漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0901

2022-04-18 05:22:40 | 古今和歌集

よのなかに さらぬわかれの なくもがな ちよもとなげく ひとのこのため

世の中に さらぬ別れの なくもがな 千代もと嘆く 人の子のため

 

在原業平

 

 世のなかに避けられない別れなどなければ良いのに。千年も長生きしてほしいと願う人の子のために。

 母から届けられた 0900 への返し。「嘆く」はここでは強く願う意ですね。なお、伊勢物語第84段では、第四句が「千代もと祈る」となっています。現代語の感覚だと、「嘆く」はやはり嘆息する意(古語でもその意味もあります)に思えてしまいますので、「祈る」の方がしっくりきますね。