古今和歌集 1014 2022-08-09 06:21:54 | 古今和歌集 いつしかと またくこころを はぎにあげて あまのかはらを けふやわたらむ いつしかと またく心を 脛にあげて 天の河原を 今日やわたらむ 藤原兼輔 早く逢いたいとはやる心で衣をすねまでまくり上げて、彦星は天の川を今日渡ろうとするのでしょうか。 詞書には「七月六日、七夕の心をよみける」とあります。一年にたった一度織姫に逢えるのを待ちわびる彦星の想いを詠んだ歌ですが、「脛にあげて」という表現が「諧謔歌」たる所以でしょうか。作者の意図としても、滑稽な情景として詠んだものでしょう。