英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

V・プレミアリーグ ファイナル 日立リヴァーレ×久光製薬スプリングス.

2016-03-13 23:19:10 | スポーツ
★これまでの成績
日立リヴァーレ

 レギュラーラウンド 3位 13勝8敗 勝ち点36 (ファイナル6での持ち点3)
 ファイナル6    1位 4勝1敗 通算ポイント16 (3+13)→ファイナル進出
  “ファイナル6”での1敗はトヨタ車体(2-3)
久光製薬スプリングス
 レギュラーラウンド 2位 15勝6敗 勝ち点46 (ファイナル6での持ち点4)
 ファイナル6    3位 2勝3敗 通算ポイント10 (4+6)→ファイナル3進出
 ファイナル3  対東レアローズ 3-2で勝利→ファイナル進出 

    レギュラーラウンド1位は東レアローズ(17勝4敗 勝ち点49)

 日立リヴァーレはファイナル6は好調で1位、ファイナルの相手の久光にはレギュラーラウンドとファイナル3を通じて、4勝0敗。
 久光は、ファイナル3の初戦から3連敗で自力進出がなくなり窮地に立たされたが、その後2連勝でNECをポイントで1点上回り、辛くもファイナル3に進出。ファイナル6で3勝2敗のNECは、あと1セット足りなかった。
 ファイナル3では、東レに大激戦の末勝利、ファイナル進出を果たしている。

【訂正】(エスカルゴさんからのご指摘)
 ポイントで並んだ場合、レギュラーラウンドの順位が優先されるので、NECが“ファイナル3”に進出するには、あと2ポイント必要だったようです。



 今季、ファイナル6での好調さと4勝0敗の相性を考えると日立が有利だが、どん底から這い上がってきた久光は直前3連勝(岡山、東レ、東レ)と昇り調子。チーム力はリーグ屈指である。
 私の予想は久光の勝利だが、試合展開で結果は簡単に変わりそう。“良いバレーをした方が勝つ”であろう(当たり前)

ファイナル感想
(随分、前振り(上記)を気合を入れて書いたけれど、ファイナルの感想は簡単になりそうです)
 第1セットは、終始、日立のペース。今期の相性そのままで、スコアは競っていたが、日立が楽に得点を重ねていた印象。また、ラリーになるとほとんどものにしていた(イメージがある)。
 中盤14-14辺りから、日立が2,3点先行するような展開となり、23-19から23-21と久光が追いすがったが、25-21で振り切り、日立が先取した。
 主戦力のパオリーニの打数が少ないのが気になる。不調なのか、セッターとの呼吸が合わないのか…。パオリーニが活躍しなくともセットを取るのが好調な証かもしれない。
 第2セットも日立が先行、主導権を握る。しかし、久光7-9日立から久光が5連続ポイント。この間、久光のブロックが機能した。シャットアウト2本、それに近いモノ(日立が何とかカバー)が2本。その他、手に当ててレシーブに繋げることができるようになってきた。
 この後は、2~3点差で推移し、久光20-18。ここで、ラリーをパオリーニが決めて、20-19。
 ここから、久光・長岡、日立・パオリーニ、久光・新鍋、日立・パオリーニが強打を決め、22-21。ここで、日立がサーブで崩して、チャンスが回ってきた。渡邉が強打!これを、水田がブロック!23-21。
 さらに、ラリーを野本が、ブロックの脇を抜く巧打を決めて、24-21、セットポイント。
 日立も粘る。ラリーを井上がセンターから決め、さらに、ラリー中の苦しいトスを渡辺が久光コートの奥に打ち切り、24-23の1点差に詰め寄る。
 しかし、最後は久光が踏ん張り、野本の時間差攻撃を決め、25-23で逃げ切った。

 第2セットを奪った立役者は新鍋。第1セットは7打数のみだったのが、第2セットの打数は22。決めたのは5本と低率だったが、ラリー中の苦しいトスを、軟鋼織り交ぜて打って繋いだ。ブロックにわざと当ててリバウンドを拾ったり、ミスしないで打ち切り、相手陣を乱して、ラリーの主導権を渡さず、最後はブロックアウトでポイントを上げたりした。
 第2セット終了後のインタビューで、中田監督「新鍋がよく頑張った!」と、珍しく褒めた。

 第2セットを採ったことで、久光の苦手意識が払しょくされたようだ。
 第3セットは、中盤以降、得点をリードし、主導権を握る。日立はパオリーニが奮闘するが、単発。サーブで乱され、攻撃が単調になった。
 久光はブロックが機能したのが大きい。25-19で制すると、第4セットは危なげなく制し、2シーズンぶり5度目の女王の座に就いた。
 久光はゲームを通して長岡が安定してスパイクを決めた。新鍋も第3セット以降は決定率も上がり、石井も要所でスパイクを決めた。石井のサーブレシーブが安定していたのも勝因だった。
コメント (2)
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15-16 Wリーグ プレーオフ・ファイナル 第2戦

2016-03-13 18:03:50 | スポーツ
試合開始2分12秒、吉田と渡嘉敷のコンビプレーが決まりが決まり、JX8-2富士通。
 ……渡嘉敷、間宮のゴール下で決め、フリーになった大沼も決める。富士通はターンオーバーにシュートミス。
 ≪第1戦の再現か≫……JXに心の隙が生じたのかもしれない。



 富士通、町田から篠原へゴール下にパスが通り、8-4(2分29秒)。
 JX・岡本、トラベリング。富士通・篠崎が3Pが外れるが、フリーで3Pシュートとオフェンスの形になっていた。
 吉田がゴール下の間宮にやや不用意なパス、間宮のマークの長岡が手を出しカット。
 富士通、長岡がゴール下にドライブを見せて、反転、町田へパス。インアウトパスを、気持ちよく3Pシュート。JX8-7富士通(3分22秒)。
 JX、吉田が再びペイントの高い位置の間宮にパス。しかし、渡嘉敷のマークの篠原、3Pライン付近に移動した大沼へのマークを外した佐藤、そして、間宮のマークの長岡と3人に囲まれてしまい、ジャンプボールシチュエーションに。吉田が間宮に拘り過ぎで、通常なら大沼へパスをしていたはず(見えていなかった)。
 ここで、佐藤に代わりスタメンから外れた山本がコートへ(3分42秒)。

