今話の脚本家が意図した目玉のセリフは2つ
★「生きるのです……生きよっ!」
祖父の説いた「生き残ることが第一」が、このドラマの根底にあるテーマ。
これを「引き裂かれた姉妹」の姉・力に向かって叫ぶ主人公・官兵衛。予告編の締めにも使われたシーンで、ドラマとしては見せ場である。
「生き残ることが第一」は官兵衛だけでなく、備前の梟雄、稀代の悪人・宇喜多直家もそれが為、景貞の首を取るよう景貞の家臣をそそのかした。
山中鹿之助も官兵衛に言ったセリフ「いずれあなたは途轍もない戦上手になられるでしょう…生き残っておれば」も、この「生き残ることが第一」と合致している。
さて、官兵衛が力の自害を止めたのシーン、上月城の異変を知った官兵衛が、力の境遇、心境を思い、間一髪、悲劇を防ぐ功を成した。
≪ここからは、私の独り言、妄想です≫
官兵衛たちが上月城に駆けつけた時は、従者たちは死亡(自害)?しており、≪ああ、間に合わなかった≫と思ったが、間一髪、自害を制止できた。しかし、少しタイミングが良すぎなのではないかい?
実は、力は静止してくれる者が到着するのを、今か今かと待っていて、駆け付けた官兵衛たちに≪遅いぞ、官兵衛!≫と内心叫んでいた……なんて
★「こんな乱世を終わらせて下さい。女が泣き子供達がつらい思いをするような…」
こちらは、「生き残ることが第一」より、一段階レベルアップした志で、前話の両兵衛の語り合いのシーンで示された大義「天下泰平」(=「大河ドラマ的テーマ」)に通じる意志である。「大義をかざす主人公」はドラマとして功罪両面あるとは思うが、私は深く考えないことにしている。あまり、それが先走りするのは嫌だが。
さて、この「戦は嫌じゃ」発言を毛嫌いする通のブロガーさんを見かけるが私は容認している。
もちろん、無理に言わせるのには同意できないが、戦国時代と現代では思想に違いがあると言え、身内同士で敵味方に分かれ、義理の兄の悲惨な最期を目にしたら、そう発言してもいいんじゃないかな。
ところで、サブタイトルの「引き裂かれる姉妹」が微妙。タイトルから「死別」を想像したが…。でも「引き裂かれた」ではないし…。官兵衛が織田に付くことを選択した時点で、かなり距離が離れてしまったような気もするし…。
そもそも、もともと、力、光姉妹の仲の良さが描かれていないので、今いち、タイトルがピンとこない。
力は官兵衛を毛嫌いしており、姉妹が敵味方になった原因は官兵衛と言ってもよい。今回、官兵衛が景貞を説得に来た際、恨み事や嫌みの一つも言わないことに違和感を感じた。
≪ここからは、私の独り言、妄想です≫
上記のように光姫に、「女が泣き子供達がつらい思いをするような…こんな乱世を終わらせて下さい」と懇願された官兵衛であるが、内心、
≪無理無理!…そんなたいそうなこと、信長様か秀吉さまに言ってくれ。姫路、せいぜい、播磨の平安が精一杯……≫
ではなかったのだろうか?
内村光良が、表面的には≪任せとけ≫という表情で、内心は途方に暮れているというコントシーンを思い出してしまう。
力み過ぎる官兵衛
義理の姉の嫁ぎ先を攻め落とさねばならない状況で、“いっぱいいっぱい”になり、声も荒げてしまう官兵衛。
そんな官兵衛を見て、二の矢に山中鹿介を配備しており、官兵衛は窮地を救われる。
そんな失態を、鹿介に恥じる。鹿介も褒めていたが、こうやって反省して成長していくのだろう。とは言え、反省したシーンは良かったが、ちょっと主人公がバタバタしすぎのように感じる。
備前の梟雄、稀代の悪人・宇喜多直家(番組サイトの表現)
景貞の家臣をそそのかしたのは、「稀代の悪人」の面目躍如と言える。
ただ、陣内さんが演じるからああなるのか、陣内さんが演じるから相応な所作なのかは不明だが、デフォルメしすぎのように感じる。
酒を飲み、女を侍(はべ)るのは、確かに直家の破天荒さがよく出ているが、少し安易じゃないのかな。
半兵衛を演じている谷原さんのような感じで、表面はまともで穏やかで常識人の面持ちで、今回の謀略を図っていて、こともなげに官兵衛にネタばらしした方が凄味があると思うのだが……
【その他の感想】
茶器云々は、秀吉ら3人の反応は面白かったが、信長と濃姫の会話は不要であろう。
【ストーリー】番組サイトより
秀吉率いる織田軍の播磨攻めは順調に進み、残るは上月城のみとなった。光は、上月城主景貞の妻である姉・力の身を案ずる。官兵衛は戦いを避けようと説得に赴くが拒否され、姉妹は敵味方に引き裂かれる。
戦には、毛利に滅ぼされた主家の再興を念願とする猛将・山中鹿介も加わり、官兵衛と意気投合する。敗れて籠城を強いられた景貞は宇喜多直家の援軍を頼みとするが、直家は景貞の家臣をそそのかし、主君の首を取るよう画策。それによって上月城は落ち、官兵衛は秀吉と共に播磨を平定する。
その後、直家の策略を知ってがく然とする官兵衛。一方、生き残った力は、娘たちを光に預けて出家した。
★「生きるのです……生きよっ!」
祖父の説いた「生き残ることが第一」が、このドラマの根底にあるテーマ。
これを「引き裂かれた姉妹」の姉・力に向かって叫ぶ主人公・官兵衛。予告編の締めにも使われたシーンで、ドラマとしては見せ場である。
「生き残ることが第一」は官兵衛だけでなく、備前の梟雄、稀代の悪人・宇喜多直家もそれが為、景貞の首を取るよう景貞の家臣をそそのかした。
山中鹿之助も官兵衛に言ったセリフ「いずれあなたは途轍もない戦上手になられるでしょう…生き残っておれば」も、この「生き残ることが第一」と合致している。
さて、官兵衛が力の自害を止めたのシーン、上月城の異変を知った官兵衛が、力の境遇、心境を思い、間一髪、悲劇を防ぐ功を成した。
≪ここからは、私の独り言、妄想です≫
官兵衛たちが上月城に駆けつけた時は、従者たちは死亡(自害)?しており、≪ああ、間に合わなかった≫と思ったが、間一髪、自害を制止できた。しかし、少しタイミングが良すぎなのではないかい?
