英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竜王戦第1局 難解な将棋

2009-10-15 21:07:06 | 将棋
 森内九段の新手から未知の局面になり、4筋を巡る虚々実々の攻防あたりから、私のような凡人の感覚では、ついていけない将棋になりました。
 封じ手直前の渡辺竜王の△5二銀は自陣を引き締める竜王らしい手だと思いましたが、4筋の嫌みが残っているので、今後の模様の取り方が難しいのではないかと思っていました。
 その後、△4四歩と無難に指す手は指さず(実際、△4四歩としても先手の攻めを受け止めるのは大変らしかった)、▲4四歩に△4二金と引き拠点を作らせる強気な対応。
 渡辺竜王の主張は、1日目に果たした飛車先交換の利と、△8五飛の揺さぶりからの1歩得。△8五飛にしても、先手の切り返しがいろいろ見え、それらを見切っての強気な指し手。
 
 この後、森内九段の銀捨ての強攻、また、渡辺竜王も銀を見限っての抑え込みを図る△5五銀の強防手を放つ。
 この△5五銀から渡辺有利説の声が上がり始めたが、終盤、ややもつれはしたものの、瀬戸際の強さを発揮して、渡辺竜王が先勝した。

 森内九段の意欲的な指し回し、渡辺竜王の読みの裏付けのある強気な対応と、両者の充実ぶりを感じた。特に、渡辺竜王の竜王戦での強さを改めて認識した。
 一か所疑問に思ったことは、69手目の▲1五歩に△同歩と応じた点。中継の解説によると「▲1五歩は緩手で、それに手抜きして△7五歩▲同銀△7六歩▲6八金△5五角の筋があったとのこと。なぜなのか?


 さて、羽生ファンにとって「3連勝4連敗」「初代永世竜王の名を成さしめてしまった」痛恨の7番勝負から、はや一年(決着してからだと10か月)。
 雪辱戦を挑めない状況も悔しい思いがありますが、永世竜王対永世名人、5年ぶりの対決と、そして、何よりその将棋そのものの内容も期待できる大変楽しみな7番勝負です。
 羽生名人にとって、渡辺竜王、森内九段共に、自身より先に「永世」の称号を冠せられてしまった二人の対決です。「羽生名人に先んじた二人の最強者決定戦」という向きもありますが、熱狂的な羽生ファンに言わせると、

「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」
なのです。

 今日の記事は、これが言いたいがために書きました。
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2 コメント

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私もこの将棋は… (Dancho)
2009-10-16 11:30:47
見ていました…。

ということで、英さん、改めましてこんにちは。

「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」

なるほど…そういう見方もあるんですね。
単に、渡辺「永世竜王」vs森内「永世名人」の、森内にとっては奪還のリターンマッチではないと…。

頷くばかりです。

この将棋は、私の様な初心者にはなかなか手が見えない難しい将棋でした。
だから、楽しめた…ということも言えるのですが。

渡辺竜王がこの将棋を制した…ということは、本文にも触れている「天王山」に打った△5五銀が、優秀だった…ということでしょうか?。

棋力がずっと上の英さんに、ご教示頂けると助かります。

この七番勝負は、色々な見方で楽しめそうですね。

2週間後の第2局も注目ですね。
返信する
負け惜しみです ()
2009-10-16 23:29:00
danchoさん、こんばんは。

>「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」

>なるほど…そういう見方もあるんですね。
>頷くばかりです。

いえ、単なる負け惜しみですので、頷かれると照れます(笑)。


>「天王山」に打った△5五銀が、優秀だった…ということでしょうか?。

勝因の一つだと思います。しかも、かなり大きな。


>棋力がずっと上の英さんに、ご教示頂けると助かります

 あ、いや、棋力が上とは思っていません。
 でも、おだてられたので(かなりうれしい)、少し腰を入れて考え、近々、別記事で取り上げようと思います。
返信する

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