漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0886

2022-04-03 06:40:43 | 古今和歌集

いそのかみ ふるからおのの もとかしわ もとのこころは わすられなくに

いそのかみ ふるから小野の もと柏 もとの心は 忘られなくに

 

よみ人知らず

 

 枯れた幹ばかりの野に古くからある柏のように、以前からの気持ちを私は忘れてはいません。

 「いそのかみ」は「ふる」に掛かる枕詞。また、第三句までが第四句冒頭の「もと」を導く序詞になっていて、したがってピュアな歌の意味としては第四句・第五句の「昔の心を忘れていない」に集約されていますね。