・「再雇用では権限のない単純作業で、かつての部下に顎で使われるなど、本当につらい毎日でした・・・。起業への挑戦よりも、管理職として権力にあぐらをかいていた結果が、このあり様です」。
年収は役職定年後も1,000万円近くあったが、定年後の再雇用では6割減の約400万円に減った。
・「リカレント教育」
・厚生労働省の2023年『高年齢者雇用状況など報告』によると、企業が実施している雇用確保措置のうち継続雇用制度が69.2%に上った。定年の引き上げは26.9%、定年制の廃止は3.9%だった。
・数多の定年後に再雇用で働くシニア社員たちの話を聞いていると、自信の職業能力に不安を抱いているケースは予想した以上に多い。期待される役割や能力が不明瞭なだけに、具体的に何を学び、どの技能を伸ばせばいいのか、わからない場合も少なくないのだ。シニア社員自身がスキル向上のために努力を重ねる必要がある一方で、能力開発・職業訓練への国や企業の支援が欠かせない。
・「部下からの予想だにしなかったパワハラの訴えで、執行役員も子会社社長の道も閉ざされ、会社員生活の最後でどん底を経験しましたが・・・今振り返ると、時代の変化を受け入れようとしなかった自分がいけなかった。脇が甘かったですね。そして、その段に至っても、事業本部長まで務めたんだから、きっと良い転職先がある、転職で『見返してやる』などと高をくくっていた。本当にバカですね・・・
そんな調子のいいことなどないのに・・・」
・「頑固なこだわり、プライドとも言えるかもしれませんが・・・条件を下げると、定年まで懸命に働いていきた自分の会社員人生を否定するようで・・・。でもまた働きたければ、そうせざるを得ないということは少しずつ理解できるようになってきたのですが・・・」
・それ以上に驚いたのは、部長昇進からわずか2、3か月で転職エージェントに登録していたことだった。・・・
「意外でしたか。念願の部長になって慌ただしいこの時期に、数年先の転職に向けて動き出しているというのは・・・あっ、ははは・・・。本格的な転職活動の前に、自分のキャリアの市場価値を知るのが目的なんです。
・「どうして、自分は価値のかに人間、と思われたのですか?」
「だって、(ボランティアは)無報酬ですからね」
「いくら人のために、と考えて頑張っても、無償で活動する、つまり活動したことの対価が支払われない、ということは、活動成果が誰からも評価されていない、ということじゃないですか。もちろん、他にもいろいろな壁というか、問題はありましたけれど・・・やはり無報酬というのが、一番大きかったと思います」
・「総務部でのCSRをはじめ、人事部に戻ってからの社員のキャリアコンサルタント業務など、会社員時代からいろいろ挑戦させてもらい、それが今の活動(NPO法人事務局長)の土台になっているとこはたしかです。ただ、役職定年後を機にボランティア活動を開始し、さらに定年後に専従してからはもっと、『人のため』をやりがいに、活動の価値を見出して頑張れるようになりました。会社では地位や人事評価などに働くモチベーションが左右されていた面も正直、大きかったですからね。今やっと、本来の働く意義を見つけられたように思っています。
・「これまで会社のことを悪く言うのは極力避けてきましたが・・・私たち女性の総合職第一号は・・・実際には“広告塔”のように扱われて・・・能力を発揮するどころか、活躍するための機会さえ十分には与えてもらえなかったです。そんななかでも、私は耐えに耐えて、頑張って・・・『男社会』の会社をうまく渡り歩きながら、上司に実力を認めさせて、部長にまで上り詰めたんです。そ、それ、なのに・・・役職定年を機に、全く経験のない営業部でデータ管理の仕事を打診されるなんて・・・。派遣の女性で十分の仕事。もう“お払い箱”と言っているのと同じじゃないですか。
・「社内だけでなく、社会からも、もてはやされて・・・均等法が施行された年に、女性総合職第一号として入社しましたが、入社数年で多くが辞めていきました。同期入社したほかの女性2人も、入社2,3年目で早々と退職して、いずれも20代半ばで結婚しました。均等法前の女性たちと何ら変わらない人生を歩んだわけです。せっかくのチャンスが巡ってきたのに、残念でなりませんでした。後に続く後輩女性たちの見本にならないといけなかったのに・・・」
・働く女性たちの主な特性としては、出世を志向してタテの上下関係を重視してきた男性たちと異なり、共感でつながるヨコの関係性を尊重する傾向が強いことである。英国の心理学者、サイモン・バロン=コーエンは認知機能の性差に着目し、女性は「共感」、男性は「システム化」というそれぞれの特徴を分析した。男性は感情よりも原因究明や問題解決を重視し、競争や権力に価値を求、命令する上司とそれに従う部下の関係性を自明の理と捉える傾向にあるのに対し、女性は物事の仕組みよりも、相手の気持ちを理解し、共感しようとするため、上下関係よりもヨコの関係を得意とするというわけだ。
・ポータブルスキルは厚生労働省によると、職種の専門性以外で、9要素あるという。
仕事のし方
①現状の把握 取り組むべき課題やテーマを設定するために行う情報収集やその分析のし方
②課題の設定 事業、商品、組織、仕事の進め方などの取り組むべき課題の設定のし方
③計画の立案 担当業務や課題を遂行するための具体的な計画の立て方
④課題の遂行 スケジュール管理や各種調整、業務を進めるうえでの障害の排除や高いプレッシャーの乗り越え方
⑤状況への対応 予期せぬ状況への対応や責任の取り方
人との関わり方
⑥社内対応 経営層・上司・関係部署に対する納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得のし方
⑦社外対応 顧客・社外パートナー等に対する納得感の高いコミュニケーションや利害調整・合意形成のし方
⑧上司対応 上司への報告や課題に対する改善に関する意見の述べ方
⑨部下マネジメント メンバーの動機付けや育成、持ち味を活かした業務の割り当てのし方
感想;
定年後、どうするかを現役の早い時期から考えながら仕事をする、かつ必要なら資格を取るなど準備をすることが必要なようです。
かつ、会社のためにすべてを捧げると、会社から裏切られるというか、期待に反することが起きる可能性が高いということでしょう。
会社のために自分が犠牲になる必要はないとしっかり自覚しておくことが必要に思いました。
定年後はそれまでの会社での肩書などは関係ない社会で生きていかなければならないということを受け容れることが必須のように思いました。
それまでは”虎の威を借りる狐”ではないですが、会社の名前や肩書が”虎”になっていたのです。退職するとその”虎”がなくなるのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます