はるのきる かすみのころも ぬきをうすみ やまかぜにこそ みだるべらなれ
春のきる 霞の衣 ぬきをうすみ 山風にこそ 乱るべらなれ
在原行平
春が着る霞の衣は、横糸が薄いので、山風が吹くと乱れてしまいそうだ。
風が吹いて霞が切れ切れになってしまう様子を、風に乱れる服に見立てています。
作者の在原行平は業平の兄にあたる人物。古今和歌集には四首入集していて、中でも百人一首にもある 0365 は有名ですね。
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む