漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 166

2023-09-29 04:22:38 | 貫之集

室生

よとともに ゆきかふふねを みるごとに ほにいでてきみを ちとせとぞおもふ

世とともに 行きかう舟を 見るごとに ほに出でて君を 千歳とぞ思ふ

 

室生

いつの世も絶えず行き交う舟を見るごとに、その舟の帆にように際立つあなた様の千歳のご長寿を思います。

 

 「室生」は地名ですが、室生寺のある奈良県の室生ではないようです。第四句の「ほ」は「帆」と「秀(秀でる意)」の掛詞。さらに「穂」にも掛ける主旨かもしれませんね。