英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第72期名人戦 第2局

2014-04-30 23:20:51 | 将棋
羽生×森内 31番勝負?
 森内竜王・名人が棋聖戦挑戦者決定戦で村山慈明七段を降し、羽生棋聖(王位・王座)への挑戦権を獲得した。
 森内名人(竜王)は現在、羽生三冠と名人戦7番勝負を戦っており、合わせて12番勝負となった。

 さらに、森内竜王・名人は王位戦挑戦リーグ紅組で広瀬七段、千田四段と3勝1敗で並んでいる。運が良いとあと2勝、運が悪いと4勝で挑戦権を獲得。王座戦は挑戦者決定トーナメントに残っており(シード)、1回戦から決勝まで4勝で挑戦権獲得。
 その上、羽生三冠も竜王戦1組ランキング戦決勝に駒を進め、挑戦者決定トーナメントに進出を確定させている。こちらもあと4勝で挑戦権獲得。

 名人戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦死闘31番勝負だ!



 少し遅くなりましたが、第2局を振り返ってみます。


 先手後手は入れ替わっているが、第1局に続いて相掛かり戦。


 前局は先手の森内名人は端歩を受けずに▲2七銀だったが、羽生三冠が端歩を受け第1局と別の展開となった。“別の展開”とは言っても、こちらの方が遥かに前例が多い。
 お互いに飛車先の歩を交換後に下段まで飛車を引き、相腰掛け銀になるかと思われたが……


 鎖鎌銀!
 昭和……しかも30年代。
 中継サイトによると 
「同一局面では2011年に指された▲田中魁秀九段-△阿部隆八段戦(王将戦一次予選)がヒット。△8八角成▲同銀△3三桂▲1五歩と進んでいる。結果は後手勝ち」

 ▲3六銀と出るのなら、▲4七歩と突かずに2七~3六のルートの方が1手速いし4七の空間も生じないので良いように思えるが、▲3六銀は後手の△8二飛に呼応した手。
 8二飛型は腰掛け銀に対して有効(8四飛型は何かの拍子に飛車当たりになる)ではあるが、先手銀が2五に進出する棒銀系の将棋に於いては、飛車の横利きでく受けることができる8四飛型の方が向いている。


 思惑通り?銀を2五に進出した第2図、縁台将棋のような局面。
 縁台将棋なら、次の▲3四銀が受からず、≪してやったり≫とニヤリ。

 森内名人、顔面蒼白……とは、ならず(当たり前)、△8八角成▲同銀△4七角と打ち込む。
 これに対しては▲3八角と合わせ馬作りを阻止するのが通常で、「△同角成▲同金と先手の金を上ずらせ、それから先手の▲3四銀に対応」という流れになるのかと思いきや、羽生三冠は構わず▲3四銀と進出。
 NHKのBS中継の山崎七段の解説よると「△4七角に単に▲3八角と合わせると、一例ではあるが、△3八同角成▲同金△5五銀▲3四銀△4六銀▲2三銀成△2七歩▲同飛に△4七銀不成(変化図)▲同金△3八角という罠があったのかもしれない」とのこと。(△4七銀不成では△4五角もあるかもしれない)


 実戦は△4七角▲3四銀△2二銀▲3八角△同角成▲同金△4四歩▲6八玉と進む。(△2二銀では△7四角成▲2三銀成△同金▲同飛成△2二飛も有力)
 森内名人、ここで△2四歩と“銀ばさみ”の最強の受け!(▲2四同飛には△3三歩で先手の駒損必至)


 以下▲3五角△3三銀▲同銀成△同金▲2四角△同金▲同飛△2二歩▲2三歩と進む。(この手順中も多岐の変化がありますが省略)

 金角交換の駒損の先手だが、2筋を半分突破という状態。ただ、若干▲2三歩が重く、後手からはいろいろ手段がありそう。この▲2三歩では他に▲3四飛や▲1七桂なども考えられたが、わずか7分の着手。研究範囲なのだろうか?
 森内名人は1時間26分考えて、手を封じた。
 候補手は①△1三角、②△9二角、③△7四角、④△3三銀。
コメント (2)
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