漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1015

2022-08-10 07:08:37 | 古今和歌集

むつごとも まだつきなくに あけぬめり いづらはあきの ながしてふよは

むつごとも まだ尽きなくに 明けぬめり いづらは秋の 長してふ夜は

 

凡河内躬恒

 

 寝物語もまだ終わらないのに、もう夜が明けてしまったようだ。長いといわれている秋の夜はいったいどこに行ってしまったのだ。

 心を寄せる異性と過ごす夜は、秋といえどもあっというまに明けてしまうという嘆き(恨み節)の歌ですが、それを「秋の夜長はどこにいったのか」といぶかしんで見せるところにおかしみ(諧謔味)がありますね。