漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 153

2023-09-16 05:36:05 | 貫之集

田守る庵あるところ

かりほにて ひさへへにけり あきかぜに わさだかりがね はやもなかなむ

かりほにて 日さへへにけり 秋風に 早稲田かりがね はやも鳴かなむ

 

田を守る小屋があるところ

稲の穂を刈るために田を見守る仮庵で幾日も過ごした。秋風が吹き、早稲を刈り取って雁も鳴く時期が早く来ないものか。

 

 「かりほ」は「狩り穂」と「仮庵」、第四句の「かり」は「狩り」と「雁」の掛詞ですね。歌全体も中々に難解です。