はなとみて をらむとすれば をみなへし うたたあるさまの なにこそありけれ
花と見て 折らむとすれば 女郎花 うたたあるさまの 名にこそありけれ
よみ人知らず
花だと思って折ろうとしたら、女郎花ではないか。何とも困った名を持つ花なのだろうか。
歌意がとらえにくい歌です。「うたた」はここでは「厭わしい」「嫌だ」の意。「咲いている花を手折ろうと思って良く見たら女郎花であった。「女」と名のつく花となると、下心があって近づいたと思われかねないではないか。困ったものだ。」というくらいのおどけた詠歌でしょうか。