漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0896

2022-04-13 04:40:40 | 古今和歌集

さかさまに としもゆかなむ とりもあへず すぐるよはひや ともにかへると

さかさまに 年もゆかなむ とりもあへず 過ぐる齢や ともにかへると

 

よみ人知らず

 

 さかさまに年が流れてほしいものだ。つかまえられずに過ぎ去ってしまった年齢が、年月とともに戻って来るかとも思うから。

 「年」には、古語でも「年月」「年齢」両方の意味がありますが、この歌では「年月」を「年」、「年齢」を「齢」と書き分けて対照していますね。