漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0895

2022-04-12 05:59:37 | 古今和歌集

おいらくの こむとしりせば かどさして なしとこたへて あはざらましを

老いらくの 来むと知りせば 門さして なしとこたへて あはざらましを

 

よみ人知らず

 

 老いというもが来ると知っていたならば、門を閉ざして「留守だ」と答えて会わなかったものを。

 「留守だ」と答えてしまったら留守でないことが露見してしまうじゃないか、などというツッコミはなしなんでしょうね(笑)。
 左注には「この三つの歌は、昔ありける三人の翁のよめるとなむ」とあります。0893から続いた、老いを嘆く三首をさしての注書きですが、何やら謎めいていますね。「三人の翁」とは誰なのかなど、この左注の意味するところ、詳細は不明です。