漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0012

2019-11-11 07:00:11 | 古今和歌集

たにかぜに とくるこほりに ひまごとに うちいづるなみや はるのはつはな

谷風に とくる氷に ひまごとに うち出ずる波や 春の初花


源当純



 谷風に解ける氷の隙間から湧き出てくる波が春の初花であろうか。

 「ひま」は隙間の意。実際に花が咲くより前に現れる雪(氷)解け水から生じる波。その波を花に見立てるまでに春を待ちわびる心。

 作者の源当純(みなもとのまさずみ)は歌人として活躍した人物のようですが、古今集への採録はこの一首のみです。