あづさゆみ おしてはるさめ けふふりぬ あすさへふらば わかなつみてむ
梓弓 おしてはるさめ けふ降りぬ 明日さへ降らば 若菜摘みてむ
よみ人知らず
春雨が今日降った。明日もまた降るようなら、もう若菜が摘めるだろう。草木の成長を促すという春雨が今日降り、明日も降るなら若菜も伸びて明日には摘めるであろうと、若菜摘みを楽しみに待つ気持ち。雨なので今日は見送った若菜摘みだが、もし明日も降るようなら、明日は雨でも摘もう、との解釈も成り立ちますが、個人的には前者の解釈が好きですね。
冒頭の「梓弓おして」は「張る」にかかる序詞(じょことば)で、「張る」と同音の「春」を導くための修辞です。
「一日一首」のペースをなんとか守ってようやく20番まで来ました。まだまだ先は長いですが、焦らず無理せず続けていければ。^^ 引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。