あきののに なまめきたてる をみなへし あなかしがまし はなもひととき
秋の野に なまめき立てる 女郎花 あなかしがまし 花もひと時
僧正遍昭
秋の野に色めかしい様子で競い合うように立っている女郎花よ、なんとやかましいことだ、花がさくのもひと時の間だというのに。
「かしがまし」は、濁らない形の「かしかまし(囂し)」が Weblio 古語辞典 に載っていました。やかましい、うるさい意ですね。和歌に使われるのは珍しい語のようです。遍昭が詠んだ女郎花の歌は 0226 にもありました。再度ご紹介しておきましょう。
なにめでて をれるばかりぞ をみなへし われおちにきと ひとにかたるな
名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花 われおちにきと 人にかたるな
僧正遍昭