漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0888

2022-04-05 06:34:59 | 古今和歌集

いにしへの しづのをだまき いやしきも よきもさかりは ありしものなり

いにしへの 倭文の苧環 いやしきも よきも盛りは ありしものなり

 

よみ人知らず

 

 身分の低い者にも高い者にも、それぞれに盛りの時期はあったのだ。

 「倭文(しづ)」は日本古来の織物で、模様を織り出したもの。「苧環」は紡いだ糸を巻き取る道具。第一句・第二句が、「倭文」と同音の「賎(しづ)」の連想から「いやしき」を導くという技法で、序詞が言って良いでしょうか。