漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1022

2022-08-17 05:21:09 | 古今和歌集

いそのかみ ふりにしこひの かみさびて たたるにわれは いぞねかねつる

いそのかみ 古りにし恋の 神さびて たたるにわれは 寝ぞ寝かねつる

 

よみ人知らず

 

 すっかり古くなった恋が神のようになって祟りをなすので、私はとても寝られないのであったよ。

 「いそのかみ」は「古り」にかかる枕詞。「神さび」は神らしい振る舞いの意。過去の恋の想いがよみがえってきて寝られないという状況を、「いそのかみ」「神さび」「祟る」と縁語を連ねて大げさに表現したところが諧謔歌たる所以ですね。