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「感情を言葉にすること、聴くことの大切さ」久保千春(九州大学総長)言葉にすると脳の活動が変化し落ち着

2014-10-28 00:46:29 | ブログ

感情を言葉にすること、聴くことの大切さ

http://www16.ocn.ne.jp/~f-inochi/kaiho/index.html より引用

福岡いのちの電話理事・医師 久保 千春(九州大学総長)         

私は心身医学、心療内科を専門にしてきました。心身医学はこころと身体の結びつき、すなわち心身相関について研究する医学です。心療内科では、主に内科領域の心身症、たとえば過敏性腸症候群、気管支喘息、過換気症候群、緊張型頭痛、片頭痛、慢性疼痛や神経性食欲不振症、過食症、うつ病、不安症などを対象疾患としています。心理社会的因子すなわちストレスは病気の発症に大きな影響を及ぼしています。
         治療は患者を「病を持った人間」としてとらえ、身体的・心理的・社会的・実存的側面から統合的に理解し治療していきます。良好な患者-治療者関係を基に、まず身体療法を行います。不安、うつ、不眠を伴っている場合は、症状に応じて薬を用います。そして睡眠、食生活、運動、仕事、飲酒や喫煙などの生活習慣は、各種の生活習慣病、慢性病の発症・持続・増悪と密接に関連するので、これらのバランスがとれるような指導を行います。これらの治療に加え、心理療法を行います。面接が主体ですが、患者の年齢や病態に応じて認知行動療法、自律訓練法、絵画療法などの治療法も用いられています。
 いのちの電話でも相談員の方々はいろいろな
方々の悩みを聴いておられますが、聴くことに関しての興味ある研究についてご紹介します。
 
自分の感情を口に出すことで気分がおさまる機序についてアメリカのカリフォルニア大学の研究者が機能的磁気共鳴画像法(fMRI)という造影法を用いて調べています。

感情を言葉に出した場合、脳の扁桃体と呼ばれる部分の活動が低下することを認めています。脳の扁桃体は恐怖、パニックなどの異常事態に際して反応しますが、この活性が低下したことは脳の中の感情の回路が抑えられていること、すなわち心が安まっていると考えられます。一方、右側の前頭前野脊外側領域活性が上昇していました。大脳皮質のこの部分は感情を調節しており、この部分が活性化していることは、感情の調節がうまくいっていると考えられます。

感情を言葉にするためには、相談員が相談者の悩みに共感的に聴くことが大切です。相談者は話すことで感情が発散されて気持ちが安定し、自分の感情にも気づいてきます。また、相談者ができていることを見つけて返してあげることも必要です。そうすることで相談者は「理解されている」と思うと同時に、今後の方向性が見えてきます。

感想

感情を言葉にすると、脳の働きが変わり、感情が落ち着く、感情の調節が上手く行くとの報告があるとのことです。
認知療法がうつ病に効くのは、<wbr></wbr>うつ病の薬を飲んだ場合と同じように、<wbr></wbr>脳の部分の活性が変化するためであることが証明されています。
メール相談で気持ちを書くことがうつ病に効果があることは、<wbr></wbr>既に報告されていますが、口で感情を言葉にすることも効果があることが報告されたことにな<wbr></wbr>ります。
話す→放す→離す。話したことにより、心に持っていた嫌な感情を、離れて客観視できるようになるのでしょう。
嫌な感情は感情として受けとめ、そしてその感情に自分が束縛されることなく、自由な気持ちで自分の行動を選択できれば、感情に影響されない行動が取れるのでしょう。
日本ではカウンセリングを受けるのは、気持ちが弱い人との印象がありますが、米国ではカウンセリングを受けるのは賢い人との評価になるそうです。話すことで自分を上手くコントロールしているのでしょう。


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