延長二年左大臣の北の方の御屏風の歌、十二首
かひがねの やまざとみれば あしたづの いのちをもたる ひとぞすみける
甲斐が嶺の 山里見れば 葦田鶴の 命をもたる 人ぞ住みける
延長二年(924年)左大臣の北の方に奉呈した屏風歌、十二首
甲斐国の山里を見ると、まるで鶴のように長命の人が住んでいた。
「左大臣」は藤原忠平(ふじわら の ただひら)、その「北の方」は源能有(みなもと の よしあり)の娘昭子のこと。「葦田鶴の命をもつ」のはすなわち昭子のことで、その長寿を願い、寿ぐ歌ですね。