貫之集 146

馬に乗りたる人おほく行く

ゆくがうへに　はやくゆけこま　かみがきの　みむろのやまの　やまかづらせむ

行くがうへに　はやく行け駒　神垣の　三室の山の　山かづらせむ

 

馬に乗った人がたくさん走っている

馬よ、さらに速度を上げて行け。三室の山の山鬘を早く挿したいのだ。

 

　「神垣の」は「三室の山」にかかる枕詞。「山かづら」は簪として使われるヒカゲノカズラの別名です。