 この後、膠着状態。JXは3回、富士通は4回、シュートを外す。富士通はオフェンスが機能しながらシュートが入らない。JXのオフェンスはきちんとした形にはなっていない。ただ、いつものJXなら個人のポテンシャルで3本の内1本、ないし、2本は決めていたはず。
 この辺り、富士通はある意味、≪平常通りで慣れている≫。JXは≪何かおかしい≫と感じていたのかもしれない。
 しかし、膠着状態を破ったのはJX。大沼がドライブで切れ込んでそのままシュート、10-7(5分46秒)。
 ここで、ゲームのターニングポイントとなったプレーが出た。山本の3Pシュートだ。ここ数ゲームの傾向通り、軌道が低くショート気味。しかし、これが真上に大きく弾んで、更に、リング上で2、3度バウンドした後、ネットに収まった。自信喪失していた山本、曲がりなりにであったが、シュートが決まったことが大きい。10-10(6分)
 さらに、高い位置でパスコースを模索中の吉田から篠崎がスティール、そのまま、速攻、後ろから走り込んできた山本がレイアップシュート。JX10-12富士通(6分16秒)、逆転!
 岡本の3Pシュートが外れ、富士通のオフェンス。長岡の3Pシュートが外れた後、アウトオブバウンドになりかけたのを町田が跳び込んでセーブ。集中力でJXを上回っている。繋いだ富士通、町田がジャンプシュートを決め、10-14(7分11秒)。
 この辺りから、JXのバスケットが完全におかしくなる。岡本のペネトレイトはコースがなく、3人に囲まれている間宮に大沼がパス、ゴール下に飛び込んだ山本へのパスを簡単に通してしまい、3Pプレーを許してしまう。10-17(8分25秒)。
 極めつけは、エンドラインからのスローイン、パス相手に窮した吉田が時間切れに急かされて入れたボールが、篠崎へのパスとなってしまい、そのまま悠々レイアップシュート、JX10-19富士通。(8分56秒)

 JXは8-2からの6分44秒間、オフェンス機会14回のうち成功は1回(2点)のみ、ターンオーバー7回、シュートは1/7。
 結局、JX12-21富士通で、第1Q終了。

 JXは徐々に崩れていった。
 富士通のディフェンスは、吉田を徹底的に篠崎がマークし、他の選手もそれぞれチェックを厳しくし、パスのコースや選択枝を狭めた。
 さらに、ペイントゾーンを狭めて守るので、渡嘉敷や間宮にパスが通りにくく、ボールを持たせるとしても高い位置に留めた。ボード付近でなければ突破されない。
 JXはドリブルが増え、他のメンバーは足が止まる。フラストレーションと混乱で、さらにオフェンスが機能しなくなった。通常、オフェンスが機能しなくても、個人のポテンシャルで何とかするか、渡嘉敷らがオフェンスリバウンドを奪って二次攻撃で繋げていくのだが、苦しいシュートが多いので、リバウンドも合わせられない。

 富士通は序盤、シュートが決まらなかったが、パスの数を減らし早いタイミングで迷いなく打っていた。オフェンスのリズムが良く、JXディフェンスも振り切られるシーンが増えた。



 第2Qに入っても、JXオフェンスはキレがない。シュートを躊躇するシーンも多い。そうこうするうちに、篠崎がキックアウトしたパスを町田が3Pシュート。JX12-24富士通(1分1秒)。
 渡嘉敷がバンクシュートを返したが、山本が3Pシュートが決まる。これが1本目と同様に短かったが、同じように上に跳ねて、イン。こんなシュートが2度も入れば、“今日はシュートを打つ日”と思ったはずだ。それに、“シュートが短くなっている”と意識できたので、修正もしやすいだろう(とは言え、その次の3Pシュートも短く外れた)。
 JXにとっては、不振だった山本に復活され、しかも、アンラッキーなバウンドでインされては、ガックリ。14-27と点差も開き、動揺。
 JX・吉田がシュートを外した後、リバウンドも絡めず、町田がリバウンドを取った後、簡単にペネトレイトで抜かれ、“ゴールtoゴール”を決められてしまう。JX14-29富士通、2分26秒。
 この後も、JX、オフェンスが決まらず、岡本、大沼に替えて、宮崎、宮澤をコートに入れるが、オフェンスは停滞したまま。

 4分11秒、ついに、山本がクリーンな3Pシュートを決める。14-32。
 JXはぞーディフェンスだったが、宮崎がパスカットを試み、勢い余ってハーフラインまでオーバーラン、ディフェンス離脱。その為、山本を完全フリーにしてしまった。
 JX、ゴール付近でパスを受けた渡嘉敷が2点を返すが、三谷が3Pを沈める。JX16-富士通35、5分11秒。三谷の3Pはやられた方はショックが大きい。≪えっ、こんなタイミング(位置)で打っちゃうの?≫というタイミングの早さ。心の準備ができないまま、ネットに沈むシーンを目撃させられる……
 ここで、ようやく、JXがタイムアウト。遅過ぎ!。第1Qも10-16となっってからだった。タイミングとしては、8点取った後、6連続失敗とオフェンスが停滞した辺りでなければならなかった。あそこで、タイムアウトを取っておけば、こんなゲーム展開にならなかったはずだ。

 で、タイムアウト時の言葉が
「ハーフ(前半)だけで取り返せる時間じゃないからね。
 フルコートでしっかり足を使って!
 向こうに気迫で負けてるよ」


 最初の一文は、≪一気に追いつこうと思うな≫という意味だと思うが、続けて言った「フルコートでしっかり足を使って」のニュアンスは、≪(わあ、大変だぁ)必死にディフェンスしてボールを奪い、少しでも点差を詰めよう≫というふうに感じられる。
 そもそも、まずディフェンスを立て直すことが急務で、ボールを奪うことより、相手のオフェンスを封じることが第一。19点差もあるが、第2Q半ば、とにかく立て直して踏み止まり、前半終了辺りで15点差ぐらいで終われれば、JXには十分勝機があるはずだ。
 吉田を休ませて回復を計り、冷静にさせてオフェンスの組み立てを考えさせたい。佐藤HCも吉田を下げた。しかし、コートに入れるのは西山でなく山田にして欲しかった。

 タイムアウト明け、西山がターンオーバー(記録はシュートミス)。富士通・三谷の3Pシュートが外れたリバウンドを取り、バックコートから戻ってきた山本が、フリーの状態で3Pシュート!完全復活であるJX16-38富士通、5分50秒)。

 この後は、大量点差を詰める為、激しくプレス気味のトラップディフェンスを多用したため、3Pシュートの機会を多数与え、19本も決められてしまった(1試合計、35本の試投)。
 結局、JX78-103富士通(前半、JX24-51富士通)で、JXの惨敗。

