よのなかに さらぬわかれの なくもがな ちよもとなげく ひとのこのため
世の中に さらぬ別れの なくもがな 千代もと嘆く 人の子のため
在原業平
世のなかに避けられない別れなどなければ良いのに。千年も長生きしてほしいと願う人の子のために。
母から届けられた 0900 への返し。「嘆く」はここでは強く願う意ですね。なお、伊勢物語第84段では、第四句が「千代もと祈る」となっています。現代語の感覚だと、「嘆く」はやはり嘆息する意(古語でもその意味もあります)に思えてしまいますので、「祈る」の方がしっくりきますね。