒のピークの後からグリセリンの保持時間の約3倍の範囲
システムの適合性
システムの性能:エチレングリコール,ジエチレングリコール及びガスクロマトグラフィー用グリセリン50 mgずつをメタノール100 mLに混和する.この液1μLにつき,上記の条件で操作するとき,エチレングリコール,ジエチレングリコール,グリセリンの順に
溶出し,エチレングリコールとジエチレングリコールの分離度は40以上であり,ジエチレングリコールとグリセリンの分離度は10以上である.
システムの再現性:標準溶液1 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エチレングリコール及びジエチレングリコールのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ10%以下である
【ジュネーブ=森井雄一】世界保健機関(WHO)は23日、市販の子供用せき止めシロップに混入した有毒物質により、インドネシアなど3か国でこれまでに300人以上が死亡したと発表した。インドとインドネシアの製薬会社計6社が製造したシロップから有害物質が見つかっており、WHOは昨年10月以降、当該の製品を速やかに除去するよう警告していた。
WHOによると、シロップから工業用の溶剤や不凍液として使われる「ジエチレングリコール」などが高濃度で見つかった。少なくとも東南・中央アジアやアフリカの7か国で混入が判明し、このうちインドネシアやガンビア、ウズベキスタンの3か国でシロップを摂取した300人以上の死亡が確認された。
品質基準などを満たしていない規格外製品が原因とみられる。WHOは各国当局に対し、市場や供給網の監視強化を求めている。
感想;
本来はグリセリンだったのでしょう。
原料でエチレングリコールにグリセリンと表記し、それに気づかず使ったものと思われません。
パナマにおける謎の疾病 原因はジエチレングリコール 2006年11月28日
https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/deglc.html
この問題は中南米でもあり、多くの子どもが過去に亡くなりました。
下記にJP(日本薬局方)のグリセリンの項目をあげています。
グリセリン中のエチレングリコール量の確認が入っています。
JPできちんと受入れ試験をしていれば、全梱包の確認をしてれば日本では発見されます。
1)インドネシアなど3か国の局方試験がエチレングリコール量測定を行っているか。
2)受入れ試験を省略したか
3)前回は原薬メーカーは中国で、意図的に行っていました。
今回はどこだったのでしょう。
過去に問題があり、その対応をしていれば発見でき防ぐことができました。
同じ問題を防げなかったのは、WHOの怠慢と言えるかもしれません。
何度も繰り返しているのですから。
グリセリンのJP試験法;
グリセリン Glycerin C3H8O3:92.09
本品は定量するとき,グリセリン(C3H8O3) 84.0 ~ 87.0%を含む.
性状 本品は無色澄明の粘性の液である.
本品は水又はエタノール(99.5)と混和する.
本品は吸湿性である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の液膜法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める.
屈折率〈2.45〉 n20
D :1.449 ~ 1.454
比重〈2.56〉 d20
20:1.221 ~ 1.230
純度試験
(1) 色 本品50 mLをネスラー管にとり,上方から観察するとき,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:塩化鉄(Ⅲ)の色の比較原液0.40 mLをネスラー管にとり,水を加えて50 mLとする.
(2) 液性 本品2 mLに水8 mLを混和するとき,液は中性である.
(3) 塩化物〈1.03〉 本品10.0 gをとり,試験を行う.比較液には0.01 mol/L塩酸0.30 mLを加える(0.001%以下).
(4) 硫酸塩〈1.14〉 本品10.0 gをとり,試験を行う.比較液には0.005 mol/L硫酸0.40 mLを加える(0.002%以下).
(5) アンモニウム 本品5 mLに水酸化ナトリウム溶液(1
→10) 5 mLを加えて煮沸するとき,発生するガスは潤した赤色リトマス紙を青変しない.
(6) 重金属〈1.07〉 本品5.0 gをとり,第1法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.5 mLを加える(5 ppm以下).
(7) カルシウム (2)の液5 mLにシュウ酸アンモニウム試液3滴を加えるとき,液は変化しない.
(8) ヒ素〈1.11〉 本品1.0 gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2 ppm以下).
(9) アクロレイン,ブドウ糖又はその他の還元性物質 本品1.0 gにアンモニア試液1 mLを混和し,60℃の水浴中で5分間加温するとき,液は黄色を呈しない.また,水浴中から
取り出し,直ちに硝酸銀試液3滴を加えて5分間暗所に放置するとき,液は変色又は混濁しない.
(10) 脂肪酸又は脂肪酸エステル 本品50 gに新たに煮沸して冷却した水50 mL及び正確に0.1 mol/L水酸化ナトリウム液10 mLを加えて15分間煮沸し,冷後,過量の水酸化ナトリウムを0.1 mol/L塩酸で滴定〈2.50〉するとき,0.1 mol/L水酸化ナトリウム液の消費量は3.0 mL以下である(指示薬:フェノールフタレイン試液3滴).同様の方法で空試験を行う.
(11) エチレングリコール,ジエチレングリコール及び類縁物質 本品約5.88 gを精密に量り,メタノールに混和し,正確に100 mLとし,試料溶液とする.別にエチレングリコール及びジエチレングリコール約0.1 gずつを精密に量り,メタノールに混和し,正確に100 mLとする.この液5 mLを正確に量り,100 mLのメスフラスコに入れる.別にガスクロマトグラフィー用グリセリン5.0 gを量り,メタノールに混和し,100 mLのメスフラスコに合わせる.メタノールを加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 μLずつを正確にとり,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,それぞれの液のエチレングリコールのピーク面積AT1及びAS1及びジエチレングリコールのピーク面積AT2及びAS2を測定する.次式によりエチレングリコール及びジエチレングリコールの量を求めるとき,0.1%以下である.また,試料溶液の各々のピーク面積を面積百分率法により求めるとき,グリセリン,エチレングリコール及びジエチレングリコール以外のピークの量は0.1%以下であり,グリセリン以外のピークの合計量は1.0%以下で
ある.
エチレングリコールの量(%)
=MS1/MT × AT1/AS1 × 5
ジエチレングリコールの量(%)
=MS2/MT × AT2/AS2 × 5
MS1:エチレングリコールの秤取量(g)
MS2:ジエチレングリコールの秤取量(g)
MT:本品の秤取量(g)
試験条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径0.32 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用14%シアノプロピルフェニル-86%ジメチルシリコーンポリマーを厚さ1 μmで被覆する.
カラム温度:100℃付近の一定温度で注入し,毎分7.5℃で220℃まで昇温し,220℃付近の一定温度で保持する.
注入口温度:220℃付近の一定温度
検出器温度:250℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:約38 cm/秒
スプリット比:1:20
面積測定範囲:溶媒のピークの後からグリセリンの保持時間の約3倍の範囲
システムの適合性
システムの性能:エチレングリコール,ジエチレングリコール及びガスクロマトグラフィー用グリセリン50 mgずつをメタノール100 mLに混和する.この液1μLにつき,上記の条件で操作するとき,エチレングリコール,ジエチレングリコール,グリセリンの順に
溶出し,エチレングリコールとジエチレングリコールの分離度は40以上であり,ジエチレングリコールとグリセリンの分離度は10以上である.
システムの再現性:標準溶液1 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エチレングリコール及びジエチレングリコールのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ10%以下である