雨降る田植うるところ
ときすぎば さなへもいたく おひぬべし あめにもたごは さはらざりけり
時すぎば 早苗もいたく おひぬべし 雨にも田子は さはらざりけり
雨の中田植えしているところ
時期が過ぎたならば、早苗もすっかり生長してしまうであろう。だから農夫たちは雨にもめげず田植えに精を出している。
農業のことはよくわかりませんが、田植えにもおのずと時期というものがあって、雨だからと言って先延ばしにしていれば早苗が成長しすぎてしまってよろしくない、ということなのでしょう。
この歌は和漢朗詠集にも収録されています。和漢朗詠集には和歌216首と漢詩588詩が採録されていますが、その中で貫之歌は26首と、和歌ではもっとも多くなっています。