実は、力は静止してくれる者が到着するのを、今か今かと待っていて、駆け付けた官兵衛たちに≪遅いぞ、官兵衛!≫と内心叫んでいた……なんて
★「こんな乱世を終わらせて下さい。女が泣き子供達がつらい思いをするような…」
こちらは、「生き残ることが第一」より、一段階レベルアップした志で、前話の両兵衛の語り合いのシーンで示された大義「天下泰平」(=「大河ドラマ的テーマ」)に通じる意志である。「大義をかざす主人公」はドラマとして功罪両面あるとは思うが、私は深く考えないことにしている。あまり、それが先走りするのは嫌だが。
さて、この「戦は嫌じゃ」発言を毛嫌いする通のブロガーさんを見かけるが私は容認している。
もちろん、無理に言わせるのには同意できないが、戦国時代と現代では思想に違いがあると言え、身内同士で敵味方に分かれ、義理の兄の悲惨な最期を目にしたら、そう発言してもいいんじゃないかな。
ところで、サブタイトルの「引き裂かれる姉妹」が微妙。タイトルから「死別」を想像したが…。でも「引き裂かれた」ではないし…。官兵衛が織田に付くことを選択した時点で、かなり距離が離れてしまったような気もするし…。
そもそも、もともと、力、光姉妹の仲の良さが描かれていないので、今いち、タイトルがピンとこない。
力は官兵衛を毛嫌いしており、姉妹が敵味方になった原因は官兵衛と言ってもよい。今回、官兵衛が景貞を説得に来た際、恨み事や嫌みの一つも言わないことに違和感を感じた。
≪ここからは、私の独り言、妄想です≫
上記のように光姫に、「女が泣き子供達がつらい思いをするような…こんな乱世を終わらせて下さい」と懇願された官兵衛であるが、内心、
≪無理無理!…そんなたいそうなこと、信長様か秀吉さまに言ってくれ。姫路、せいぜい、播磨の平安が精一杯……≫
ではなかったのだろうか?
内村光良が、表面的には≪任せとけ≫という表情で、内心は途方に暮れているというコントシーンを思い出してしまう。
力み過ぎる官兵衛
義理の姉の嫁ぎ先を攻め落とさねばならない状況で、“いっぱいいっぱい”になり、声も荒げてしまう官兵衛。
そんな官兵衛を見て、二の矢に山中鹿介を配備しており、官兵衛は窮地を救われる。
そんな失態を、鹿介に恥じる。鹿介も褒めていたが、こうやって反省して成長していくのだろう。とは言え、反省したシーンは良かったが、ちょっと主人公がバタバタしすぎのように感じる。
備前の梟雄、稀代の悪人・宇喜多直家(番組サイトの表現)
景貞の家臣をそそのかしたのは、「稀代の悪人」の面目躍如と言える。
ただ、陣内さんが演じるからああなるのか、陣内さんが演じるから相応な所作なのかは不明だが、デフォルメしすぎのように感じる。
酒を飲み、女を侍(はべ)るのは、確かに直家の破天荒さがよく出ているが、少し安易じゃないのかな。
半兵衛を演じている谷原さんのような感じで、表面はまともで穏やかで常識人の面持ちで、今回の謀略を図っていて、こともなげに官兵衛にネタばらしした方が凄味があると思うのだが……
【その他の感想】
茶器云々は、秀吉ら3人の反応は面白かったが、信長と濃姫の会話は不要であろう。
【ストーリー】番組サイトより
秀吉率いる織田軍の播磨攻めは順調に進み、残るは上月城のみとなった。光は、上月城主景貞の妻である姉・力の身を案ずる。官兵衛は戦いを避けようと説得に赴くが拒否され、姉妹は敵味方に引き裂かれる。
戦には、毛利に滅ぼされた主家の再興を念願とする猛将・山中鹿介も加わり、官兵衛と意気投合する。敗れて籠城を強いられた景貞は宇喜多直家の援軍を頼みとするが、直家は景貞の家臣をそそのかし、主君の首を取るよう画策。それによって上月城は落ち、官兵衛は秀吉と共に播磨を平定する。
その後、直家の策略を知ってがく然とする官兵衛。一方、生き残った力は、娘たちを光に預けて出家した。