漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1017

2022-08-12 05:54:12 | 古今和歌集

あきくれば のべにたはるる をみなへし いづれのひとか つまでみるべき

秋来れば 野辺にたはるる 女郎花 いづれの人か 摘まで見るべき

 

よみ人知らず

 

 秋が来ると、野辺にみだらな様子で立っている女郎花を、一体誰が摘まずに見ることができるでしょうか。

 女郎花を詠んだ歌が続きます。「たはる」は漢字で書けば「戯る/狂る」で、ここではみだらな行為をする意。第五句冒頭の「つまで」は「摘まで」と「抓まで」の掛詞になっており、「抓む」は「抓る」意で、男女の戯れの行為ですね。