 富士通は、山本28得点(3Pシュート7/9)、町田19点(3Pシュート5/6)9アシスト、篠崎17点(3Pシュート2/5)4アシスト、篠原11点、長岡8点(3Pシュート1/4)、6アシスト、佐藤7点(3Pシュート1/3)4アシスト、三谷6点(3Pシュート2/6)と、富士通攻撃陣、大爆発したゲームだった。

 JXはペイントを富士通に抑えられ、吉田も篠崎に苦しめられた。しかし、何より、苦境に立った時、ディフェンスを立て直さなかったのが、大敗の因。
 渡嘉敷が20得点と奮闘したが、7リバウンドは少ない。間宮が不振、宮澤は自信喪失気味と不安材料はあるが、立て直してくるだろう。
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科捜研の女15 第14話「絶対に捕まらない男」 第15話「絶対に捕まえる女」(最終話)【追記あり】

2016-03-12 16:06:37 | ドラマ・映画
〔望月達也殺害〕捜査経過――
 望月を工藤一味が殺害。自殺に見せかけた偽装を科捜研が暴くが、2段構えの偽装により証拠不十分で不起訴。

〔原千夏殺害?〕捜査経過――
 千夏の死亡状況が工藤の手口と酷似していた。科捜研の検証により、工藤が殺害に関与していたと判明。
 しかし、その証拠品は落合が捏造したものだった。
 その後の捜査で、千夏は自 殺であったことが判明した。

落合刑事、決死の行動――
 落合が工藤を呼び出す。焦った工藤が暴力団に自分の携帯から連絡。「この発信履歴が暴力団と繋がっている証拠になる」と言い放ち、工藤の犯罪のしっぽを出させる。
 その後、駆けつけた暴力団員が落合を襲う。その際、落合は隠しカメラや自分の爪に微物を残すなど、必死に証拠を残して、絶命。
 科捜研が、工藤の事件関与(望月殺害を含む)を立証。



落合の歪んだ正義について
 これまでにも、被害者を含む事件関係者の気持ちや、他の捜査への妨害になることなど、まったくお構いなしに、暴走してきた落合刑事だが、今回は証拠を捏造して逮捕しようとした。
落合刑事(池上季実子)――
「どんな手を使っても、工藤だけは投獄しなければならない。
 ヤク(覚せい剤)を売って、人を殺して、それでもヤクザに守られて……そんな奴は絶対同じことをしでかす」
「法律やルールが、全部正義だと思っているの?(法律が間違っていることもあるし、法律を守っていては、正義が行えない)」
「私はどんなことをしても、工藤を逮捕する。
 たとえ、自分の命を投げ出しても逮捕する。
 榊さん、それが私の正義よ」(マリコへの手紙)
「私はね、薬物や銃器の犯人が逮捕できれば、それで本望よ」(回想)

榊マリコ(沢口靖子)――
「証拠を捏造するなんて、絶対に認めない」

藤倉刑事部長(金田明夫)――
「(記者会見で落合が命懸けの違法捜査をしていたことを公表し)
 違法な捜査をした警察官は、たとえ犯罪を検挙しても、罪は罪です。
 何より、捜査員に命を懸けさせるような捜査を、われわれ警察は絶対に求めません」

新聞各紙――
「法律順守を捨てた警察」(落合の違法捜査を罪と断じたのだから、“法律順守を捨てた警察官”とすべきだ)
「“府警 違法捜査認める”“行き過ぎた女性刑事の死”“検挙より人命重視”」

被害者・望月の遺族――
「世間がどう言ったって、どんな批判をしたって、あたしたちにとってこの刑事さん(落合)は正義です」

土門刑事(内藤剛司)――
「落合がした証拠の捏造は、確かに間違っている。
 藤倉部長が言うように、命を懸けるような捜査も間違っているのかもしれん。
 だが……俺たち刑事は、皆、命懸けで捜査をしている。
 だとすれば、どこまで命を懸ければ、間違いなんだ。
 そう思えば、俺は落合がひとりで工藤に会いに行ったことを、完全に否定する気にはなれない」

榊マリコ(沢口靖子)――土門の言葉を受けて
「確かに、そのおかげで、今回の事件が解決したことも否定できない。
 でも……そんな捜査が行われないように、科学があると私は信じている。
 ルールと正義が一緒になることを願って、私はこれからも、科学をする」



落合の決死の捜査で美化してしまった!!
 “違法捜査”という表現を多用し、“証拠捏造”の印象をを遠くに追いやり、さらに、“命懸けの捜査”云々で、落合が犯した重大な過ちをぼかしてしまった!
 一番問題にすべきなのは“証拠の捏造”なのである。しかも、千夏は自 殺で、この件に関して、工藤は“冤罪”である。
 確かに、工藤を野放しにしておくわけには行けないし、望月殺害の罪と差し替えたと考えることも可能かもしれない。
 しかし、千夏の死の真相を捻じ曲げてはならない。彼女が殺害されたか、自 殺なのかで、彼女の死や人生における意味が全く違ったものとなってしまう。
 そもそも、証拠捏造で逮捕、そして有罪など、あってはならない事なのだ。

 落合の決死の行動によって、望月の遺族の気持ちは救われたのは事実だが、落合の死によって、“命懸けの捜査”の方に注意が行き、マリコも土門も藤倉も、問題にすべきことがずれてしまった。
 また、落合も、証拠の捏造や違法捜査を悔いることなく、散ってしまった。
 非常に残念なシナリオであった。


※大きな疑問点
1.工藤や暴力団の証拠隠滅などの手口が巧み過ぎる。悪事のプロではあるが、科捜研を欺けるほどの証拠隠滅のテクニックを持っているとは思えない。そもそも、望月が取引の現場に遭遇したのは、不慮の出来事。それなのに、麻酔用マスクを所持しているのは変だし、手際よく証拠隠滅ができるのもおかしい。
2.上記のような手際の良さに加え、落合が必死で残そうとした証拠も、ほとんど、役に立たせなかった(PCの破壊など)。それだけの“殺しのプロ”(by土門の言)なら、落合の死体を海底や山中に遺棄するのではないだろうか?

