大阪大学医学部付属病院は21日、がん患者2人に抗がん剤を過量投与したと発表し、午後4時から会見を開いています。
大阪大学医学部付属病院では、薬の投与に株式会社ユヤマのシステムを使っていましたが、プログラムの不具合が原因で、患者2人に対して注射の抗がん剤が過量投与されていたことがわかりました。
記者会見では「このような事態を招き、病院に信頼を寄せて頂いた方々に深くお詫び申し上げます」と野々村祝夫病院長の謝罪から始まりました。
過剰投与の原因は、医師が投与を指示したミリグラム単位の薬を、薬剤師が調剤するために必要なミリリットルに換算する際にシステムの不具合が起きたというものです。自動計算をする際、初期設定では小数点以下の第3位を四捨五入することになっていましたが、不具合で第2位が四捨五入されることになっていたということです。薬剤師が数値を見て疑問が生じ、不具合が発覚しました。
過剰投与を受けた患者2人はいずれも60歳代の男性です。2月に約1.2倍の量を投与された男性患者には異常はありませんでしたが、もう1人の男性患者は1月に約2倍の薬を3日間連続で投与された結果、高度の神経障害が生じたということです。この男性患者は、6月にもともと患っていた血液がんが進行し亡くなりました。
阪大病院は、今回のケースは医療調査制度の対象ではないことから、医療事故には認定されないとしています。システムを開発した企業・ユヤマは、再発防止策として、チェックするプログラムを開発しているほか、品質コンサルタントの経験者を採用するなど、製品の品質確保に努めるとしています。
感想;
医療事故にならないのは驚きです。
ひょっとしたら、過剰投与が患者さんの死を早めた可能性があります。
阪大病院はそうでないと根拠を持って説明できないです。
ミスを発見された薬剤師さんはすばらしいです。
しかし、前に投与した時の薬剤師はミスに気付かなかったのです。
それは事故です。
また、ダブルチェックというか、確認が抜けていたのもミスです。
ユヤマのコンピューターバリデーションの不備です。
コンピューターなので四捨五入を途中でせずに、最後で行うのが基本です。
ぜひ、ユヤマのコンピューターバリデーションを検証していただきたいです。
でも、最終責任はユヤマの問題を発見できずに使った阪大病院が責任です。
これがなぜ医療事故にならないか。
人のミスなら薬剤師が確認できなかった。
確認の手順が充分でなかった。
ユヤマの設備を入れるときの検証が充分でなかった。
阪大病院は医療事故とするのがいやなのでしょうか?
そこに医療事故の数値を低くしようとの意図が感じられ、逆に不安になってきました。
阪大、しっかりしてよ!と願います。
それにしても気づいた薬剤師さんはすばらしいです。
なぜ気づいたのかも検証し、それを他の薬剤師さんも見習うのはよいのではないでしょうか。
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