をちこちの たづきもしらぬ やまなかに おぼつかなくも よぶこどりかな
をちこちの たづきもしらぬ 山なかに おぼつかなくも よぶこどりかな
よみ人知らず
あちらかこちらかの手がかりもない山中で、不安そうに鳴く呼子鳥であるよ。
「呼子鳥」とは、カッコウのことであるとの説が有力ですが、他にもウグイスやホトトギスなどの諸説があり、猿のことだとする珍説(?)もあるようです。ひとつ前の 0028 に出てきた「ももちどり」とこの「よぶこどり」、さらに「いなおおせどり」の3つを総称して「古今伝授三鳥」と言われますが、この3つとも具体的にどんな鳥のことなのかはわかっていません。