【追記】
鬼コーチのしごき

(マリコのポジションから言うと、“鬼キャプテン”なのだが、“鬼コーチ”と言った方がしっくりするので)
 今回は強敵だったので、鑑定が大量、精密、長時間。それを、さらりと促すマリコ。自ら率先して実行するので、始末に負えない。悪意は全くないし……
 “命を懸ける捜査”“ルールを遵守”とか言っていたが、ブラック企業並みの酷使である。
 最終話では、風丘先生(若村麻由美)は被害を免れた。


【ストーリー】番組サイトより
『第14話』
 京都市内のビジネスホテルで若い男性・望月達也(東山龍平)の死体が発見された。遺書はなかったが、手首をカミソリで切って湯を張った浴槽につけており、状況から自殺と考えられた。
 だが、婚約者の松井真奈美(福田沙紀)は自殺する理由がないと強く主張。現場に呼ばれた榊マリコ(沢口靖子)は、遺体の鼻筋にうっすら皮下出血があることに疑問を抱き、鑑定に乗り出す。
 すると分析の結果、遺体の血液から麻酔薬が検出され、望月は何者かに麻酔薬を吸わされて意識を失った上、手首を切られた可能性が高いとわかった。その麻酔薬は恍惚感を与えるドラッグとして闇で出回っており、鼻筋の痣は吸引マスクを押し付けられた際にできたものと思われた。
 また、現場の客室から、覚せい剤所持で前歴のあるフリーライター・工藤貴志(岡田義徳)の指紋が見つかった。組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)の調べによると、工藤はかつて、この犯行に使われた麻酔薬に関する記事を書いていた事実も発覚。しかも、工藤の自宅からは現場で検出された足跡と完全に一致する靴が見つかり、自供も得られたため、事件は晴れてスピード解決を遂げた。
 
 ところが、送検された工藤が一転して犯行を否認。事件発生時、現場のホテルの別の部屋で取材をしていたというアリバイを主張しはじめた。工藤は取材で度々このホテルを利用しており、望月が死んでいた部屋にも以前、入ったことがあると供述。その結果、不起訴の判断が下され、京都府警の大失態だと報じられてしまう。
 だが直後、望月の事件と状況が酷似した女性の遺体が発見される。そして、その現場に、なぜか佐妃子がふらりと現れて…!?

脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史


『第15話』(最終話)
 殺人容疑で逮捕送致しながらも不起訴となった覚せい剤の売人・工藤貴志(岡田義徳)を再び逮捕するため、組織犯罪対策第三課刑事・落合佐妃子(池上季実子)が証拠をねつ造したおそれが高いことが発覚! 榊マリコ(沢口靖子)、土門刑事(内藤剛志)は、憤りを隠せない。
 しかし、2人の前に現れた佐妃子は「どんな手を使っても工藤を逮捕しなきゃいけない!」と開き直るばかり。「だからといって、証拠をねつ造するなんて絶対に認めない」と憤るマリコに「法律やルールがぜんぶ正義だと思っているの?」と問いかけ、「拘束するなら令状を持ってきて」と言い捨てて去っていく。
 工藤は地検からまた京都府警に戻ってきたが、逮捕後48時間以内に送致しなければ釈放せざるを得ない。マリコたちが急いでねつ造された証拠の再鑑定をはじめようとした矢先、突如、工藤が釈放された。弁護士やマスコミからの圧力を案じた佐伯本部長(西田健)が決断したのだ。

 そんな中、最初の事件の被害者の婚約者・松井真奈美(福田沙紀)がマリコを訪ねてくる。真奈美は工藤をずっと張り込んでいたといい、工藤が第二の事件の現場に入っていくのを見たと告白、マスコミに事実を打ち明けるという。
 その矢先、佐妃子と突然、連絡が取れなくなった。胸騒ぎを感じるマリコ…!その予感は的中し、佐妃子が思いもよらぬ行動に出て…!?

脚本:櫻井武晴
監督:森本浩史
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15-16 Wリーグ プレーオフ・ファイナル 第1戦

2016-03-11 21:53:16 | スポーツ
最初の得点は富士通・町田のジャンプシュート。これで、リズムに乗るかと思われたが……

 ……序盤3分16秒でJX9-2富士通。
 JXのディフェンスが厳しかったというより、きちんとオーソドックスにマンツーマンディフェンスをしただけで、富士通が確固たる意志を持たずに“何となくのオフェンス”をして、バタバタとシュートを打って外したという感じだ。
 JXオフェンスも、最初の2本は大沼のトラベリングとシュートミスで落としたが、間宮が外したシュートのリバウンドからパスを受けた岡本が3Pシュートを決める。
 JXに対する相手チームのディフェンスは、吉田、渡嘉敷、間宮にマークが固まり、大沼へのチェックが甘くなる(大沼へのチェックは犠牲にして、吉田、渡嘉敷、間宮にディフェンスを集中する)ので、通常のオフェンスを基調にしつつ、「大沼がフリーならば大沼にパス」という指示が出ていたと思われる。
 大沼も「どんどんシュートを打て」という指示が出ていたと思われ、心積もりができていたのだろう。迷いなくシュートが放てたようだ。

 タイムアウト後も、富士通がターンオーバーやシュートミスをする間に、吉田から渡嘉敷へのホットラインパスを通すなどで14-2となってしまう(4分49秒)。
 ワンサイドスコアだが、まだ第1Q半ばなので、勝敗決めつけてしまうのは早計である。
 とは言え、昨年のようにポイントガードに不安(吉田が“破裂してしまわないか?”というぎりぎりの状態、控えのポイントガード・新原は力量不足)がないうえ、他のメンバーの充実ぶりを考えると、逆転負けは考えにくい。
 実際、第1QはJX24-9富士通で終了。渡嘉敷8点、大沼6点、間宮5点、岡本3点、吉田2点と万遍なく得点。
 さらに、第2Q半ばでは36-16と20点差に開き、≪ファイナルが一方的になってしまうと、興行的にまずいぞ≫など、余計な心配までしてしまった。
 この後、富士通のゾーンディフェンスにやや手こずり、最終的には、JX71ー54富士通で終了し、「良かったのは第1Qだけ」という佐藤HCの反省のコメントも出た。富士通の踏ん張りもあったが、JXに若干の緩みもあったのだろう。

 そんなわけで、詳しい感想の必要性も感じず、簡単に箇条書きで済ませていただきます。
JX――
・大沼がオフェンス、ディフェンスともに活躍。シュートタッチもよく、リバウンドも頑張っていた。(13点、8R)
・渡嘉敷、間宮は、それなりに(笑)活躍。渡嘉敷…20点、10R。間宮…9点、11R。
・吉田のパス回しも、それなり(7アシスト)。11得点は多めだが、ジャンプシュートの確率は低かった。(大神がいた頃は高確率だったが、ゲームを作る役割なので、仕方なしか)。6リバウンド。
・岡本は、3Pシュート3/3の9得点。彼女の3Pシュートが決まると、オフェンスも更に機能する。
・私のお気に入りの宮澤は、大沼が活躍したせいか、肩に力が入り、空回り。
・中村は自分のポテンシャルを過信気味かも。

