おいらくの こむとしりせば かどさして なしとこたへて あはざらましを
老いらくの 来むと知りせば 門さして なしとこたへて あはざらましを
よみ人知らず
老いというもが来ると知っていたならば、門を閉ざして「留守だ」と答えて会わなかったものを。
「留守だ」と答えてしまったら留守でないことが露見してしまうじゃないか、などというツッコミはなしなんでしょうね(笑)。
左注には「この三つの歌は、昔ありける三人の翁のよめるとなむ」とあります。0893から続いた、老いを嘆く三首をさしての注書きですが、何やら謎めいていますね。「三人の翁」とは誰なのかなど、この左注の意味するところ、詳細は不明です。