はるがすみ たてるやいづこ みよしのの よしののやまに ゆきはふりつつ
春霞 立てるやいづこ みよしのの 吉野の山に 雪は降りつつ
よみ人知らず
暦の上ではもう春が来ているのに、自分がいる(見ている?)吉野山には雪。春の訪れを知らせてくれる春霞はどこに立っているのだろう。
春を待ちわびる気持ちを詠んでいますが、吉野山の美しい雪景色に名残惜しさも感じているように私には思えます。
「よみ人知らず」、つまり作者は不詳。「0002」で、古今集に歌がもっとも多く収録されている歌人は紀貫之と書きましたが、貫之の歌が約100首なのに対して、よみ人知らずの歌は400首以上載っています。古今集全体の収録歌数は1,100首ですから、作者が誰だかわからない歌が4割ほどを占めているということになります。
以前このブログでもご紹介しました、国歌「君が代」のもとになったこの歌も「よみ人知らず」。0343 に登場します。
わがきみは ちよにやちよに さざれいしの いはほとなりて こけのむすまで
わが君は 千代に八千代に さざれ石の いはほとなりて 苔のむすまで
つまり我が国の国歌の作詞者は誰だかわからないということですね。他の国々の国歌はどうなんでしょう。作詞者や作曲者はわかっているものなのかな??