 気になったのは、渡嘉敷と吉田が足をつったこと。「汗をかき過ぎたから」と渡嘉敷は言っていたが、このゲーム展開では、そこまで使う必要はないだろう。
 佐藤HCは「40分間、働いてくれなくては困る」といったコメントをしていたが、相変わらず、切り札を使いすぎる。1試合に拘り、コンディションを崩し、残りのゲームに悪影響を及ぼしてはいけない。ほとんど死角がないと思われるJXだが、最大の不安要素はケガや疲労によるコンディション不良である。
 ゲームの流れを見極めた戦術や選手起用をするのがHCの役割である。ファイナルの場合は、5試合制なので、シリーズを見据える必要もある。

 ≪佐藤HCは将棋やトランプは苦手だろう≫……また、余計な心配をしてしまった。

富士通――
・三谷が奮闘(15得点、3P3本成功)
・山本、長岡が不調(山本…4得点、フィールドゴール1/7。長岡…7得点、3/12)
・シュート確率はやはり低い

 篠崎はミスもあるが、やはり篠崎が暴れてJXを攪乱しないと勝機が生まれない。そうすれば、町田の選択肢も増え、守備をする吉田の負担も増えてくる。
 長岡の3Pが決まれば、渡嘉敷か間宮もペイント外に出なければならなくなり、篠崎が動きやすくなる。
 セミファイナルまでは、「スタメン+三谷+佐藤」のみの起用だったが、この試合の終盤は他のメンバーを起用。7人に悪いイメージと疲労を残したくなかったか、他のメンバーのプレイぶりを見たかったのかもしれない。ゲームが決まってしまってからなので一概には言えないが、動きはよかった。
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2015~16 A級順位戦最終局 その3

2016-03-10 21:27:56 | 将棋
「その1」「その2」、の続きです。
▲深浦康市九段-△広瀬章人八段
 3勝5敗で森内九段と同星ながら順位の関係で残留が決まっている深浦九段と、他局の結果に関係なく勝てば残留、負けると陥落という状況の広瀬八段の対局。


 先手の深浦九段が、「▲3五歩早仕掛け」を敢行。しかも、▲6六歩を省略しての早い動きだ。(通常は▲6六歩に△4四歩、または△7四歩が入っている)
 以後、5筋を中心に細かいやり取りがあり、△7四歩の銀取りを放置して▲5四歩と5筋突破を目指したのが第2図。


 以下、△7五歩▲7一銀△同銀▲5三歩成△同金▲5四歩と深浦九段は銀2枚を犠牲に5筋突破を確定させた。

 飛車、あるいは角で金を取って成り込めるところを▲5四歩と力を溜めたのが巧技で、深浦九段の強襲が決まったかと思われたが、広瀬八段も△4八銀▲5六飛を利かせてから△4四金と歩頭に出て、角交換を強要したのがさすがの切り返しだった。
 △4四金以下、▲同歩△同角▲同角△同歩と進んだ。


 ここで、▲5三歩成か▲7九玉と指すべきだったとのこと。▲5三歩成には、以下△4七角▲6八玉△5六角成▲同金のときに、△6九銀、△8六歩、△5九飛、△3九飛、△4九飛の5手段、▲7九玉には△4五角▲5八飛△8六歩▲同歩△8八歩▲4八飛△8九歩成▲同玉△8七歩▲7九玉△5五桂が想定されるが、変化が多岐で難解らしい。
 しかし、深浦九段は▲5八金と着手。この手は△4七角の王手飛車取り(飛車は紐付きだが)を防ぎつつ、銀取りにもなっているが、妥協した手。
 銀取りにかまわず△4五角が当然ながらツボを捉えた手。▲4八金と銀を取られるが、もともと深浦九段の強襲で銀を貰っているので釣り合いが取れる。それより、△5六角▲同金と先手の攻撃の要の飛車と角を交換を先手で果たせたのが大きかった。
 △3九飛▲5九銀と銀合いを強要してから、△6二銀と歩成りを防いだ局面は、後手の広瀬八段がかなり得をしている。

 以後、42手、約2時間20分指し継がれたが、局勢は変わらなかった。


 終局時刻は0時33分。広瀬八段(3勝6敗・4位)のA級残留、郷田王将(3勝6敗・6位)の降級が決まった。
 深浦九段も3勝6敗となった。順位(5位)の差で負けても残留は決定していた。


 深浦九段は4度目のA級昇級後、3勝6敗、5勝4敗、5勝4敗、そして、今年度3勝6敗。
 安定していると見ることもできるが、王位戦で2期連続、羽生名人に競り勝った時の凄みが感じられない。序盤、中盤の工夫や、中終盤の着実さの反面、本局の第5図のような難解な局面を、踏み込んで読み切る気迫が感じられないのは、私の気のせいか……
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相棒 season14 第19話「神隠しの山の始末」

2016-03-09 23:56:31 | ドラマ・映画
最終回直前の前後編の2話仕立ての話だったが、
1話分にも満たない冴えない話だった。


“悲劇”というには抵抗を感じる一連の事件のしょぼい真相
村の助役……諸悪の根源
・“村おこし”の為、多額の村の予算を使い有名陶芸家・村井流雲を招いて工房を設置したが、村の土が流雲の焼き方に適しなかった。……一番重要なことを検証しないなんて!
・流雲とモメた挙句、殺害。死体の処理に流雲の弟子の夫婦を巻き込む。……人間として駄目だ
・流雲失踪の真相を隠すため、テレビ局を巻き込み、“神隠しの山”の悪評を流す……本末転倒もいいところである
・「悪評はテレビ局のせい」と非難……自分が嫌にならないのだろうか?
・宝石強盗犯をかくまうが、結局、手に余って殺害……もう自首しろよ!

村井流雲……助役とモメなくても、いずれ誰かに刺されたんじゃないだろうか
・大変な作業は弟子にやらせていた
・書も弟子に書かせていた偽書家
・プロデュースセンスはあったようだ
・白いスーツが好きらしい

宝石強盗犯……お気楽にスナック通い
・都会ならともかく、辺ぴな村で通い続けたら目立つだろう。なぜ、足が付かないのか?
・村の助役からたんまり逃走資金をせしめて、他の土地に逃亡すればいいのに
・弾があまりないのに、試し撃ちって?
・白いスーツが好き?

