のべちかく いえゐしせれば うぐひすの なくなるこゑは あさなあさなきく
野辺近く 家居しせれば 鶯の 鳴くなる声は あさなあさな聞く
よみ人知らず
野辺の近くに住んでいるので、鶯の鳴く声は朝ごとに聞いている。
「だから何?」と聞きたくなるような歌(なんて言ってはいけないか ^^;;)ですね。居ながらにして毎朝鶯の声を聞ける喜びというところでしょうか。「朝な朝な」は今では使われない言葉ですが、この「な」は「夜な夜な」の「な」と同じです。「夜な夜な」の方は言葉として今でも普通に生きていますね。この差はどこから来ているのでしょうか。
この第16番からしばらく「よみ人知らず」の歌が続きます。