いくばくの たをつくればか ほととぎす しでのたをさを あさなあさなよぶ
いくばくの 田をつくればか ほととぎす しでの田長を 朝な朝な呼ぶ
藤原敏行
どれほどの田を作っているからといって、ほととぎすは田長を毎朝呼ぶのだろうか。
ちょっとわかりづらいですが、ほととぎすは自分で田を作っているわけでもないのに、忙しい田長に毎朝呼びかけているのは困ったものだ、というところ。田長(たをさ)は、農仕事を取り仕切る長の意で、「しでのたをさ」はほととぎすの別名。Weblio古語辞典 によると、「『賤(しづ)の田長』の変化したもので、田植えの時期を知らせる鳥の意であったが、音が変化して『しで』となったので『死出』と当てられ、死出の山を越えて来る鳥の意となった。」とのこと。