ホステス・里美……右京より、さらに不死身
・かなりの高所。しかも、下はコンクリートかアスファルト。脚本家さんは、SFアクション映画の観すぎ?
・お腹の子はどうなったのか?
・思わせぶりな行動の割には、強盗犯に騙されていただけ
(里美については、他項でも)

里美のダメ亭主……思わせぶり、その2
・里美同様、思わせぶりな表情……宝石強盗の死体を発見、その時、宝石をネコババ
・里美にど突かれ、助役にど突かれ…。

流雲の弟子夫婦……気の毒ではあるが
・身勝手な師匠に弟子入りしたのは不運
・助役の悪事に巻き込まれた(加担したのは自業自得)
・真面目で焼き物の腕はあったが、センスが伴わなかった
・ゴルフコンペの景品はなかなか良かった(デザインは村が考案?)
・夫・鉄朗……けっこう強い

右京……時間稼ぎに徹する
・鍵が壊れていたのに気付かず……右京がチェックした後、喜久子が鍵を外した
・釘で鉄柵を壊すには、かなりの時間を要しそう
・電話工事作業員の逃亡の時間稼ぎの為、弟子夫婦に対し、推察を披露
・とにかく、ドラマを長引かせる時間稼ぎが目立った

冠城……幽霊が怖い
・右京の危機に、「あの人は大丈夫」と信頼を示すが、実は幽霊が怖かっただけ
・側面から捜査し、助役に疑念を持つ
・≪右京の相棒としてはどうなのか?≫という疑問はさておき、
里美との会話、これは駄目でしょう!
「そんなことで自殺する方が、よっぽど馬鹿馬鹿しいと思うけどね。
 それに、きみは妊娠しているんだ」
(冠城)
「こんな狭い村で生きてんだよ。父親は犯罪者だって村中に知られて、どうやってこの先このこと生きてけばいいんだよ。
 分かったようなこと、言わないでよ!」
(里美)


 里見の剣幕に、黙ってしまう冠城だが、言い負かされては駄目でしょう!
  殺を容認したことになってしまう。しかも、妊娠しているというのに。


新たに、“要注意脚本家”の仲間に入れようと思ったら、既に入っている池上純哉氏だった。“警戒作家”に格上げ
(先入観を持つといけないので、最近はレビューを書いた後、確認するようにしています)
 


【ストーリー】番組サイトより
“神隠しの山”で今度は殺人事件が発生!
不気味な夫婦に監禁された右京の運命は?

 逃亡中だった宝石強盗犯・斗ヶ沢(窪寺昭)の遺体がキャンプ場で発見され、捜査は殺人事件に切り替えられる。また、“神隠しの山”で失踪中の右京(水谷豊)の捜索も続けられていた。
 そんな中、亘(反町隆史)は、まだ捜索隊が入っていない山中の陶芸工房を訪れる。そこは、遭難した右京が囚われの身となっている場所だったが、応対に出た住人の鉄朗(升毅)と喜久子(山口果林)の夫婦は、刑事など来ていないと亘を追い返す。
 その時、右京は、偶然居合わせたことで巻き込まれた電話工事の作業員・翔太(清水優)と、敷地内の納屋に監禁されていた。納屋から壺に入った白骨を発見した二人は、さらに危機感を強め、決死の思いで脱出を試みるが…!?  一方、斗ヶ沢殺害の容疑者として、ホステスの里美(岡本あずさ)と夫の亮(川野直輝)が浮上。亘をはじめとする捜査陣に厳しく追求された2人は、明らかに動揺した様子を見せて…!?

脱出を試みる右京に殺意もあらわの陶芸家夫婦が迫る!
新たに発生した強盗犯殺害事件とも関係が…!?
神隠しの山に秘められた謎が、いよいよ解き明かされる!

ゲスト:升毅 山口果林 岡本あずさ 川野直輝 下條アトム

脚本:池上純哉
監督:橋本一
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2015~16 A級順位戦最終局 その2

2016-03-09 13:04:04 | 将棋
「その1」の続きです。

▲屋敷伸之九段-△郷田真隆王将
 先手の屋敷九段が、例によって“二枚銀急戦”(中継解説の表現)作戦。自玉の薄さを顧みず2枚の銀が敵陣に突撃していくのだが、とても、真似する気にはなれない。屋敷九段は“忍者屋敷”の異名を持つので“忍者銀”と称したいのだが、“忍者”と“突撃”とはイメージが合致しない。いっそ“突撃銀”と名付けようか…。

 本局は交換した銀を6三に打ち込み、敵陣の攪乱を狙った。6四の歩の裏に忍び込む銀、これこそ“忍者銀”と言えよう。
 狙いは▲5四銀△同金▲同飛と中央突破。後手の郷田王将は、△6五銀とそれを受けると同時に、7七の角への攻めも見た攻防の銀打ちで応酬(穏やかに△5三銀もあった)。

 ただ、この手は▲6六歩と突かれると、6五に留まることができない。反面、△7六銀が角取りになるので、屋敷九段も自ら後手の銀を呼び込むことになる。また、▲6六歩には△5三金▲6五歩△6三金と妥協する手もあるが、格調高い郷田王将、△6五銀と打ったからには△7六銀と出る一手なのだろう。
 △7六銀に▲7二歩と垂らして、側面攻撃。本来なら、▲5四銀成と行きたいが、角を取る△7七銀成に、▲同桂は△7六角、▲同金ならば△5四銀▲同飛△4五角があり、思わしくないらしい。

 ここで、郷田王将、△1四歩。

 4四の地点の補強ぐらいしか働いていない後手角。働いていないどころか、後手玉の入城を妨げる邪魔駒となっている。しかし、端歩を突いたことで△1三角が可能となった。角が1三に出れば、敵陣を睨む好角となる。
 屋敷九段は予定通り▲7一歩成と指し、以下第2図まで進んだが

 郷田王将の2枚の角の利きが素晴らしく、どうしても屋敷九段が足りなそうな形勢となった。
 戻って第1図では、▲2四歩△1三角▲2三歩成△同金▲7一歩成と進めるか、▲5四銀成として△5七歩(△4二金引もある)▲同飛△1三角▲4六歩と進めた方がよかったようである(by感想戦)。

 第2図では、屋敷九段が突撃するしかなく、ほぼ一本道で第3図に至った。

 ここで先手玉に詰みはないものの、「玉を追い詰める過程で先手の龍を外すことができ、先手玉を包囲した後に3一の成桂を取れば勝ち」いう見通しが控室で立っていた。
 実戦もそのように進む。

 △5四歩は打ち歩詰だが、ここで△3一金と取る手がぴったり。
 ここで▲8二飛なら△4二銀▲5二飛打△5四歩▲4四玉△3二桂で勝ち。ただ、▲8二飛に△4二桂と打ちたくなるが、▲8一角で怪しくなるらしい。また、▲8二飛ではなく▲5二飛には△4二桂で後手勝ち。
 そこで、屋敷九段は△4三桂を消しつつ5四に利きを足す▲4三銀と抵抗したが、△5四歩▲同銀成△4二桂▲4四成銀△6五銀と追い詰められ、最後はひとりで必死に玉を護衛していた成銀が▲3三成銀と突撃し、突破口を開こうとしたが、△3三同桂▲4四玉△5四銀で万事休した。

 傍目では、順当に郷田王将が勝ち切ったようだが(実際もそうである)、第3図の突撃を許容したのは、成算があってのことだし、第4図から投了図まで、読み抜けがあると一気に負けになる局面を読み切っていた。実に、郷田王将らしい勝ち方であった。
 3勝目を挙げた郷田王将、残留は深浦九段-広瀬八段の結果に委ねられることとなった。
 広瀬八段が敗れると、郷田王将は残留、広瀬八段の陥落となる(広瀬八段は、もとより郷田王将の星に関係なく、勝てば残留、敗れれば陥落であった)。また、郷田王将が勝ったことにより、久保九段-森内九段戦が、残留決定戦になった(広瀬八段の勝敗は関与しない)。
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2015~16 A級順位戦最終局 その1

2016-03-08 17:20:48 | 将棋
 ドラマレビューにしろ、観戦記事にしろ、観た時の熱が残っているうちに書かないとダメなようです。
 まあ、そんなことは、学生時代の宿題(レポート)で嫌という程体験していますが……

 先ごろ、「将棋界の一番長い日(午後10時現在)」「将棋界の一番長い日、終了」を書き、余力があれば書こうと思い、図面だけは準備しました。
 ところが、≪準備した≫という安心感のせいか、ずるずる先延ばしして今日に至っています。「Wリーグや連続ドラマのレビューに追われ、後回しになってしまった」という言い訳が立ちますが、いざ、書き始めてみると、やはり、時間が経つと、その時の熱も冷め、考えていたこと感じていたことも、忘れかけています。『鉄は熱いうちに打て』『記事も熱いうちに書け』ですね。

▲佐藤康光九段-△渡辺明竜王
 横歩取り戦で、後手が7二銀型から△2四飛と飛車交換を挑む将棋で、横歩取り戦では新しい指し方で、もっともよく見かける戦型のように思う。
 ただ、端歩や先手の右翼の金銀の構えなどの組み合わせが色々あるらしい。本局は先手の3八金型に対し、後手から△1四歩(この局面は過去に10局)と端歩を突き、先手も▲1六歩と応じている。
 △2三銀▲9六歩△9四歩▲4八銀に、渡辺竜王が≪頃は良し≫と△2四飛とぶつけ、佐藤九段が飛車交換に応じ、1筋の付き合いを利用して▲1一飛と打ち込む将棋となった。

 やや強引な佐藤九段の攻めに対し、渡辺竜王も自陣飛車の強防。1筋のやり取りの間隙をぬって△2六歩▲2八歩と利かせたのも大きそうだ。

 この後、手が進み、第2図。

 敵陣に居る飛車を囲う?不思議な形。
 飛車でなく玉なら、敵陣穴熊で必勝かもしれないが、飛、金、成桂の効率が悪く、金か成桂のどちらかがいない方が嬉しいという重い状態。

 第1図から佐藤九段が予定通り▲2二角成△同飛▲3一金と力尽くの攻めを行ったのに対し、渡辺竜王の△4二銀が巧い手で、以下▲2一金△3二飛▲2四桂△3四飛▲1二桂成と駒得はしたが、渡辺竜王が“柳に風”と受け流し、佐藤九段が注いだ力が空回りした図となっている。

 以下は、佐藤九段の必至の肉薄を、渡辺竜王はきっちり読み切る。

 第3図の3四で当たりになっていた飛車を△3三飛と引いて龍にぶつけた手が決め手で、▲同龍△同歩と後手が飛車を手にした瞬間、先手玉が詰めろになる仕組み。かと言って、▲3三同成桂では詰めろにならず△7九馬で手勝ち。佐藤九段は▲6五桂と詰めろを掛けたが、△4三飛と桂馬を手が“詰めろ逃れの詰めろ”で、▲4三同龍に△6六桂で佐藤九段の投了となった。

 以下は▲6六同歩に△6七角▲同玉△7九と▲5八玉△6九銀▲4九玉△6七馬▲3九玉△4九金までの詰み。途中の△6九銀がやや見えにくい。2筋を利かされたのが大きかった。
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臨床犯罪学者 火村英生の推理 第8話「アポロンのナイフ」

2016-03-07 17:40:19 | ドラマ・映画
“か~もめ、かもめぇ♪”とか、
“こっち側の人間”とか、
“人を殺してみたかった”とか、
“こんな感情のまま、(火村と)一緒に捜査できない”とか、……鬱陶し過ぎる。

シャングリラ十字軍指導者・諸星沙奈江(長谷川京子)や“アポロン”坂亦清音(小野寺晃良)の狂気じみた顔が画面に映るとうんざりしてしまう。

(脱走時の長谷川さんの顔がテカリ過ぎ)

今回は、シャングリラやアポロンの騒動の片手間に事件を解決
だんだん、事件がしょぼくなってきている気がする。

とは言え、“第三者の介入で事件が複雑に見えた”というカラクリはよくあるが、それはそれで面白い
それに、第三者の介入の理由や状況も納得できるものだった。

「学校は、被害者の将来より、加害者の将来を心配するって言うんですか?納得できまへんなぁ!」(by 死体発見者・安納守之(泉谷しげる))
 “未成年の更生”という理由で、加害者が守られるのはおかしい。
 ≪加害者の少年を被害者に見せかけ、実名を曝す≫と、咄嗟に考えた泉谷しげるは賢いぞ!(握りしめていた凶器を持ち去り、自 殺でないようにした)
 加害者が未成年だったからと言って、被害者や被害者家族の痛みや悲しみが軽くなるわけではない。
 未成年や精神障害による“罪の軽減”や“責任能力なし”という措置は納得できまへんなぁ。
 ……………もっと丁寧に描いてもいいテーマだった。

――大きな疑問――
何故、尾木紫苑を刺した座間剣介は離れた場所で自 殺したのだろうか?

 
――中程度の疑問――
返り血は?
 剣介が紫苑を刺し、そして、そのナイフを抜いているので、返り血を浴びたはず。
 鑑識の八十田も、確かそう指摘していた。
 ドラマ全体でスルーするならともかく、鑑識に語らせておいてスルーするというのは頂けない。

【どうでもいいツッコミ】
ピンポイント過ぎる偶然
・東京在住のアポロン・坂亦が火村の居る京都に出現(「修学旅行が楽しかったから」らしい)
・前話で時絵(夏木マリ)が坂亦に遭遇
・坂亦の顔写真がPCに表示された直後、時絵が画面をのぞきこむ
・今度は朱美(山本美月)が坂亦に遭遇
ドラマなので、偶然は仕方ないが、せめて、開いたままのPCの画面を、時間をおいて時絵が覗く、ぐらいの配慮がほしかった。


【ストーリー】番組サイトより
 東京で過激派集団・シャングリラ十字軍の若者2人が殺された事件にまつわる噂がSNSをきっかけに広まっていた。その噂とは、犯人が高校生ではないかというものだった。犯人と見られる少年の顔写真がネットで拡散され、“切り裂き王子”“アポロン”と呼んでヒーロー扱いする者まで現れるように。
 火村(斎藤工)は以前、シャングリラ十字軍の指導者・諸星(長谷川京子)がその事件について「犯人は未成年だ」と言っていたことを思い出す。アリス(窪田正孝)は、“アポロン”と呼ばれる少年・坂亦清音(小野寺晃良)の写真をネットで見つける。その写真を見た時絵(夏木マリ)は、坂亦を京都で見たと言い出す。

 そんな中、高校生が連続して刺殺される事件が発生。被害者の尾木紫苑と座間剣介は、同じ学校の生徒。剣介は死の直前、紫苑宛てにメールを送っていたが、その時点で彼女はすでに死んでいた。この状況から、待ち合わせをしていた交際中の二人が不幸にも同じ通り魔に遭って殺されたという見方が強まる。
 そんな中、アポロンが京都に現れたという情報がネットで広まり、この連続殺人もアポロンの犯行らしいという噂が世間でまことしやかに語られるように。さらに、全国各地でのアポロン目撃情報が続出して、騒ぎは大きくなるばかり。
 一方、朱美(山本美月)は、公園で見知らぬ少年に声を掛けられる。その少年は、坂亦だった。朱美は坂亦と読書の話をするうち、意気投合するが、彼の言動に不穏なものを感じ警戒心を強めるのだが…。

 火村とアリスは、剣介の遺体を発見した安納守之(泉谷しげる)の家を訪ね、話を聞く。火村は安納の暮らしぶりを見て、違和感を覚えるのだった。
 東京の連続殺人と京都の高校生連続殺人。火村は4件の殺人現場写真を見比べて、重要なことに気付く…。


原作:アポロンのナイフ(「菩提樹荘の殺人(文春文庫)」収録)

脚本:マギー
演出:佐久間紀佳
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V・プレミアリーグ ファイナル3 ……う~ん、残念

2016-03-06 21:57:00 | スポーツ
東レ・アローズを応援していたのですが、『ファイナル3』で宿敵?久光製薬・スプリングスに敗れ、ファイナル進出は成りませんでした。

 レギュラーシーズンを1位通過だったが、“ファイナル6”の初戦の日立・リヴァーレ戦を落としリズムを崩したのが、ケチのつき始め。なぜ、初戦で「1位対3位」戦が組まれるのか?不可解な日程である。
 レギュラーシーズン終盤8連勝で、初戦でつまづかなければ、1位でファイナルシードを獲得できたように思える。一番嫌な相手の久光に敗れ、復活させてしまったのも痛かった。

 戦力的には、レギュラーシーズン最終戦の前の試合で、大黒柱のミドルブロッカーのテトリが負傷し、戦線離脱したが、代わりに入った大野が穴を埋め、極端な戦力低下を感じさせなかった。
 エース・木村は一時期よりはかなり調子を戻してきており、迫田もバックアタックを含め大車輪の活躍をしている。ミドルブロッカーの伊藤も、速攻、ブロード、オープントスも器用にこなす。
 ただ、チームの浮沈を握るのは高田。2シーズンぐらい前には、≪なぜ、高田選手をレギュラーで使い続けるのだろう?≫と、ずっと感じていた。ラリー中、チャンスボールが彼女に上がっても、そのほとんどを決められなかった。
 それが、昨シーズンぐらいから、ゲームのポイントで働くようになってきた。レシーブの要でもあるし、攻撃面でも彼女が働けば、木村や迫田が楽になる。レギュラーシーズン1位も、彼女の働きによるところが大きい。

 今日の試合は、その高田選手が攻守(サーブレシーブ、スパイク、サーブ、つなぎのプレー)に著しく精彩を欠いた。当然、東レは苦しい戦いを強いられた。
 攻撃が単調になったので、狙いを絞られやすくなり、幾度となく久光の高いブロックの餌食になってしまった。それでも、怯まず打ち続け、ファイナルセットに持ち込んだ。
 特に第4セットは、途中で木村選手の足がつり、プレー不能に陥った。代わりにコートに立ったキャプテン峯村が活躍、木村が退いたことで、心を決めた迫田の顔つきが変わり、他のメンバーも一丸となって、久光を圧倒した。

 しかし、第5セット2-1から4連続失点で相手に主導権を渡し、4-6からミスを連発し、なんと7連続失点で4-13と絶望的スコア。
 しかし、東レもあきらめず、ここから、6連続ポイントで10-13。ちょっと、感動した。
 けれど、反撃もここまで、結局、10-15でファイナルセットを落とし、東レの今シーズンは終わった。


 この試合を観ると、やはり久光は強い。
 エースは長岡と石井。リーグ最強コンビ。エースコンビとしては、東レの木村&迫田も引けを取らない(攻撃の質は違うが)。ただ、長岡はラリーに終止符を打つ破壊力を持っているのが大きい。そう言えば、今日の試合は石井の弱気なプレーは影をひそめていた。
 さらに、新鍋の器用さも大きな武器で、ウイングスパイカー3人の総合力は抜群である。(これに対抗できるのは、トヨタ車体のポリーナの破壊力(スパイク&サーブ)か。
 ミドルブロッカーも岩永、水田と高レベル。あと、チャンスサーバーの石橋も侮れない。彼女のサーブの時に連続得点が非常に多い。

 不安はセッターがシーズン途中から、古藤→中大路にチェンジしたことぐらいだが、この試合を観る限り不安は感じなかった。

 ファイナルは、久光製薬スプリングス 対 日立リヴァーレとなった。
 一応、久光勝利と予想しておきます。
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